究極の録画テレビ、「全録」機能を搭載した東芝「<レグザ> Z7シリーズ」

レビュー

2012/11/30 19:43

 ボーナスでこの冬、大型テレビの購入を検討している人は少なくないだろう。家電量販店の実売データを集計した「BCNランキング」によれば、2012年10月に販売された薄型テレビのうち、液晶テレビの89.1%が番組の録画に対応し、さらにそのほとんどがUSB接続の外付けHDDに番組を保存することができる仕様だった。録画対応テレビは、配線や操作の手間が少ないのが最大のメリット。その録画対応テレビのなかで異彩を放っているのが、東芝の「<レグザ> Z7シリーズ」だ。

番組の録画予約の手間が不要になる究極の録画テレビ



 「<レグザ> Z7シリーズ」は、高精度の超解像処理や充実したネットワーク機能、録画機能を搭載するフラグシップモデル。最大6チャンネルの地デジ番組をタイムシフトマシン用「USBハードディスク」(別売)に常時録画できる「タイムシフトマシン」を備える。地デジ3系統、BS/110度CS 2系統のチューナーを備え、「タイムシフトマシン」録画中に2番組同時録画をしながら裏番組を視聴できる。

「タイムシフトマシン」機能を備えた録画テレビ「<レグザ> Z7シリーズ」

 ここまで読んでいると、非常にマニアックなテレビのように思われるかもしれない。ところが、「<レグザ> Z7シリーズ」のターゲットは決してマニア層だけではない。簡単な操作で高度な機能を使いこなせるのだ。

 例えば、通常のブルーレイディスク(BD)レコーダーは、電子番組表(EPG)やカテゴリ、キーワードの検索結果から録画予約の設定をする。あらかじめ設定したカテゴリやキーワードの番組を自動録画する高性能のレコーダーもあるが、興味のある番組が必ず録画できるというわけではない。また、放送が終わった後に面白い番組に出会った場合にはまったく対応できない。しかし「タイムシフトマシン」なら、込み入った設定をしなくても、その期間内の番組をすべて録画できる。放送終了後におもしろい番組を知ったとしても、時間を遡って視聴できるのだ。「簡単に番組を録画したい」「絶対に録り逃したくない」ユーザーに特にオススメの録画テレビだ。

視聴中の番組からどんどん関連番組をたどる新しい番組検索機能



 「最近、おもしろいテレビ番組がない」という嘆きの声をよく聞く。しかし、本当におもしろい番組がないのだろうか。実は、自分にピッタリの番組に巡り合えていないだけかもしれない。「<レグザ> Z7シリーズ」は、これまで巡り合えなかった番組に出会うための機能を満載している。

 それでは「タイムシフトマシン」で録画した番組を視聴しよう。リモコンの「タイムシフトボタン」を押して「過去番組表」を表示する。ここから気になる番組を選んで録画番組を再生するのが、「タイムシフトマシン」の基本的な使い方だ。とはいえ、番組を一つひとつチェックして、見たい番組を探すのは大変だ。また、EPGに並んでいる番組のタイトルや番組情報の文字だけでは、興味のある番組や関心をもてそうな番組を見落としてしまうこともある。

「過去番組表」

 効率よく番組を探す手助けをしてくれるのが、番組検索機能の「ざんまいプレイ」だ。放送中の番組、もしくは録画番組の視聴中にリモコンの「ざんまいプレイ」ボタンを押して表示する。「ざんまいプレイ」にはいろいろな検索方法があるが、そのなかでも特にオススメなのが、視聴中の番組に近い関連性のある番組をリストアップする「ほかにもこんな番組」機能だ。

