Android 12へのアップデートでまだまだ現役!「Zenfone 8」は今が買い時

レビュー

2022/06/28 17:00

 「Zenfone 8」はASUSが2021年8月に発売したスマートフォンだ。当時のフラッグシップSoCを搭載したその性能は高く、さらにAndroid 12へのアップデートが配信された。発売から半年以上経っているが、まだまだ一線で戦えるスペックを持っている。発売から時間がたったことで値頃感が出てきたZenfone 8を、Android 12へのアップデートを踏まえてあらためてレビューしたい。

ASUS「Zenfone 8」
 
ASUS「Zenfone 8」(裏面)

小型ボディに5.9インチディスプレイを搭載

 Zenfone 8最大の特徴は、フラッグシップモデルにもかかわらず小型ボディであるという点だ。Appleの小型端末であるiPhone SE(第3世代)と比べると以下のようになっている。
 
iPhone SEとのサイズ比較

 手で持つときに重要な横幅がほぼ同等にもかかわらず、ディスプレイサイズが5.9インチと大きい。筆者が持っている6.1インチディスプレイ搭載のiPhone XRと比べると、かなりスリムであることがわかる。
 
Zenfone 8(左)とiPhone XR(右)のサイズ比較

 狭額ベゼルなどによる効果と考えられるが、高性能にもかかわらず片手操作がしやすいサイズ感なのは貴重といえる。

ハイエンドSoCを搭載

 ASUS Zenfone 8にはシステム・オン・チップ(SoC)として、QualcommのSnapdragon 888を搭載している。このSoCはQualcommとしては1世代前のフラッグシップSoCであり、現在は後継のSnapdragon 8 Gen 1がリリース済みだ。

 しかしながら、Snapdragon 888に比べてSnapdragon 8 Gen 1が劇的に進化したわけではなく、Snapdragon 888の性能は今でもハイエンドSoCとして十分通用する。
 
Zenfone 8のGeekbenchスコア

 GPU性能を測定する3DMarkにおいても、Wild Lifeベンチマークで5716と、高いスコアを記録した。
 
Zenfone 8の3DMark Wild Lifeベンチマークスコア

 さらに、リフレッシュレート120Hzの高速駆動AMOLEDディスプレイを搭載しており、滑らかな映像でゲームも十分楽しめる性能を備えている。実際にゲームをプレーしてみると、映像が鮮明なだけでなく、タッチに対する反応に遅れを感じることは無い。
 
モバイル版のApex Legendsは快適にプレーできた

大容量バッテリー搭載&急速充電対応

 小型ボディにもかかわらず、Zenfone 8には4000mAhという大容量バッテリーが搭載されている。バッテリーの持ちは非常によく、ゲームなどの重い処理を頻繁におこなわなければ2、3日は充電せずに使えると感じた。
 
4000mAhバッテリーを備えるZenfone 8

 また、Quick Charge 4.0/USB Power Delivery 3.0に対応した最大30Wの急速充電が可能であり、約25分で60%まで急速充電できる。いくら大容量バッテリーを搭載していても充電が遅いのではいざというときに使えない可能性があるが、これだけ高速に充電できれば十分にバッテリー容量の大きさを活かせるだろう。
 
パッケージとZenfone 8

オーディオにもこだわり

 Zenfone 8は音にもこだわっている。小型かつ防水仕様にもかかわらず3.5mmイヤフォンジャックを備え、内蔵スピーカーもステレオ仕様だ。また、オーディオの最適化を専門におこなうDirac社と協力してチューニングをおこなっており、品質の高い音で音楽や動画、ゲームを楽しめる。もちろんハイレゾ音源再生にも対応し、BluetoothコーデックとしてaptX Adaptiveに対応しているため、ワイヤレスでも高い音質で音楽を楽しめるだろう。
 
