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BenQ「ZOWIE XL2411K」レビュー! PCだけでなく、PS5やXbox Series Xにもおすすめのコスパの高いゲーミングモニター

 ゲーミングPCの性能を最大限に引き出すには、通常のモニターよりも高いリフレッシュレートに対応したゲーミングモニターが必要になります。ゲーミングモニター市場は年々拡大し、数多くの製品が発売されていますが、その中でも最近よく売れている製品が、ベンキュージャパンの「ZOWIE XL2411K」。性能と使い勝手に優れたコストパフォーマンスの高い製品です。

 XL2411Kは、全国の家電量販店ネットショップの実売データを集計する「BCNランキング」のゲーミング用途の液晶モニター機種別で2022年上半期No.1(1月~6月)の人気製品でもあります。今回は機会を得たので、早速、レビューしていきたいと思います。
 
ベンキュージャパンのゲーミングモニター「ZOWIE XL2411K」

 高性能CPUとGPUを搭載したゲーミングPCは、負荷の高い最新ゲームも、高いフレームレートで動作させることができます。しかし、いくらPCの性能が高くても、組み合わせるモニターのリフレッシュレートが低ければ、その性能を活かすことができません。実際にゲームをプレーする際のフレームレートは、モニターの最大リフレッシュレートを超えることはできないからです。

 特に、最近人気の「VALORANT」や「オーバーウォッチ2」、「Apex Legends」といったFPS/TPSで勝つためには、フレームレートが重要になります。一般的なPCモニターのリフレッシュレートは60Hzなので、1秒間に60回画面を書き換えることができますが、ランキング上位を狙うには、最低でもリフレッシュレート120Hz、できれば144Hz以上に対応したゲーミングモニターが欲しくなります。

 今回試用したベンキュージャパンの「ZOWIE XL2411K」(以下XL2411K)は、リフレッシュレート144Hz対応の24型ゲーミングモニターです。ベンキューはもともと、モニターやプロジェクターなどの映像機器を得意とするメーカーですが、ゲーミングブランド「ZOWIE」を冠したゲーミングデバイスにも力を入れています。
 
黒を基調に赤が組み合わされたスタイリッシュなデザインである

 XL2411Kも「ZOWIE」ブランドの製品で、外観もゲーミングデバイスらしいスタイリッシュなデザインです。

高さ調節やチルト、スイベル、ピボットにも対応した高機能スタンドを採用

 長時間のゲームプレーをする場合、モニターの高さや角度などを適切に調整することで、目や肩の疲れなどを軽減できます。そのため、スタンドの調整機能が重要になります。XL2411Kのスタンドは、高さ調整やチルトだけでなく、スイベルやピボットにも対応した高機能なもの。上下の高さの調整は155mmの範囲で可能になっています。スタンドにはスライドできる目印が用意されているので、自分が使いやすい高さをおぼえておけば、モニターを移動させたり他の人が使ったりして高さが変わってしまった場合でも、すぐに元の高さに戻せるので便利です。
 
モニターの高さを最大まで高くした状態
 
モニターの高さを一番低くした状態

 上下の角度を変更するチルトは、上23度、下5度まで対応し、左右への首振り(スイベル)は、左右にそれぞれ45度(合計90度)回転させることが可能。チルトやスイベルについてもスタンド部分に目盛りを備えているので、動かしてもすぐに元に戻すことができます。さらに、液晶パネル全体を右に90度回転させて、画面を縦にして使うピボット機能もサポートしています。縦画面表示は、縦画面のシューティングゲームや縦に長いWebサイトの閲覧時などに便利です。スタンドの調整機能は非常に充実しているといえるでしょう。
 
スライドできる高さの目印が用意されている
 
パネルを右に90度回転して縦画面にした状態

 スタンドの台座部分は比較的コンパクトで、スイベル機能もあるため、FPS/TPSプレーヤーがよくやるキーボードのハの字置きや逆ハの字置きにも対応できます。また、スタンドの支柱上部に取っ手があるので、楽に持ち上げて移動させることができます。
 
モニターの角度を一番上向きにした状態(上23度)
 
モニターの角度を一番下向きにした状態(下3度)
 
スタンドの台座を斜めにして、スイベル機能で画面を正面に向ければ、
キーボードをこのように逆ハの字における

 背面には電源ボタンと5ウェイコントローラと呼ばれるスティック状のデバイス、2つのローテーションキーを備えます。5ウェイコントローラはその名の通り、上下左右+押し込みで選択という5つの操作が可能で、OSDメニューの操作性も良好です。
 