「ざんまいプレイ」の「ほかにもこんな番組」画面。
右側に現在放送している番組に関連した内容の番組を縮小表示する

 「ほかにもこんな番組」アイコンを選ぶと、視聴している放送中の番組や録画番組に近い内容の番組を画面右側にサムネイルで表示する。例えば、夕方のニュースを視聴していると同じ日の朝のニュース番組や前日のニュース番組がピックアップされた。あとはリモコンの上下ボタンで見たい番組を選んで、決定」を押すだけで、関連番組を視聴できる。「ほかにもこんな番組」機能を活用すれば、関連した番組を次々と視聴することができるのだ。

 特に興味のあるジャンルがない、あるいは注目番組をチェックしたい人には、「<レグザ> Z7シリーズ」をインターネットに接続して利用する「急上昇ワード」や「みんなのおすすめ番組」がいい。

 「急上昇ワード」は、話題になっている用語や人物に関する番組をピックアップする機能。「グルメ」や「経済」など気になっている物ごとを扱った情報番組や、「スギちゃん」「AKB48」など人気の人物が出演している番組などを簡単に探すことができ、旬の番組の見逃しを防ぐことができる。

「急上昇ワード」は話題のキーワードで番組を検索する

 「みんなのおすすめ番組」は、インターネットに接続している東芝製の録画対応テレビ、BDレコーダーで録画予約したドラマやバラエティ番組など人気の番組を表示する。また、通常録画時は、これから放送する予約中の番組を表示できる。

「ざんまいプレイ」の「みんなのおすすめ番組」は、東芝のレコーダーで録画している番組を集計した結果を表示する

 「ざんまいプレイ」は、いつも見ている番組を見逃さないだけではなく、あなたが興味をもっているかもしれない番組や、世間が注目している番組などをすばやく探すことができる。

見たいシーンだけ拾い見。時間を効率よく使う裏ワザ



 気になる番組、注目の番組をピックアップしても、番組の最初から最後まで全部見る時間がない――。そんな人に、録画番組の効率のいい視聴方法を伝授しよう。例えば2時間の音楽番組のなかで、特定のアーティストが出演するところだけを視聴したい。そんなときは、「みどころシーン再生」機能を利用すればいい。

「レグザクラウドサービス」の左下にある「みどころシーン再生」でシーン検索ができる

 「みどころシーン再生」は、シーン単位での検索機能だ。アーティストの名前などをキーワードで検索すると、録画番組から該当するシーンをピックアップする。例えば「AKB48」で検索すると歌番組やゲストとして出演しているバラエティ番組から「AKB48」が登場するシーンだけを表示するので、好きなアーティストの活躍だけを見ることができる。また、番組検索機能「急上昇ワード」と同様、「Yahoo! 検索急上昇ワード powered by Yahoo!検索」を使うと、注目のシーンや最も視聴されたシーンのランキングなどをピックアップする。

「シーン検索」の結果。番組ではなくシーンを検索している

 検索結果は、シーンのリストだけではなく、プレビュー画面も表示するので、自分が探していたシーンかどうか、すぐに見分けることができる。シーン検索機能を利用すれば、長い番組時間のなかから興味のあるシーンだけ拾い見することができるので、効率よく番組を視聴できる。

 「<レグザ> Z7シリーズ」はHDDを内蔵してない。録画には、別途、外付けHDDが必要だ。対応するHDDには、テレビの裏側に設置できる2.5TBの「THD-250T1 2.5TB」や、最大6TBモデルまでをラインアップするバッファローの「HDT-AV」シリーズがある。また12月には、アイ・オー・データ機器が「<レグザ> Z7シリーズ」対応の「AVHD-ZRシリーズ」を発売する。HDDの容量が大きければ大きいほど、番組を保存できる期間が延びる。例えば6TBモデルは6チャンネルの番組を5日間保存できるので、週末に1週間分まとめて視聴したい人にオススメだ。「<レグザ> Z7シリーズ」の「タイムシフトマシン」機能、「ざんまいプレイ」機能がその威力をさらに発揮することになるだろう。(フリーライター・吉野亘/BCN 山下彰子)