このところ、40代以降の中高年の間でAMラジオの人気が密かに高まっているという。ところがAMラジオは雑音に悩まされることが多い。そこで活用した いのがワイドFM(FM補完放送)だ。一言で言えば、AMラジオの番組をFMのクリアな音で聴くことができる放送のこと。関東地方では10月から試験放送 が開始されており、12月にも本放送がスタートする。そんなワイドFMにいち早く対応しながら、ワンセグも視聴できるという盛りだくさんの「ラジオ」がロ ジテックから発売された。そこで、実際に使って使い勝手を確かめた。

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ワイドFMやワンセグ放送の受信にも対応する「ラジオ」、ロジテックの「LTV-1S280P」

音声がとても聴き取りやすく、ワイドFMにも対応


 通常のAM・FMラジオに加えワイドFMも受信でき、さらにワンセグテレビも観られるのがロジテックの「LTV-1S280P」だ。ロジテックではあく までも「ラジオ」として販売しているのがおもしろい。2.8インチの液晶ディスプレイで楽しめるワンセグはあくまでも「おまけ」という位置づけのようだ。 ボディサイズは幅135×奥行き25×高さ92mmで、質量は約145g。シャツのポケットには入れられないが、ジャケットのポケットにはなんとか入るサ イズだ。もちろん、鞄に入れればそれほどかさばらず、重さを感じることもなさそうだ。ボタン類も大きく操作しやすい。
 

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本体前面に搭載する大きなスイッチとボタン。使い勝手もいい

 まず、ラジオとしての基本機能をチェックしていこう。初めて使うときや地域を大きく移動した場合は、最初にスキャンボタンを押して、放送局を探す。あと は選局ボタンを押して聴きたい放送局に合わせるだけ。ポータブルラジオとしては音声は非常にクリアで、聴き取りやすかった。音質には特にこだわっているよ うで、音量を最大にしても音が割れることはなかった。また、特に声は聴き取りやすい。実際にニュースなどを読み上げるアナウンサーの声が非常に聴き取りや すかった。

 「LTV-1S280P」は、ワイドFMに対応しているのも特徴の一つ。AM放送はどうしても雑音が入りやすい。そこで受信しにくいエリアに向けに、通 常のFM放送で使われている周波数のより高い部分(90MHz~)を使って、AMの番組を放送するのがワイドFMだ。たとえば、建物の奥にある部屋でAM ラジオを聴くような場合、雑音が非常に大きくなりがち。内容は聴き取れても全く高音質とはいえず「楽しめる」レベルでは聴けないことが多い。
 

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電源スイッチは本体上部に搭載。放送のオンオフとLEDのオンオフスイッチが並ぶ

 こうした状態を解消しようとスタートしたのがワイドFM。2014年から一部エリアで試験放送が始まり、2015年10月には首都圏の一部放送局でも試 験放送がスタート。12月にも本放送が開始される。試しにTBSラジオの放送をワイドFMで聴いてみたが、AM特有のザリザリとしたノイズが少なく、また 非常にクリアできれいな音声や音楽が楽しめた。これなら、AMラジオのファンも大満足だろう。
 

おまけながら、ワンセグ放送も高感度で楽しめる


 続いてワンセグ放送を視聴できるテレビとしての機能もチェックしてみた。画面サイズは小さいが、ワンセグ放送の情報量にはマッチしており、画質は十分。 画面に表示される文字などもつぶれすぎることなく、十分読み取ることができた。受信感度も高く、ビルの中でも問題なく受信できた。使用シーンに応じて、ラ ジオとテレビが付け替えられるのが便利だ。何か作業をしているときはラジオに、休憩中や寝る前などはワンセグテレビといった風に使い分けることができそう だ。また、本体背面にスタンドが付いているため、自然な角度に倒してテレビを見ることもできる。
 

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本体背面にスタンドを用意。ワンセグ放送の視聴時などに斜めにできる

日常使いのほか、防災時の備えにもぴったり


 ところで電池駆動のポータブルラジオは、災害時などの備えとして是非用意しておきたいものの一つ。東日本大震災をはじめとする大型の天災では停電や携帯 電話周波数の混雑などにより、情報が遮断されやすいが、ポータブルラジオがあると、そのときの状況を把握しやすい。こうした用途も想定してか、ロジテック の「LTV-1S280P」には、LEDライト機能もついている。本体上部のスイッチをオンにするだけで、本体側面のLEDライトで周囲を照らすことがで きる。
 

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LEDライトを側面に装備しており、いざというときに周囲を照らすことができる

 電源は単三乾電池4本。エネループも利用できる。アルカリ乾電池の場合、FM放送で最大約15時間、AM放送で最大約10時間の利用が可能(スピーカー 利用時)。さらにワンセグ放送の受信時には最大約14時間利用できる。また、付属のUSBケーブルを利用することで、モバイルバッテリーから電源を供給す ることもできるただし注意したいのが「LTV-1S280P」側の端子がMiniUSB端子だということ。スマートフォンなどで使われている microUSB-USB端子のケーブルでは接続できないため、USB給電で使う場合は付属のケーブルも忘れずに用意したい。
 

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単三乾電池で駆動。エネループなどの充電池も利用可能

 「LTV-1S280P」はポータブルラジオとしての基本機能に加え、ワイドFMの受信機能、ワンセグテレビの視聴機能を備えた非常に便利な製品だ。さ らに、ボタンやスイッチ類も大きく、非常にシンプルに操作できるため、高齢者やデジタル機器に疎い方でも手軽に利用できる。また、電池による長時間駆動や LEDライトの装備など防災上でも役立つ機能を備えている。いざというときのためはもちろん、日常でも便利に活用できそうだ。