重さと温度を測り、ムラなく解凍・あたため可能なオーブンレンジ、日立

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2015/06/10 20:08

 日立アプライアンスは6月9日、過熱水蒸気オーブンレンジ「ヘルシーシェフ」の新製品MRO-RY3000を7月中旬から発売すると発表した。「あたためムラと解凍ムラの解消」と「明るい庫内」を実現したのがポイント。

業界初の「W(ダブル)スキャン」システムを採用した日立アプライアンスの「ヘルシーシェフ」MRO-RY3000

よく使うあたためや解凍に高い不満



 日立が実施したユーザー調査によると、ユーザーがよく使っているオーブンレンジの機能は、おかずやごはん、冷凍ごはん、冷凍料理、市販の惣菜などの「あたため」や冷凍食材の「解凍」だった。その一方で、不満な点は「解凍ムラ」や「レンジのあたためムラ」が1位と2位だった。つまり、よく使う「あたため」や「解凍」への不満が高かったのだ。

ユーザーのよく使う機能と不満点(日立調べ)

 そこで同社は業界初となる「トリプル重量スキャナー」と「センター赤外線スキャナー」を搭載した「W(ダブル)スキャン」システムを開発した。まず、庫内の食品の重さをテーブルプレートの3点からセンシングする「トリプル重量スキャナー」で食品と器の重さを測定。次に、天面の中央に設置した「センター赤外線スキャナー」で、食品の温度を測る。こうして重さと温度をチェックした上で、最適な加熱時間を自動的に調整しながら加熱するしくみだ。

120エリアからコップの中の温度をチェック



 たとえば、従来のような重量センサーのみの場合、冷凍食品の重さはわかっても、それがカチカチに凍っているのか、0℃前後のチルドなのかが分かりにくい。とりわけ最近の冷蔵庫は、冷凍と一口に言っても、さまざまな温度帯が設定できる。同社の従来モデルでも、ユーザーが食品の状態を見ながら、最終的には「強い」「弱い」のボタンを押して調節する必要があった。

 8眼×15段階の120エリア分割から温度を測定できるセンター赤外線スキャナーを搭載しているため、正確な温度をチェックしながら、あたためムラや解凍ムラが抑えられる。なお、同スキャナーは、庫内の天面中央に配置されており、コップの中の液体面が低くてもその温度をとらえられるという。

「トリプル重量スキャナー」と「センター赤外線スキャナー」から構成される「Wスキャン」システム

120エリア分割から温度を測定できる「センター赤外線スキャナー」

 冷凍食材の解凍ムラが減らせることによる、ユーザーメリットも大きい。ハンバーグを作る際、ひき肉が最適に解凍されていれば、解凍しなおす必要もないし、そのままコネて調理に移行できる。

LEDによる明るい庫内で調理具合をチェック



 もうひとつの特徴「明るい庫内」は、内部の側面にLED庫内灯を2灯搭載し、実現した。従来比の8倍の照度で煮込み具合や焼き色などをチェックしながら調理できる。またオーブンレンジの窓の開口部を、従来よりも約23%拡大しており、内部の様子がよく確認できる。

従来機種との庫内の明るさ比較デモ。右のRY3000の明るさが際立つ

 さらに、庫内の側面素材は白色のシリコン塗装が施されている。これは庫内を明るくするだけではなく、調理中に付着した汚れをあえて目立つようにすることで、こまめに拭きとれるようになる。もちろん表面は、拭きとりやすくなるように処理されている。

 調理が終わった後にサッとひと拭きするだけで清潔な庫内が保たれる。オーブンレンジの庫内をこまめに清掃した覚えがないユーザーは意外に多いのではないだろうか。実は気になっていたという、こうしたユーザーに「気づき」を与える面白い機能といえるだろう。

庫内側面を白色のシリコン塗装したことで汚れもサッとひと拭きで取れる

 価格はオープンで、RY3000の税別価格は15万円前後、ベーカリー機能が加わったRBK5000は同18万円前後、スチームグリル機能がないRV2000は同12万円前後。