デジタルビデオカメラの記録媒体がHDDから内蔵メモリにシフトした。「BCNランキング」では8月第1週(8月3日-9日)、内蔵メモリタイプの販売台数構成比が46.5%でHDDタイプを抜き、8月最終週(8月31日-9月6日)には58.2%とおよそ6割に達した。09年秋モデルのトレンドと直近の動きをまとめた。

秋モデルは内蔵メモリタイプが主流、HDは約9割に



 記録媒体に内蔵メモリを採用するモデルが増え始めたのは09年春モデルから。この夏発売の秋モデルでは、ソニー、パナソニック、ビクター、キヤノンなど主要メーカーがいずれも内蔵メモリタイプを市場に投入。こうした各社の動きが内蔵メモリの構成比拡大を牽引した。

内蔵メモリタイプの09年秋モデル (上段左から)ソニーの「HDR-CX500V」、ビクターの「GZ-HM400」、(下段左から)パナソニックの「HDC-TM350」、キヤノンの「IVISHFS11」

 また、記録媒体としてメモリカードが使える、カードスロットを搭載するモデルも多い。タイプ別に見ると、8月最終週ではSDカード系が53.8%、メモリースティック系が46.1%だった。SDカード系はSDHCカードやmicroSDHCカードなど大容量のSDHC規格に対応するものが中心だ。


 現在、画質はハイビジョン(HD)が主流になっており、8月最終週の販売台数構成比は85.3%とおよそ9割。一方で、最近目立ってきているのは、光学式手ブレ補正機能や暗い場所でもノイズを抑えて撮影できるセンサーの搭載、顔認識など、付加機能を売りにするモデルだ。HD化はほぼ終わり、その他の機能を充実させることで各メーカーは他社のモデルと差異化を図っているようだ。

1位はソニーの64GBのメモリ内蔵「HDR-CX520V」



 それでは、8月最終週の売れ筋トップ10を見てみよう。カラーバリエーションは合算して集計した。1位は、ソニーが8月に発売した「HDR-CX520V」で、販売台数シェアは12.5%。光学式の手ブレ補正に加え、画像処理エンジン「BIONZ」で、縦横だけでなく本体の回転によるブレも補正する「3方向手ブレ補正」機能を搭載する。記録媒体は内蔵メモリで、容量は64GB。

デジタルビデオカメラ
シリーズ別販売台数シェア トップ10
順位 メーカー シリーズ 発売月 記録媒体 カードスロット 販売台数
シェア(%)
1 ソニー HDR-CX520V 2009/08 内蔵メモリ メモリースティック 12.5
2 パナソニック HDC-TM30 2009/06 内蔵メモリ SDHC 9.4
3 ソニー HDR-CX500V 2009/08 内蔵メモリ メモリースティック 6.8
4 ビクター GZ-HD300 2009/02 HDD microSDHC 6.5
5 ビクター GZ-MG840 2008/12 HDD microSDHC 6.3
6 キヤノン IVISHF21 2009/08 内蔵メモリ SDHC 5.8
7 ソニー HDR-XR500V 2009/02 HDD メモリースティック 5.7
8 ソニー HDR-CX120 2009/02 内蔵メモリ メモリースティック 5.0
9 ソニー HDR-XR520V 2009/02 HDD メモリースティック 4.8
10 パナソニック HDC-TM350 2009/06 内蔵メモリ SDHC 4.7
※オレンジ色はSD画質、そのほかはHD画質に対応
※カラーバリエーションは合算して集計
「BCNランキング」8月最終週 週次 <最大パネル>
 2位は6月発売のパナソニック「HDC-TM30」で9.4%。バッテリーを装着した使用時の重さがわずか約278gと大変軽いのが特徴。このほか、光学16倍ズームレンズを搭載する。3位は1位と同じくソニーで、「HDR-CX520V」よりも容量の少ない32GBのメモリを内蔵する「HDR-CX500V」が6.8%だった。

(上段)ソニーの「HDR-CX520V」、(下段左)パナソニックの「HDC-TM30」、(下段右)ソニーの「HDR-CX500V」

 トップ10中、内蔵メモリ搭載タイプは6モデル。また、9モデルがHDに対応する。ちなみに、8月最終週の平均重量は357g。およそ半年前の3月第1週目(3月2日-8日)は417gだったので、60g軽くなっている。豆腐一丁がおよそ300-400gなので、ちょうど豆腐と同じくらいの重さだ。

ソニーが首位を堅持、パナソニックが2位に浮上



 最後に、メーカーシェアも見ておこう。8月最終週の首位はソニーで、半年ほど前から右肩上がりでシェアを伸ばしている。3月は販売台数シェア35%前後だったが、同週では46.2%を獲得。他社を寄せ付けない勢いだ。一方、2位はパナソニックで23.4%。これまで僅差で競り合っていたビクターを一歩リードした。ビクターは3位で19%、4位はキヤノンで10.4%だった。


 内蔵メモリに映像を記録することで、HDDと比べると本体は小型・軽量になる。さらに、カードスロットの搭載でPCやAV機器との連携も手軽になってきた。こうした操作性に加え、手ブレ補正やノイズを抑える技術など、より映像をキレイに撮影できる付加機能が、製品を選ぶ上でのポイントとなりそうだ。(BCN・井上真希子)

*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで125品目を対象としています。