Zenfone 8に搭載のハイレゾ対応音楽プレーヤー

おサイフケータイ、防水、カメラ機能も充実

 Zenfone 8はその他の仕様も充実している。日本においてキャッシュレス決済の主流となっているおサイフケータイに対応するほか、IP68規格の防水・防塵性能、6400万画素カメラなど、フラッグシップスマートフォンにふさわしい仕様だ。混雑した電車やバスでうれしい片手モードや性能/バッテリー優先モードの切り替え、よく使う操作を物理キーに割り当てられるスマートキーなどの独自機能も便利に使える。

 カメラ機能は、ポートレートやパノラマなど多彩なモードを備える。なかでも、一般的なカメラでも撮影が難しい夜景を撮影する「夜景モード」はイチオシ。通常撮影モードで夜に撮影した写真と、夜景モードで撮影した写真を見比べると違いがよくわかる。
 
通常撮影モード(左)と夜景モード(右)

 一目でわかるのは、夜景モードの鮮やかな色彩だ。暗い場所を撮影すると色の情報が少なくなってしまいがちだが、夜景モードは色味を補っている。通常モードの照明の白飛びや黒つぶれも軽減されており、全体的にクッキリと写っていた。

Android 12へのアップデートを果たしたZenfone 8

 Zenfone 8には発売時にAndroid 11が搭載されていたが、2022年 のアップデートでAndroid 12へとアップデートされた。そこで追加された機能を紹介しよう。
 
Android 12へアップデートされたZenfone 8

ピクチャインピクチャ対応強化

 Android 12へのアップデートで強化された機能の1つがピクチャインピクチャ(PIP)だ。Android 12ではPIPウィンドウをシングルタップすると再生/一時停止ボタンが表示され、ダブルタップすると拡大/縮小、ピンチイン/ピンチアウトで画面サイズの調整など、より便利にPIPが利用できるようになっている。動画のながら視聴にうってつけの機能といえるだろう。

セキュリティへの配慮も改善

 個人情報の塊であるスマートフォンからの情報流出を防止する機能も追加された。たとえば、プライバシーダッシュボードと呼ばれる、プライバシーに関する設定や情報をまとめて管理できる機能がその1つだ。
 
Zenfone 8のプライバシーダッシュボード

 また、カメラやマイクの使用状況を表示したり、正確な位置情報ではなくおおよその位置情報のみをアプリに与えたりできるようになり、より安心してスマートフォンを利用できるようになった。

Zenfone 8は今がお買い得!

 そんなZenfone 8は今がお買い得といえる。その理由を3つのポイントから解説しよう。

発売時よりも販売価格が安くなった

 Zenfone 8の価格は発売後半年ほどで価格改定され7万2800円~とさらにお買い得な価格で購入できるようになった。また、MVNOなどでの取り扱いも多く、キャンペーンなどを狙えばより安く買えるだろう。先述の通りZenfone 8の性能はまだまだ色あせておらず、この価格で買えるのはお買い得といえる。
アップデートの継続により安定性が向上

 新しいSoCを採用したスマートフォンには不具合がつきものだが、Zenfone 8は発売から10カ月以上経過し、数多くのアップデートが配信されているため、安定性が向上している。

 Zenfone 8はASUSの看板となるスマートフォンであり、現在でも1カ月に1度くらいのペースでアップデートが配信され続けているため、今後も改善が期待できるだろう。

長く使えるお手頃なスマートフォンを探しているならZenfone 8

 この記事で紹介したように、Zenfone 8は高い性能を備えた小型スマートフォンにもかかわらず、発売から時間がたって価格が下がり、数多くのアップデートを経て動作の安定性が増した。
 
Zenfone 8のイメージ画像

 発売当初の価格ならスマートフォンでゲームをプレイするユーザーにおすすめといえる価格帯だったが、今の価格ならゲームをやらなくても小さくて長く使える高性能端末を探している人にもおすすめといえるだろう。

 一つの端末を長く使うとお財布にも優しく、SDGsの理念にも合致しているといえる。新しいスマートフォンの購入を検討しているならぜひASUS Zenfone 8を候補に入れてほしい。(ライター・ハウザー)