地上波テレビ放送の完全デジタル化移行の1年前にあたる7月24日、石川県珠洲市と能登町の一部エリアで、全国に先駆けて地上アナログ放送が完全に停止した。正午にアナログ放送が停波し、以降、アナログテレビの画面は映らなくなった。

アナログ放送停波後のテレビの様子
上段がデジタルテレビ、下段がアナログテレビ

 石川県珠洲市は、2009年4月、総務省の「アナログ放送終了リハーサル実施地域」に選定され、これまで2009年7月24日の1時間アナログ放送休止、2010年1月22-24日の48時間アナログ放送休止と、2度にわたってアナログ放送終了リハーサルを行ってきた。今回、珠洲市内と能登町にある8つのアナログ中継局を完全に停止し、地デジに切り替えた。

 7月24日正午以降、アナログ放送が受信できなくなったのは、珠洲市の約6600世帯と、能登町の一部エリアの約2200世帯を合わせた約8800世帯。ほとんどの世帯が地デジに対応するUHFアンテナで地上アナログ放送を受信していたので、アンテナ交換の必要はなかった。地デジ対応テレビを用意するか、アナログテレビに地デジチューナーを接続すれば、地デジを視聴できる。

 総務省は、地デジ対策をまだ行っていない世帯を対象に、簡易チューナーの無償貸出しを実施。7月24日までに、2268世帯に4234台の簡易チューナーを貸し出した。これでケーブルテレビを利用してテレビを視聴している世帯と合わせて、地デジ普及率はほぼ100%に達した。アナログ放送停波後は、7月25日までに「貸出しチューナーの使い方がわからない」などの問い合わせが11件あったが、特に大きな混乱はないという。

 今後、珠洲市ではアナログ放送停波により生じた電波の空き周波数(ホワイト・スペース)を活用し、年末までに携帯電話などで視聴できる地域限定のワンセグ放送の実証実験を行う。実験では、地域の観光、歴史、文化、行政情報などをローカル番組として放送する予定。