こんなSSDはデータが消える? 不穏な兆候が表れたら今すぐバックアップを

レビュー

2022/06/12 18:35

 SSDが飛んでしまった。ノートPCに増設して使っていた500GBのNVMe対応M.2 SSDだ。幸いにして200GB程度しか使っていなかったが、それでも膨大なデータが消えてしまったのは痛い。実は前兆があった。怪しいと思った時にすぐバックアップを取っていれば最悪の事態を避けられた、と思うと悔やまれる。どんなディスクであれ、いつかは壊れる。そこで、データが取り出せなくなった経緯をまとめた。同様の状況に遭遇した場合の参考になれば幸いだ。

 トラブルは立て続けに起こる。キーボードが壊れて修理に出したノートPC。無事修理完了したかと思いきや、今度は増設していたSSDのデータが飛んでしまった。どうやらSSDの物理的な破損のようだ。特にショックを与えたり、高温の場所に放置するなどしたわけでもなく、普通に使っていただけだが、ある日、全くアクセスできなくなってしまった。
 
今回故障してしまった500GBのM.2 SSD。
外観では全く不具合が生じているようには見えない。
サイズは2280という最も一般的なものだ

 PCは昨年5月に購入した14インチのノートPC。OSはWindows10だ。SSDはPC購入直後に通販で入手したもの。内部スロットに直挿しして使っていた。昨年一杯は何の問題もなく使えていた。しかし今年の3月ぐらいから、徐々におかしな挙動をするようになった。まず、時々認識できなくなった。主にデータ保存用として使っていたため、認識しなくても問題なくPC自体は使える。デスクトップに張り付けていたSSDへのショートカットをクリックすると、ディスクがないとのエラーメッセージが出るようになって初めて気が付いた。

 ところが、再起動すると普通に認識し使える。何らかの不具合はあるものの、一時的に認識できなくなっただけだと考え、さほど気にしなかった。その後も認識しない場合は再起動、ということを繰り返して利用していた。いずれの場合にも一旦認識すればシャットダウンするまで普通に使えていた。そうこうしているうちに、徐々に一回の再起動では認識しないようになってきた。何度か再起動して、SSDを認識したら利用を開始するという運用を強いられるようになった。これを運用と言っていいものか極めて疑問だが、当時はそうやって使っていた。「だましだまし」というやつだ。一応、スロットの接触不良も疑い、接点復活剤を塗布したりもしてみたが、状況は変わらなかった。
 
PCの内部スロットに挿して使っていたが、全くアクセスできなくなったため、
M.2 SSD用の外付けケースを介してPCに接続して状況を調べた

 SSD認識の問題と並行して、立ち上がりの遅さも目立つようになった。PCの電源を入れると、PCメーカーロゴが表示され、その後OSが立ち上がるのだが、メーカーロゴの表示まで時間がかかるようになった。おそらく、BIOSレベルでの認識に問題があったのだろう。ロゴ表示まで長い時間待たされる場合は大体SSDが認識されないという具合だ。また、PCがいきなり落ちるという事象も何度か起きた。ある日、オンライン会議中に突然OSが落ちてしまった。慌てて再起動して会議に参加しなおした。今にして思えば、どうやらこれもSSDの不具合と何らかの関係がありそうだ。
 
エクスプローラーで見えているSSDをクリックしても
「ファンクションが間違っています」とのエラーメッセージが出てアクセスできない

 6月に入ると、何回再起動してもSSDが認識できなくなった。PCの内部スロットにつないだ状態では全く認識できず、ディスクの状態を見ることもできない。そこでメーカーサイトなどで情報を収集した結果、M.2 SSD用の外付けケースにSSDを入れ、USB接続した状態でディスクの状態を見ることにした。一応ディスクとしては認識され、ドライブ名も付与されているが、プロパティでディスクの状態を確認すると、使用領域、空き容量、容量のいずれも0バイトとの表示がされているだけ。ディスクの中身を開こうとすると「ファンクションが間違っています」とのエラーメッセージが出て全くアクセスできない状態になってしまった。もう素人では手も足も出ない。
 
SSDプロパティーを見ると使用領域、空き容量、容量のいずれも0バイトに。
こうなると故障の可能性が高いという

 SSDは完全に壊れてしまったようだ。保存していたデータの中には必要なものもあったため、専門業者に依頼してデータの復旧を試みることにした。ただし、予算は限られている。技術力は高くなさそうだが、4万円ほどで復旧するという業者に依頼してみた。数日後、物理的に破損しているため、復旧できないとの連絡が返ってきた。物理的な修理を行って再度データ復旧を試みる業者を紹介するとのこと。料金は少なくとも16万円はかかるという。おそらくメモリの中のデータ自体は無事ではないかと思われるが、データをやり取りするコントローラチップが壊れたのではないかと思う。だとすれば、チップの交換で対処するしかない。この業者ではチップ交換の設備と技術がない、ということだろう。一部のデータは別のディスクから復旧できていたこともあり、データの復旧はあきらめることにした。

 今回経験したSSDが壊れる兆候と思われるものは次の通り。時々認識しないことがある、OSの起動に時間がかかるようになる、PCがいきなり落ちる、など。放置していると、SSDが完全に死んでしまう恐れがある。もし絶対に消えてはまずいデータが含まれていたら、数十万円の費用を支払って修復を依頼する羽目になるかもしれない。それでもデータが修復できる保証はどこにもない。現在は、500GBクラスのM.2 SSDなら6000円前後でも入手可能だ。数千円をケチって大きな被害に遭うのでは割に合わない。SSDの不穏な兆候に遭遇したら、即座に全データのバックアップを取り、SSDを買い替えることをお勧めする。大切なデータを失う前に。(BCN・道越一郎)

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