無線LAN対応SDメモリカードで東芝「FlashAir」が上半期1位に

特集

2014/07/18 18:01

 スマートフォンが普及したことで、スマートフォンとワイヤレスで連携するWi-Fi対応機器が増えている。デジタルカメラの周辺機器では、無線LANに対応したSDメモリカードが好調だ。手持ちのカメラ、好みのカメラで撮った写真をスマートフォンやタブレット端末などに転送して、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などに簡単にアップできる無線LAN対応SDメモリカード。家電量販店の実売データを集計する「BCNランキング」の無線LAN対応SDメモリカードで、「FlashAir」の東芝が2014年の上半期(1~6月)で1位になった。

FlashAir

写真をスマートフォンなどで閲覧できる「FlashAir」
 

拡大していく無線LAN対応SDメモリカードの市場 リードするのは東芝



 無線LAN対応SDメモリカードとは、無線LAN機能を備えたSDメモリカードのこと。アクセスポイント(AP)としての機能をもち、無線LANがない環境でもスマートフォンやタブレット端末と接続できる。つまり、家のなかはもちろん、オフィスやカフェ、旅行先などでワイヤレス接続し、写真を簡単に転送できるのだ。

 現在、無線LAN対応SDメモリカードは、東芝「FlashAir」やアイファイジャパンの「Eye-Fi」(7月から「Eyefi」に変更)、トランセンドの「Wi-Fi SDHC Card」、テックの「ezShare」などが販売されている。2014年上半期の販売数は、常に前年同月比150%を超えて推移する成長ぶりだ。3~5月の3か月は200%を超え、上半期通期では194.2%だった。なかでも東芝の躍進ぶりはすさまじく、2月を除いて300%を超え、上半期の合計では365.3%と、3倍以上も伸びた。
 

「Eye-Fi」、「FlashAir」、「Wi-Fi SDHC Card」

左から「Eye-Fi」、「FlashAir」、「Wi-Fi SDHC Card」

 当然、市場でのシェアも高い。東芝は、2月以外は50%を超える高いシェアでトップをキープ。6月には64.4%のシェアを記録し、上半期通期のシェアは54.6%だった。上半期の製品別ランキングでも、「FlashAir」の16GBモデルと8GBモデルが1位と2位になり、昨年11月発売の32GBモデルと合わせてトップシェアをとり続けている。
 

 

人気の「FlashAir」 売れている理由は?



 人気の「FlashAir」。売れている理由はどこにあるのだろう。一つは、普通のSDカードと同じく、手持ちのデジタルカメラに挿入するだけで手持ちのカメラがWi-Fi機能付きのカメラになるところだ。この手軽さが受けている。

 「FlashAir」は、IEEE802.11b/g/nの無線LAN機能を内蔵し、デジタルカメラに挿入して写真を撮ると、無線LAN環境のないところでも「FlashAir」自身が無線LANアクセスポイントになって、スマートフォンやタブレット端末、PCなどから「FlashAir」内の写真や動画などにアクセスできる。
 

写真をスマートフォンなどにシェアできる

デジタルカメラで撮った写真をスマートフォンなどにシェアできる

 つまり、クラウドサービスやSNSを利用した写真共有と違って、インターネット環境がなくても、その場にいる人たちと写真をシェアできるのだ。海外や電波が届かないところでもシェアできる。例えば、山のなかでも、電波の届きにくいキャンプ場でも、便利に楽しく使うことができる。

 もう一つ、屋外での利用には、メモリカードをデジタルカメラに差したままで写真を共有できるのもありがたい。メモリカードを取り出す手間や、落として紛失・破損してしまう心配がないからだ。特に海や河などの水辺では、カードを取り出したときに、水没やカメラ内部に水が入る恐れがある。これからの季節、海水浴やダイビングシーンなどでも大活躍しそうだ。
 

水辺でも使える

カメラから抜かなくてもいいので水辺でも使える

 さらに、半径10m以内で、最大7台の機器からの同時アクセスに対応している使い勝手のよさも魅力だ。複数のユーザーや機器と同時に写真をシェアすることができるので、旅先などで撮ったベストショットや思い出の写真などを気軽にその場でシェアできる。また公式の無料アプリをスマートフォンやタブレット端末にインストールすれば、気に入った写真を複数選択、もしくは一括ダウンロードできる利便性も備えている。
 

複数台のスマートフォン、タブレット端末と同時にアクセス

複数台のスマートフォン、タブレット端末と同時にアクセスできる
 

おトクなキャンペーンを実施中 夏の思い出は「FlashAir」でシェア



 昨年11月には、スマートフォンの無線LAN接続先を「FlashAir」に設定したまま、家庭などの無線LANルータ経由でインターネットにアクセスできるインターネット同時接続機能を追加。「FlashAir」から写真を取り込んでSNSにアップするとき、無線LAN接続先を手動で切り替える必要がないのでとても使いやすい。

 東芝は、8月17日まで、「FlashAir」購入者を対象にCMキャラクターの有村架純さんセレクション「選べる体験ギフトカタログ」や「選べるグルメギフト券」「映画鑑賞券(ペア)」などが抽選で当たる「選べる『夏の思い出』プレゼントキャンペーン」を実施している。また、同期間中、FacebookやTwitterで「夏の思い出」エピソードを投稿すると、豪華プレゼントが当たるSNSキャンペーンも行う。このチャンスに一番売れていて使い勝手のいい「FlashAir」を手に入れて、夏の行楽に持っていこう。(BCN・山下彰子)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店・ネットショップからパソコン本体、デジタル家電などの実売データを毎日収集・集計している実売データベース(パソコンの場合)で、日本の店頭市場の約4割をカバーしています。