カメラ&音楽再生機能を強化したソニーモバイルの「Xperia Z4」、今夏発売

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2015/04/21 20:12

 ソニーモバイルコミュニケーションズは4月20日、Android搭載スマートフォン「Xperia」のフラッグシップモデルでカメラと音楽再生機能を強化した、Zシリーズの最新機種「Xperia Z4」を発表した。2015年夏に発売する。カラーは、ホワイト、アクアグリーン、カッパー、ブラックの4色。

2015年夏に発売するフラッグシップモデル「Xperia Z4」

 新モデルの発表に先立ち、これまでの「Xperia Zシリーズ」を振り返った十時裕樹代表取締役社長兼CEO。2013年春から現在までに4モデルを発売し、従来のスマートフォンを凌駕するカメラ性能や、4Kやハイレゾなどの次世代規格対応など、高付加価値を追求した製品を展開してきた。新モデル「Xperia Z4」は、これまで培ってきた最先端技術をさらにブラッシュアップ。「Xperiaシリーズの完成形」と胸を張る自信作だ。

「Xperiaシリーズの完成形」と語る十時裕樹社長

左からホワイト、アクアグリーン、カッパー、ブラック

 開発のメインコンセプトは「カメラスマホをきわめる」。一般的なスマートフォンより大型の1/2.3型のイメージセンサ「Exmor RS for mobile」や、F2.0と明るいGレンズ、画像処理エンジン「BIONZ for mobile」を、従来モデルに引きつづき採用した。

 新モデルで進化した点は、高性能カメラを幅広いシーンで生かすことができる機能だ。需要が拡大しているセルフィー(自分撮り)のために、フロントカメラを強化。有効画素数を約220万画素から約510万画素まで増やした。また、25mm広角レンズを採用することで、多人数を一枚の写真に収めたり、背景をしっかりと撮影したりすることが可能になった。

セルフィーのために進化したフロントカメラ

 また、新しいフロントカメラは、メインカメラ同様に、シーンを認識してカメラを自動で設定する「プレミアムおまかせオート」や独自の電子式手ブレ補正技術「インテリジェントアクティブモード」に対応。きれいな自撮り写真や動画を簡単に撮影することができる。

 撮影した写真を加工・編集するアプリもパワーアップ。好みに合わせて美肌やさまざまなテイストをアレンジできる「スタイルポートレート」や、撮影した人物の顔を有名人や動物の顔に合成することができる「ARマスク」をプリインストールする。

好みに合わせて美肌やさまざまなテイストをアレンジできる「スタイルポートレート」

撮影した人物の顔を有名人や動物の顔に合成することができる「ARマスク」

 手軽にきれいな写真を撮影できる「プレミアムおまかせオート」は、新たに「料理モード」を追加。料理であることを認識すると、フレッシュさや立体感を再現し、鮮明に美しく記録する。

「プレミアムおまかせオート」は料理モードを追加

 エンタテインメント体験の向上にも力を入れ、特に音楽再生機能を強化した。「Z3」では、192kHz/24bitのハイレゾ音源を96kHz/24bitにダウンコンバートして処理していたが、新モデルは192kHz/24bitをそのまま処理。さらなる高音質を実現した。対応規格には、非圧縮のリニアPCM形式の音声データを記録するのに適したAIFFを追加した。

 ソニーが独自に開発した高音質コーデックLDAC(エルダック)にも対応。従来のBluetoothに比べ最大約3倍の情報量を伝送でき、ワイヤレスでも高品位の音楽を楽しむことができる。また、接続したヘッドホンの周波数特性を自動分析し、最適化するユニークな技術も搭載。スタイルや機器を問わず、再生する音楽の満足度を高めてくれる。

 本体デザインは、細部をブラッシュアップして完成度を高めた。約5.2インチの大画面ディスプレイながら、厚さ約6.9mm、重さ約144gの薄型・軽量ボディ。コーナーに二層構造の樹脂を施すことで、耐久性を強化。キャップレス防水対応のUSB端子を搭載することで、サイドラインはよりシンプルな構造になった。

キャップレス防水対応のUSB端子

 基本性能も順当に進化。OSにはAndroid 5.0を採用。CPUに64bitオクタコアプロセッサを初めて搭載し、処理性能が「Z3」より約2倍向上した。また、LTEは大手キャリアのキャリアアグリゲーション技術による高速通信に適応するカテゴリー6対応、Wi-Fiは2本のアンテナを同時に利用することで通信速度を上げるMIMO(マイモ)をサポートし、快適な通信環境を実現する。ブラウジングだけでなく、PS4のリモートプレイも従来よりスムーズに動作する。

Wi-Fi MIMOに対応したことで、PS4のリモートプレイがよりスムーズに

 「写真撮影から新しいコミュニケーションが生まれる、性能だけでなく利用シーンを提案できるような端末を目指した」と「Xperia Z4」の狙いを説明した十時裕樹社長は、「生活になくてはならず、常に持ち歩くスマートフォンは、ユーザーとの重要なタッチポイント。事業の柱として成長させていきたい」と、今後の方針を示した。