柏市は、総務省から「地域ICT(情報通信技術)利活用モデル構築事業」を受託し、千葉県柏市北部の柏の葉地域で、「ユビキタス・モビリティシステム」「女性の出産・育児・就業支援システム」の実証実験を開始した。実施期間は2月15日-3月19日。

柏の葉地域情報ナビ

 「ユビキタス・モビリティシステム」では、地域ポータルサイト「柏の葉地域情報ナビ」、経路検索・予約サービス、スマートサイクルサービスの3サービスを展開。地域ポータルサイト「柏の葉地域情報ナビ」は、柏の葉地域の商業・教育施設や団体など、合計21のホームページから抽出した情報をまとめて掲載する一覧性をもつ。複数のサイトを一つひとつチェックしなくても、同サイトだけでエリア内の情報が手に入る。 

柏の葉キャンパス駅の専用機器とトップ画面

 「柏の葉地域情報ナビ」はPC、携帯電話から閲覧できる。このほか、つくばエクスプレス・柏の葉キャンパス駅構内に設置した専用機器でも、柏の葉地域の簡易情報を閲覧することができる。 

スマートサイクルサービス

 経路検索・予約サービスは、柏の葉地域内を移動するときに「柏の葉地域情報ナビ」で経路を検索し、鉄道、バス、タクシー、自転車、徒歩など複数の交通手段を組み合わせて、現在地から目的地まで案内するサービス。自転車は「スマートサイクルサービス」と連動し、自分が使いたい日時に予約することができる。 

(左)リーダーにFeliCa対応携帯電話をかざして決済 (右)自転車には駐輪場の場所を示した地図が付く

 スマートサイクルサービスは、事前に「柏の葉アーバンデザインセンター」で登録をすれば、地域内5か所に設置した駐輪場で自転車の貸出と返却ができる。貸出時間は8-21時で、利用料は1時間50円。料金は、FeliCa対応の携帯電話やSuica、PASMOなど交通機関のICカードを使って、駐輪場に設置するリーダーにかざして決済する。1回の利用につき10ポイントのポイント付与システムと連動し、ポイントでスマートサイクル利用のほか、地域通貨の買い物券との交換ができる。 

柏の葉アーバンデザインセンター

 このほか、場所特定装置とICタグ装置を組み合わせた情報提供サービスを実施。場所特定装置を地域内20か所に設置し、あらかじめ無償貸与されるICタグ装置をもっていれば、「ららぽーと柏の葉」「松葉町商店街」などのショッピング情報、「県立柏の葉公園」のイベント情報などを事前に登録したメールアドレスで受け取ることができる。 

(左から)場所特定装置とICタグ装置

 女性の出産・育児・就業支援システムとしては、子どもをもつ親が交流できる地域ポータルサイト「かしわ あぃあぃ広場」を開設。さらに、デジタル連絡帳・伝言板サービス、子どもの見守りサービス、送迎あずかり支援サービスを提供する。一つのサイトで出産、育児、就業という三つをまとめて支援するのが狙い。なお、これらのサービスを利用するには、同サイトでの会員登録が必要となる。 

かしわ あぃあぃ広場

 地域ポータルサイト「かしわ あぃあぃ広場」には、地域内の子ども関連のイベントやサークル活動、施設の情報を掲載する「子育てトクトクインフォメーション」と、会員による書き込みコーナー「口コミ&おしゃべり広場」を設置する。いずれも地域別に絞り込めば、自分の住む身近な地域のママ・パパと情報交換できる。 

子ども向けの情報端末「Chumby(チャンビー)」

 デジタル連絡帳・伝言板サービスは、情報端末「Chumby(チャンビー)」を使って子どもと母親・父親のコミュニケーションを支援。例えば、Chumbyで子どもが帰宅を知らせるボタンを押すと、保護者のPCや携帯電話のメールに連絡が届く。Chumbyはタッチパネル式液晶を搭載しているので、手書きの文字を送ることもできる。このほか、学校から保護者への連絡事項をChumbyに配信することも検討している。 

子どもの手書き文字を携帯電話で受信することもできる

 子どもの見守りサービスは、前述の場所特定装置とICタグ装置を活用した仕組み。地域内20か所に置く場所特定装置で、子どもに持たせたICタグ装置を認識し、登校・下校の位置情報を保護者のPCや携帯電話にメールで知らせる。

 また、送迎あずかり支援サービスでは、急な仕事で保育園から子どもを迎えに行けないときや、子どもを預けたいときに、親と親に代わって代行してくれる協力者を結びつけるシステム。協力者の本人確認には指静脈認証システムを導入し、間違いを防ぐ。サービスの利用には、かしわファミリー・サポート・センターの会員登録が必要になる。 

秋山浩保・柏市長

 実証実験の説明会では、秋山浩保・柏市長が挨拶し、取り組みの熱意を示した。柏市は柏の葉地域を「イノベーション・フィールド都市」として位置づけ、さまざまな角度からまちづくりに力を入れていく。今回の各種サービスはその取り組みの一つで、住民だけでなく、他地域から訪れる人にも訴求する。実証実験の効果を検証することで、今後の実用化を目指す。