中国・四川省成都市の新しいハイテク産業パーク、新川創新科技園(SSCIP)
中国の内陸部で屈指のハイテク産業都市といえば、四川省・成都市だ。なかでも、天府ソフトウェアパークはIBM、NEC、CISCO、DELL、TCL 集団、ファーウェイなど、内外のブランド企業が名を連ねる一大ハイテクゾーンになっている。しかし、中国内陸部に進出を考える多くの企業ですでに手狭に なってきているのが実態。そこへ、2020年完成を目指した新たなハイテクパークが誕生する。それが、新川創新科技園(SSCIP)だ。
SSCIPは成都市の中心、天府広場から南におよそ15Km、成都双流国際空港から東に12kmの天府新区に位置する。主にIT、生物医学関連、精密機 器、環境関連、金融などの企業の誘致を進めている。社員数はおよそ50名で資本金は18億8000万元。総面積は10.34Km2。25%を産業用地、 15%を住宅、10%を商業用地に充て、残りの50%を緑地や道路、公共施設などに充てる計画だ。就業人口は12~15万人、居住人口は12万人を見込 む。東京の日比谷公園やニューヨークのセントラルパークのように中心部に大きな公園を配置。それを業種ごとに分けた六つの区画が取り囲むような形で「街」 をつくっていく。
OW 産業誘致GMは「SSCIPは、研究機関や企業の本社機能などを中心としたハイテク産業パークにする計画だ。いい産業パークを作るには産業エリアだけでな く、従業員の生活を考えたプランニングが必要。研究員が多く働くことになるため、労働時間は長くなりがち。近くで買い物や食事ができたり、文化施設でリフ レッシュできたりする環境はとても重要だ」と設立の理念を語る。文化施設の一つとして、すでに四川省の文化センターを、中央公園にある人工湖の横に建設す ることも決まった。
日本企業に対しては「いまのところ医療関係やゲーム会社への誘致活動を考えている。特にこれからの日本のゲーム会社は、中国向けに日本のゲームをローカ ライズして販売するという動きが出てくると見ている。例えば、三国志など、中国になじみやすいゲームコンテンツも多い。その上、成都はスマホのゲームの人 材が厚いく技術力も高い。日本のゲーム会社にうってつけだ」(OW 産業誘致GM)。
成都は、ソフトウェア開発や生物医学関連などの人材が優秀で定着率も高く、人材の質としては沿岸部にひけをとらない。しかも人件費は沿岸部に比べ 20-30%割安だ。SSCIPは、内陸へ内陸へと進む中国の近代化にあわせて大きく伸びるハイテク産業パークの一つになりそうだ。(BCN 道越一郎)
四川省・成都市の天府ソフトウェアパークからは3kmほどの距離にある新川創新科技園(SSCIP)の本部。シンガポールと中国・四川省が共同開発する初の大規模ハイテク産業パークだ
SSCIPは成都市の中心、天府広場から南におよそ15Km、成都双流国際空港から東に12kmの天府新区に位置する。主にIT、生物医学関連、精密機 器、環境関連、金融などの企業の誘致を進めている。社員数はおよそ50名で資本金は18億8000万元。総面積は10.34Km2。25%を産業用地、 15%を住宅、10%を商業用地に充て、残りの50%を緑地や道路、公共施設などに充てる計画だ。就業人口は12~15万人、居住人口は12万人を見込 む。東京の日比谷公園やニューヨークのセントラルパークのように中心部に大きな公園を配置。それを業種ごとに分けた六つの区画が取り囲むような形で「街」 をつくっていく。
SSCIPの完成予想模型。すでに入居を決めている企業を赤字で示している
OW 産業誘致GMは「SSCIPは、研究機関や企業の本社機能などを中心としたハイテク産業パークにする計画だ。いい産業パークを作るには産業エリアだけでな く、従業員の生活を考えたプランニングが必要。研究員が多く働くことになるため、労働時間は長くなりがち。近くで買い物や食事ができたり、文化施設でリフ レッシュできたりする環境はとても重要だ」と設立の理念を語る。文化施設の一つとして、すでに四川省の文化センターを、中央公園にある人工湖の横に建設す ることも決まった。
シンガポールの誘致スタイルで積極的にターゲットの企業に声をかけていくと語る、
SSCIPのFederick OW 産業誘致GM
日本企業に対しては「いまのところ医療関係やゲーム会社への誘致活動を考えている。特にこれからの日本のゲーム会社は、中国向けに日本のゲームをローカ ライズして販売するという動きが出てくると見ている。例えば、三国志など、中国になじみやすいゲームコンテンツも多い。その上、成都はスマホのゲームの人 材が厚いく技術力も高い。日本のゲーム会社にうってつけだ」(OW 産業誘致GM)。
開発の準備が進むSSCIP。
2016年にも本格的に建設がスタートする見込み。2020年の完成を目指す
成都は、ソフトウェア開発や生物医学関連などの人材が優秀で定着率も高く、人材の質としては沿岸部にひけをとらない。しかも人件費は沿岸部に比べ 20-30%割安だ。SSCIPは、内陸へ内陸へと進む中国の近代化にあわせて大きく伸びるハイテク産業パークの一つになりそうだ。(BCN 道越一郎)