スマートフォン向け電子書籍ストア「2Dfacto」、1月12日にオープン

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2011/01/12 12:21

 大日本印刷(DNP)とNTTドコモ、CHIグループが設立した共同事業会社トゥ・ディファクトは、1月11日、電子書籍サービス「honto(ホント)」を利用したスマートフォンや専用端末向けの電子書籍ストア「2Dfacto(トゥ・ディファクト)」を1月12日にオープンすると発表した。これに伴い、NTTドコモは電子書籍の専用端末「ブックリーダー SH-07C」を1月21日に発売する。新規契約の場合、価格は2万円前後の見込み。

「2Dfacto」はドコモのスマートフォンと専用端末で利用できる

 トゥ・ディファクトは、DNPとNTTドコモ、CHIグループが2010年12月に設立した共同事業会社。DNPがもつ印刷ソリューションとNTTドコモの端末・コンテンツ事業、CHIグループの書籍の流通網を生かして、電子書籍、オンライン書店、リアル書店を連携したサービスを提供するのが狙い。

 電子書籍ストア「2Dfacto」では、オープン当初、文芸やコミックなどのコンテンツ約2万点を揃える。今春までに10万点をラインアップする予定。ストアを利用するには、「honto」の無料会員登録が必要になる。

 対応する端末は、NTTドコモのXperia SO-01B、GALAXY S SC-02B、GALAXY Tab SC-01C、LYNX 3D SH-03C、REGZA Phone T-01Cと、2月発売予定のOptimus chat L-04C。画面サイズに合わせてページを表示する。NTTドコモでは、今後発売するスマートフォンや電子書籍専用端末も「2Dfacto」に対応する方針。

 新着やオススメ、ランキングなどで作品をわかりやすく紹介する。検索機能として、作品のジャンルや作品名、作家名、フリーワードに対応。フリーワード検索では、販売数の多い作品のワードを上から順に表示。コンテンツのフォーマットは、XMDF、.book、BS Reader、JPEGなどに対応する。ePubには非対応。

ブックリーダー SH-07C

 「2Dfacto」の2011年中の展開として、リアル書店とインターネット販売でのポイントの共通化や、書籍の購入履歴を生かしたリコメンドサービス、複数の端末で一つの作品を閲覧できる「マルチデバイス1コンテンツ」などを予定している。

 また、電子書籍の専用端末として、シャープ製の「ブックリーダー SH-07C」を1月21日に発売する。解像度600×1024のタッチパネル式5.5型液晶を搭載。通信方式として3G回線とIEEE802.11b/gに準拠する。サイズは高さ167×幅92×奥行き13.1mm、重さは約249g。カラーはシルバー。サービスは「2Dfacto」と、すでに提供している電子書籍ストア「TSUTAYA GALAPAGOS」に対応する。

2Dfacto

 トゥ・ディファクトの小城武彦社長は、「電子書籍、オンライン書店、リアル書店の三位一体が、2Dfactoならではの強み。ユーザーが自分に合ったサービスを選んで利用できる。紙からデジタルへのリプレースではなく、二つを合わせて複合的にコンテンツを提供していく」と意気込みを語った。

 また、「電子書籍が今後どれほど普及するのか、誰も予想できない。現在の書籍市場の規模は2兆円程度だが、そのうち1-2割が電子化するとみている。この2割くらいを2Dfactoで確保できれば」と抱負を語った。

 DNPの高波光一副社長は、「2Dfactoは、NTTドコモとDNP、それぞれの強みを生かしたサービスだ。さまざまな端末からアクセスできて、使いやすい。読みたい本を読みたい形式で読めるという新しい読書のかたちをユーザーに提案できる」とメリットを語った。

(左から)DNPの高波光一副社長、トゥ・ディファクトの小城武彦社長、NTTドコモの辻村清行副社長

 NTTドコモの辻村清行副社長は、2Dfactoについて「当面はスマートフォンをはじめとした7機種に対応するが、このほかの端末でも使えるよう、幅広いフォーマットでコンテンツを提供していく」とした。また、「昨年展開したトライアルサービスでは、文芸、コミック、雑誌が4:3:3の割合で利用された。文芸が想定していたよりも多く、文字だけのコンテンツでもニーズがあることがわかった」と市場への期待を述べた。

 さらに、NTTドコモが電子書籍に携わる狙いを「新しいコンテンツ事業の立ち上げに携わることと、通信のデータトラフィックを増やすことが目的」と述べ、他社の電子書籍サービスとの差異化について、「オープン性が重要。ほかの電子書籍サービスのコンテンツも当社の端末で読めるようにしなければならない」と将来への課題を語った。