洗濯機のふたが透明な理由は? 中身が覗けるハイアールの洗濯乾燥機

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2015/07/24 21:24

 ハイアールアジアが7月23日に開催したランドリー商品説明会の続報。ここではAQUAブランドの縦型洗濯乾燥機「ツインウォッシュ」AQW-TW1000Dを中心にみていこう。


ふたが透明なハイアールアジアの「ツインウォッシュ」AQW-TW1000D

「なんとなく眺める」ユーザー行動を反映

 ライバルの家電メーカーがなかなか企画しないような発想の商品を果敢につくり出していこうとしているハイアールアジア。縦型洗濯乾燥機「ツインウォッシュ」TW1000Dからも、そんな試みが見て取れる。例えば、TW1000Dでは、本体のふたも洗濯槽のふたも透明にして、洗濯している様子が覗けるようになっている。

 同社がユーザーアンケートを行たところ、洗濯中の衣類の動きを眺めた経験がある人は49.8%と約半数に上った。その半数に理由をたずねたところ、汚れ落ちやすすぎの確認など、実質的な行動から見ている人が57%だった。面白いのはその先で、眺めているのが楽しいからとか、特に理由はなく、なんとなく眺めているという、鑑賞的な行動から覗いている人が41.2%もいたのだ。

 洗濯機の動きを、ついついぼーっと眺めてしまったという経験はだれにでもあるのかもしれない。中身がどうなっているのか確認したいという、人間の自然な欲求から生まれる行動なのか。「だったらしっかり見られるようにしよう」という単純明快なアイデアから透明なふたが生まれた。家電量販店の店頭などでも顧客の反応はいいという。

 

鑑賞目的で眺めている人も多いことからから生まれた透明ふた

 もちろん、基本性能である洗浄力と節水性にもぬかりはない。パルセーターは、中央部が膨らんで自由に動く内側パルと、衣類を効率的にかき混ぜる外側パルの2枚を重ねた「ツインパルセーター」を搭載。パルセーターの裏の羽根の高さを従来の2倍にすることで、洗濯槽の外側から上部にポンプアップするパワーを高めた。洗濯中に循環して上から注がれるシャワーの量が大幅にアップすることで、洗浄力を高めながらも節水性が確保できる。洗濯容量10Kgの洗濯時の標準使用水量は、他社が100L以上かかるのをTW1000Dは99Lに抑えた。

 

2枚を重ねた構造の「ツインパルセーター」
 

パルセーターの裏の羽根の高さを2倍にしたことで、洗濯中の水を循環させて上から注ぐポンプアップのパワーが増強。洗浄力と節水性を高めた

根強い人気の「糸くずフィルター」

 また、「衣類おそうじ」とネーミングされた糸くずフィルターも根強い人気があるという。他社では、カートリッジ式の採用が増えているが、ユーザーの中には見やすくて、ゴミが捨てがしやすいからという理由で昔ながらのフィルターの方がいいという声もあった。

 VW1000Dでは、洗濯槽の水の流れに合わせて方向が変わるスイング式を採用。洗濯槽の外側の糸くずだけでなく、内側の糸くずもしっかりとキャッチする。ハイアールアジアが行ったティッシュの捕獲テストでは、2013年モデルの固定式よりも、VW1000Dのスイング式の方がきれいにキャッチできた。

 なお、この「衣類おそうじ」は先に紹介した洗濯機「スラッシュ」GT800にも同じものが搭載されている。

 

スイング式の「衣類おそうじ」フィルター
 

ティッシュの捕獲テストの結果。左が2013年モデル、右がVW1000D

 ほかにも、脱水仕上げに「やわらか」と「しっかり」の2つのから選べるボタンを搭載。前者は毎分約400回転で脱水し、後者は毎分約850回転で脱水する。しわにしたくないデリケートな衣類などの脱水は「やわらか」が選べるようになっている。ハイアールのユーザーニーズに応じた細部にこだわる製品開発は、他社にマネできないところまできている。(BCNランキング 細田)

 

脱水仕上げを2つから選べる。しわにしたくない衣類などは「やわらか」ボタンを押す