香川大学と富士通、障がい児の生活・学習支援で携帯電話を用いた実証実験

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2010/04/08 15:02

 香川大学(一井眞比古学長)と富士通(山本正已社長)は、特別な支援を必要とする子どもたちと、その指導者や保護者などを対象に、生活・学習支援を行う携帯電話の実証実験を2010年5月から開始する。

子どもたちの生活の質を高めることを目的にした携帯電話の実証実験を開始

 障がい児の生活・学習支援を目的に、QOL(Quality of Life=生活の質)を高めることを目指して富士通が開発した「時間の理解」「コミュニケーションや見通し」「漢字の筆順の理解」を支援する三つのソフトウェアを携帯電話にインストール。教師や支援員、保護者に携帯電話を数か月間貸与し、使用場面の観察、アンケート、ヒアリングなどを行い、有効性を調査・分析する。

 実験期間は、10年5-9月末。終了後は調査結果を公開し、教育機関、支援センター、保護者などに対して、携帯電話の活用事例、支援の有効性などを幅広く紹介する。ソフトウェアは、実証実験結果を踏まえて機能、操作性の改善を図り、普及を目指す。

 香川大学教育学部は、附属特別支援学校(佐藤明宏校長)や附属特別支援教室「すばる」で、知的障がいや発達障がいなどによって特別な支援を必要とする子どもたちを対象に、ICTを活用した教育と支援を実践している。富士通は、誰もが参加できるICT社会を目指してユニバーサルデザインに取り組み、色の判別を支援するColorAttendant(カラーアテンダント)など、携帯電話上で動作する支援ソフトウェアを開発・提供している。