コロナ消毒の大本命はフィリップス? 隠れた老舗の消毒照明が信頼に値する理由

レビュー

2021/10/16 19:00

【木村ヒデノリのTech Magic #076】 コロナ禍によってさまざまな製品がリリースされた“消毒”というジャンル。当初は消毒の効果がない怪しい製品も多く見受けられたが、研究が進み信頼のおける製品のみが残り始めている。そのなかで特に本命と考えられているのが、「UV-C」という紫外線による殺菌だ。研究によれば、6秒でコロナウイルスを99%、25秒で99.9999%減少させるという。殺菌力が高いことからコツがいるが、適切に活用すれば安心な空間を作ることができる。今後の感染症にも活きるであろう次世代の空間設計とはどのようなものなのだろうか。

意外な感じもするが、フィリップス
今までの知見に基づいた信頼性の高い消毒製品を
多くラインアップしている

便乗商法のせいで玉石混交だった消毒製品市場

 新型ウイルスということもあり、その除菌(不活性化)には当初多くの説やデマとも言える酷いものが多くあった。例えば、昨年5月に奈良県立医科大学が発表した「オゾンによる新型コロナウイルス不活性化を確認」という研究結果の直後には、オゾン発生器メーカーが便乗。研究結果では最低でも1ppmという家庭用では到底発生させられない濃度でないと不活性化が確認できなかったという部分には触れず、「オゾンがコロナ対策に有効」という切り取り方をして、購入を煽った。
 
オゾンは高濃度だと急性・慢性双方の
中毒症があり非常に有害。コロナウイルスを
不活性化できるほど高濃度になると、
咳やめまい、呼吸困難などを引き起こしてしまう

 紫外線による除菌にしても同様に情報を精査しなければデマに踊らされてしまう。今回、紹介するフィリップス製の消毒ライトはUV-Cという紫外線のなかでも特定の波長、さらに殺菌に特化した波長帯を備えているので安心だ。価格は少々高めだが、これを嫌って少しでも安いものをとAmazonなどで購入すると、「全く効果のない波長のUVだった」ということも十分あり得る。また、効果のある製品であっても安全性に懸念のあるものもあるので、特にお子さんがいるような家庭では注意が必要だ。
 
しっかりと除菌するためには地表に届かない
100~290nmのUV-Cと呼ばれる紫外線を
使うことが重要。フィリップス製品は
このなかでも特に殺菌効率の高い265nm付近の
光が照射できる製品を多く揃えている

 紫外線ではウイルスは除菌できないと勘違いしている方も多いが、実はそうではない。フィリップスはボストン大学国立信仰感染症研究所と共同でUV-Cランプが新型コロナウイルスに及ぼす影響を調査。6秒間の積算光量を5mJ/平方センチメートルに設定したところ、活性状態のウイルスが99%減少することを確認した。もともと地表に届かず、皮膚や角膜にも重大なダメージを与えるUV-Cだが、その反面ウイルスのRNAを破壊する効果もあったわけだ。これが細菌であればDNAが破壊されるわけだが、同様にウイルスにも効果があるということが実証された。
 
タンパク質に囲まれたRNAまで光が浸透し、
RNAの螺旋を壊して不活性化する

隠れた老舗、フィリップスが開発する安心安全な消毒ライト

 そもそもフィリップスがこうした殺菌系製品を作っていることを知らなかった人も多いのではないだろうか。筆者もシェーバーやIoTライトを販売しているイメージだった。しかし同社は業務用ライトでの導入シェアが非常に高いメーカーで、古くから照明系のプロダクトについて研究開発を進めていた。そこから家庭用に派生したのが有名なIoT照明「Hue(ヒュー)」なわけだが、同様の照明分野ということで紫外線ライトについても多くの知見が蓄積されていた。特に安全性においては他の製品よりも群を抜いて高い品質を保持しており、取り扱いが難しいUV-Cでも安心して使える点は非常に好感が持てた。
 
直接目に光が入らないように設計された
常時点灯の製品もあるなど、安全性はかなり
配慮されている印象

 家庭用にも表面殺菌できるライトがあるのが面白い。私が調べた限り安全に使えて、かつ空間だけでなく家具の表面まで殺菌できる製品は他にない。卓上UV-C殺菌装置なら247×120×120mmという小型にもかかわらず、28平方メートル程度のリビングも45分で殺菌可能だ。目に入ると角膜炎などを起こす恐れのある強力なライトだが、万が一人やペットが近づくとすぐに消灯するセンサーが搭載されており、室内に動きがある状態では作動しない。点灯する際にも長押しを要求するなどの対策が盛り込まれているので、子供やペットがいても安心して利用できる構造だ。
 
さまざまな場所を家具も含めて
除菌できるのは非常に便利だ
放射照度も11.5mJ/平方センチメートルを
確保できるので、実験結果を踏まえても
効果が期待できる

豊富なラインアップで痒いところに手が届く本格除菌ツール

 この他にも、スマホやアクセサリーを手軽に除菌できる安価なモデルや、哺乳瓶などを除菌するのに適したボックスタイプの製品もある。ボックスタイプの製品は簡易乾燥機能も付いているので、今まで薬剤や電子レンジで除菌していた方法に加えてさらに安心できるツールとして、子育て世代にも注目してもらいたいと感じた。

 というのも、薬剤タイプはしっかりと洗い流すなどの手間がかかるし、電子レンジタイプは殺菌時間こそ速いものの、乾燥させるまでの時間で再度菌が繁殖しないか不安だったからだ。その点ボックスタイプの製品であれば、殺菌力の高い紫外線を照射しつつ、乾燥まで行ってくれる。コロナウイルスにも有効ということを考えればかなりメリットが高いのではないだろうか。
 
小物を消毒するタイプはLEDだが、5445円と安価。
ボックスタイプは大容量なので
哺乳瓶以外にも一度に消毒できるのが便利だ

 唯一気になったのは、運用の煩雑さだ。安全性とはトレードオフの問題になるので仕方ない部分だが、少しでも動きを感知すると止まってしまい、再度起動するのに時間がかかるのは少し面倒に感じた。トイレや洗面など、ドアにガラスのない部屋は問題ないと思うが、リビングなどドアが擦りガラスになっている部屋ではドアの前を通っただけで止まってしまうことがあった。

 ただ、こうした不便さがあるのも殺菌力が高いからこその結果だ。個人的にはしっかりと殺菌できなければ意味がないので、多少の不便さは許容範囲だった。気になる場合は冒頭で紹介した常時点灯タイプ(天井高は必要)も選べるという部分は非常に良い。こうした機器を導入すれば、オフィス、家庭問わず今後も安心な空間設計が可能になる。今から導入しておけば変異株などの脅威もある程度軽減できる可能性があるので、これから家を建てる、リノベーションする、という方は継続的な資産価値維持を考えても導入するとプラスになるのではないだろうか。(ROSETTA・木村ヒデノリ)

■Profile

木村ヒデノリ 
ROSETTA株式会社CEO/Art Director、スマートホームbento(ベントー)ブランドディレクター、IoTエバンジェリスト。

普段からさまざまな最新機器やガジェットを買っては仕事や生活の効率化・自動化を模索する生粋のライフハッカー。2018年には築50年の団地をホームハックして家事をほとんど自動化した未来団地「bento」をリリースして大きな反響を呼ぶ。普段は勤務する妻のかわりに、自動化した家で娘の育児と家事を担当するワーパパでもある。

【新きむら家】
https://www.youtube.com/rekimuras
記事と連動した動画でより詳しい内容、動画でしかお伝えできない部分を紹介しています。(動画配信時期は記事掲載と前後する可能性があります)

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