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各キャリアのスマホ料金プランを比較 一新するキャリアは実質値上げ?

 ソフトバンクは9月13日から新料金プランに切り替えたが、他社は10月1日から。つまり、他のキャリアは9月中なら旧プランで契約できる。そこでキャリアごとに、旧料金プランと、新料金プランの月額料金を比較した。

固定回線のセット割のない“最安一歩手前のプラン”で試算

 試算の条件は、最安パターンに近い、「月間利用データ量1GB未満」「MNPまたは新規契約で家族割引なし」「固定回線のセット割引なし(同居家族が契約しているため変更不可)」とした。想定するユーザーは、LINEなどのサブアカウントのために保有している2台目(サブ端末)、端末が安く買えるなら大手キャリアに戻ってもいいと考えているMVNOユーザー、ケータイから乗り換えて初めてスマホを使う初心者など。

 なお、旧料金プランは各社サイトの「料金シュミレーション」の結果を参考に、新料金プランはプレスリリースをもとにまとめている。金額は全て税別で、事務手数料は含めていない。

 まずは、新料金プランのソフトバンク。2年契約/契約解除料なしの「ミニモンスター」(基本音声通話プランを含めて合計月額3980円)に、当初1年間は「1年おトク割」が適用されるため、データ容量1GB未満なら月額2980円となる。
 
ソフトバンクの新料金プラン「ミニモンスター」の詳細

 ワイモバイルは、月間データ容量2GB(当初2年間は3GB)で、1回10分以内の国内通話が無料の「スマホプランS」(月額2980円)に当初1年間は「ワンキュッパ割」が適用され、1000円引きの月額1980円。2年契約/契約解除料なしの新料金プランになると、「スマホベーシックプラン S」(月額2680円)に「新規割」が適用される加入から7カ月目まで月額1480円、8カ月目以降が月額2180円となる。
 
ワイモバイルの「スマホプランS」の詳細

 2年間の通信料金の合計は新料金プランの方が安いが、総額は端末価格次第。また、段階制で上がるので、当初2年間は毎月2000円未満で使いたいなら9月中の契約をおすすめしたい。
 
ワイモバイルの10月1日以降の新料金プランと新旧比較

 UQ mobileは、月間データ容量2GB(当初2年間は3GB)で、基本音声通話プラン込みの「ぴったりプランS」(月額2980円)に、当初1年間、「イチキュッパ割」が適用され、月額1980円。対して、10月1日にスタートする2年契約/契約解除料なしの新料金プランの一つ、データ容量の上限3GB「スマホプラン S」の場合、ずっと月額1980円となる。今回取り上げた中で最も分かりやすく、唯一、新料金プランの方がおすすめといえそうだ。
 
UQ mobileの10月1日以降の新料金プラン

 auは、データ容量1GBまで月額2980円の「新auピタットプラン」(9月30日利用分まで「家族割プラス スタートキャンペーン」で月額1980円)を、2年契約なしで月額3150円、2年契約ありで月額2980円の「新auピタットプランN」にリニューアル。

 最大1000円割り引く「家族割プラス」を適用すると、同居家族2人なら月額2480円、家族3人以上なら月額1980円となる。基本的に、新旧プランとも2年縛りありで、金額も変わらないので、9月中の方が端末代が圧倒的に安いと判断するなら、今のうちに駆け込みで契約したほうがいいだろう。
 
「新auピタットプラン」は、10月1日に「新auピタットプランN」にリニューアルするが、
基本的に契約解除料が1000円に下がるだけ

 ドコモは、6月開始の新料金プラン「ギガライト」(2年契約/契約解除料あり)で試算すると、1GB未満で月額2980円。もし家族2人なら月額2480円、家族3人なら月額1980円となる。

 またドコモは、10月1日から、2年契約/契約解除料を実質的になくす新たな割引サービス「dカードお支払割」を導入。以前のプランから「ギガホ/ギガライト」にプラン変更し、同社のクレジットカード「dカード/dカード GOLD」で支払うと、次の契約更新月を迎えた後は、契約解除料はかからなくなる。
 
ドコモは10月1日以降、「ギガホ/ギガライト」など特定のプランに限り、契約解除料を1000円に値下げ。
さらに、「dカードお支払割」の適用条件を満たせば契約解除料は「なし」になる

 最後に、MNOとしてのサービス開始は事実上延期となったが、MVNOとしては積極期に加入者拡大を図っている楽天モバイルの新旧料金プランを紹介しよう。現在は、契約期間2年で楽天会員の場合、月間データ容量2GBの「スーパーホーダイ プランS」が「長期割(2年)」の適用で月額1980円となり、楽天ダイヤモンド会員は、加入1年目に限り、さらに500円の割引が適用され、月額1480円まで下がる。
 
楽天モバイルの料金プラン(2019年9月30日まで)

 10月1日以降、契約解除料・契約期間の撤廃にあわせ、プラン名はそのまま料金体系を刷新。楽天会員は、月間データ容量2GBの「スーパーホーダイ プランS」の場合、当初1年間は1500円引きの月額1480円、楽天ダイヤモンド会員なら加入1年目に限り、さらに500円引きの月額980円で利用できる。刷新後は、月単位で適用される楽天会員限定の割引「楽天会員割」の金額が毎月500円から1500円に上がるが、引適用期間が2年間から1年間に短縮し、「長期割(2年または3年)」がなくなるため(割引総額2万4000円→1万8000円)、まだ契約していない楽天会員は9月中がチャンスだ。

際立つ大手キャリアの割高感

 まとめると分かるように、楽天モバイルなどのMVNOや、サブブランドのUQ mobile、ワイモバイルの方が1GB当たりの単価が安く、最も安い月額1980円のプランでもデータ容量の上限が2~3GBとなるので余裕がある。ただ、日中の混雑時に回線速度が低下する、最新iPhoneの取り扱いがないといったデメリットがある。

 auとドコモは、家族3人以上ならば、最安月額1980円に抑えられるので、家族全員で乗り換えるか、一人出戻ると家族3人以上になるなら検討する価値はあるだろう。どちらがコスパがいいといえるか、よく考えて決めよう。(BCN・嵯峨野 芙美)

【お詫びと訂正】初出時、楽天モバイルの料金プランの記述に誤りがありましたのでお詫びして訂正します。