日本AMD、「VISION」プラットフォームでロゴ活用、PCを用途別に提案

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2010/06/23 11:12

 日本AMDは6月22日、2009年9月に発表したプラットフォーム「VISIONテクノロジー」を搭載するPCに、「VISION」のロゴを付与することを明らかにした。2010年夏モデルから導入する。ユーザーがPCを用途別に見分ける目印にすることが狙い。

 「VISIONテクノロジー」は、CPUとGPUで構成する独自のプラットフォーム。AMDとPCメーカーでこれらの組み合わせを定め、5種類のロゴでそのPCにふさわしい利用シーンをわかりやすく伝える。

「VISIONテクノロジー」のロゴ

 発表会の冒頭で、宮本啓志代表取締役社長は「ユーザーがPCを選ぶときに最初に考えるのは、『PCを使って何をしたいか』という点だ。クロック数やコア数といったCPUのスペックではなく、PCの使い方がわかるような基準を示す」とロゴ導入の狙いを語った。

宮本啓志・代表取締役社長

 「VISIONテクノロジー」のロゴは5種類。メールやウェブサイトの閲覧といった使い方をする「カジュアルユーザー」向けには「VISION」を提示する。「VISION Premium」は、写真や動画のアップロード、BDコンテンツやハイビジョン(HD)動画の視聴などの「デジタル中級者」向けのPCに使用する。

 「VISION Ultimate」は、「コンテンツクリエーター」向け。例えば、HD動画の編集や、デジタル一眼カメラで撮った写真の加工、音楽制作などの使い方を想定している。「VISION Black」は、コアなPCファンなど「エンスージアスト」向け。高い負荷のかかる作業を同時に実行する、HD画質で3Dゲームを楽しむといった使い方が挙げられる。

ロゴは用途別に5種類

 「VISION Pro」は「ビジネスユーザー」向け。3Dのアクセラレーションを用いたプレゼンテーション用途や、オープンスタンダードなセキュリティに対応するPCに添付する。

 今後、新しいPCが登場するときは、CPUやGPUに新しい技術が搭載されるとみられ、その都度それぞれのロゴで定義するスペックは変更していく。

VISIONテクノロジーを搭載した各メーカーのPC

 発表会では、「VISIONテクノロジー」を搭載した各メーカーの2010年夏モデルを披露した。パートナー企業は、ASUSTeK Computer(ASUS)、ソニー、デル、日本エイサー、日本ヒューレット・パッカード、富士通、レノボ・ジャパン、ソフマップ、サードウェーブ、ProjectWhite、マウスコンピューター、ユニットコム(五十音順)。今後、搭載モデルを増やしていく方針だ。

 このほか、2011年に投入する新しいプロセッサ「Fusion」を紹介した。CPUとGPUを融合した「APU(Accelerated Processing Unit)」という新しいカテゴリとなる。一つのダイ(半導体の本体)に乗った二つのコアが有機的に動作することで効率的な処理を実現。消費電力の低減も図った。

発表会ではパートナー企業の代表者が集った

 「VISION」のロゴが示す意味をどのようにユーザーに伝えていくのか。マーケティング本部の林淳二本部長は、「量販店の店員にはロゴについて勉強会を実施する必要がある。また、店員だけでなくお客様にもロゴの意味をわかりやすく伝えるPOPを置く。店頭では『VISION』専用の売り場を設けることで、5種類のロゴが示す内容をうまく提示できれば」と訴求方法を工夫することで販促につなげたい意向を示した。

マーケティング本部の林淳二本部長