背面には電源ボタンと5ウェイコントローラ、2つのローテーションキーが用意されている
 
背面の様子。スタンドの支柱の上部に取っ手がある

4系統入力対応で、PC以外にもさまざまな機器を接続可能

 XL2411Kは、インターフェイスが充実していることも魅力です。HDMI×3とDisplayPort×1の合計4系統の入力端子を備えているので、PCを含め最大4台の機器を接続して切り替えながら使えます。PlayStation 5やXbox Series Xの120fps出力にも対応しています。また、オプションの外付けコントローラー「S.Switch」を接続するための端子やヘッドホン端子も用意されています。スピーカーは搭載していませんが、FPS/TPSなどのゲームは、ヘッドホンで音を聞きながらプレーすることが基本なので、ゲーミングモニターではスピーカーの必要性は低いのです。
 
映像入力端子として、HDMI×3とDisplayPort×1の合計4系統が用意されている。
HDMI1のみHDMI 2.0対応で、他の2つはHDMI 1.4対応となる。
一番左はヘッドホン端子で、その右はオプションの「S.Switch」接続用端子である

 電源ケーブルやHDMIケーブル、DisplayPortケーブルは、スタンドの支柱に空いている穴を通して接続することによって、ケーブルをスッキリとまとめることができるので、机の上をコードで埋めてしまう心配もありません。
 
支柱の穴を通すことで、ケーブルをスッキリとまとめることができる

応答速度を高める「AMA」と激しい画面の揺れを抑える「DyAc」を搭載

 XL2411Kは、基本性能も高いことが魅力です。解像度は、1920×1080ドット(フルHD)で、TNパネルを採用しています。中間色の応答速度を高める「AMA」と、独自のバックライト制御により、ゲーム中の激しい画面の揺れを抑える「DyAc」を搭載していることも特筆できます。最大輝度は320cd/m2、最大リフレッシュレートは144Hzです。

 また、暗いシーンが多いゲームをより見やすく、プレーしやすくするための「Black eQualizer」と呼ばれる機能も搭載されています。Black eQualizerは、画面の暗い場所を持ち上げて明るくする機能で、暗いシーンでの視認性が向上します。さらに、「Color Vibrance」(色の鮮明さ)を調整することで、敵がより見やすくなりました。

 コンテンツに応じた画面モードは、「FPS1」「FPS2」「FPS3」「ゲーマー1」「ゲーマー2」「ゲーマー3」「動画」「標準」「エコ」の9種類が用意されています。FPSが3種類ありますが、FPSタイトルや好みによって使い分けることになります。また、ゲーマー1~3は、ユーザーがカスタマイズした設定を登録するものです。

OSDメニューの操作もしやすい

 画質設定などは、OSDメニューによって行います。OSDメニューは、本体背面の5ウェイコントローラで操作します。直感的な操作が可能で操作性は良好。よく変更する機能は、最初に表示されるクイックメニューや2つのローテーションキーに割り当てることもできます。
 
5ウェイコントローラを押し込むと、まずこのクイックメニューが表示される。
ここでよく使う機能を直接選んで変更できる
 
クイックメニューで「メニュー」を選ぶと、メインメニューが表示される

プレーも非常に快適、特にFPS/TPSプレーヤーにおすすめ

 実際に、ゲーミングPCを接続して、「VALORANT」や「Apex Legends」などのFPSをプレーしてみましたが、平均フレームレート144fps近い動作環境でも、応答速度が高速でブレや残像感はなく、非常に快適にプレーできました。「DyAc」をオンにすることで、より表示のブレが小さくなり、よりエイムがしやすくなりました。
 
実際に「VALORANT」をプレー中の様子。残像もなく見やすい

 XL2411Kは、「基本性能」「快適プレーのための機能」「使い勝手」の三拍子揃った製品で、ゲーミングモニターとしての完成度はとても高いといえます。価格的にも手頃で、コストパフォーマンスも非常に優秀。入力端子の数も多いので、PCだけでなく、PlayStation 5やBDレコーダー、Nintendo Switchなど同時に多くの機器を接続できます。特にFPSやTPSを快適にプレーするための機能が充実していますので、そうしたタイトルをよくプレーするゲーマーには、自信を持っておすすめできる製品です。(ライター・石井 英男)