イラストやロゴなどを作成したり、写真の加工などに使うグラフィックスソフト。アドビ システムズの「Illustrator」や「Photoshop」などが有名だ。ところがこのアドビの製品を抑え、セルシスの漫画原稿制作ソフト「ComicStudio 4.0」が3か月連続で1位を獲得した。グラフィックスソフトの最新ランキングをチェックしてみよう。

メーカーシェアNo.1のアドビ、金額シェアでは8割を獲得



 グラフィックスソフトには、図やイラストを作成するドローソフト、絵を描くことができるペイントソフト、デジタルカメラなどで撮影した写真を補正/編集できるフォトレタッチソフトなど、さまざまなタイプがある。

 グラフィックスソフト市場の全体を把握するため、まずは09年3月のメーカー別販売本数シェアを見ていこう。1位は「Illustrator」「Photoshop」など、上級者向けのソフトを販売しているアドビ システムズで、販売本数シェアは44.4%。2位はイーフロンティアで11.1%、そして3位セルシスが9.4%でつけている。


 一方、メーカー別販売金額シェアでは、アドビが81.4%と圧倒的なシェアを獲得した。2位はセルシスで3.8%、3位はイーフロンティアで3.4%と、アドビに大きく引き離された。販売本数、金額ともアドビは高いシェアを獲得しており、アドビはグラフィックスソフト市場の代表メーカーともいえる。


 そんな中、ここ最近、セルシスのペイントソフト「ComicStudioPro 4.0」の人気が高まっている。発売は07年9月で、同人誌即売会「コミックマーケット」が開催、もしくは終了した月である1月と8月に販売本数シェアを大きく伸ばしながら推移している。また、08年6月から1-2位の間で推移しており、直近の09年1-3月は3か月連続で1位を獲得した。


 「ComicStudio」シリーズは、漫画を描く人向けのペイントソフト。漫画を描くには、通常、原稿用紙やペン、定規、スクリーントーンなど、さまざまな道具が必要だが、「ComicStudio」にはこれら全てのツールを搭載しており、漫画制作の工程をすべてデジタル環境で行うことができるのが特徴だ。

1位は「ComicStudioPro 4.0」、2-5位はアドビの定番ソフト




 それでは最新のランキングをチェックしてみよう。09年3月のグラフィックスソフト1位を獲得したのはセルシスの「ComicStudioPro 4.0」で、販売本数シェアは4.2%。「ComicStudioPro 4.0」は、「ComicStudio 4.0」シリーズの上位モデル。ベタやトーンなど、塗る場所がきちんと線で囲まれていないと起こる塗り漏れを防止する機能や、紙の原稿用紙をスキャンする際に発生する黒い点(ゴミ)を取り除く機能など、作業効率を高める機能を搭載している。

ComicStudio 4.0シリーズ

 2位はアドビの「Adobe Illustrator CS4 日本語版 Windows版」で、シェアは4.0%。3位は同タイトルの教育機関向けバージョンで、シェアは3.3%。「Illustrator」はレイアウトデザイン機能をメインに搭載したソフトで、プロユースのソフトとして、DTPをはじめ、グラフィックデザイン、テクニカルドローイングなどに多く用いられている定番ソフトだ。

 最新版「Adobe Illustrator CS4」は、オブジェクト上で直接操作できる使いやすいコントロール機能を使用して、グラデーションのカラーを適用できる。面倒な不透明マスクに手間取ることなく、デザイン作成を効率的に行うことができる。プリンタにデータを送る前に色分解を修正できる「色分解プレビュー」機能も搭載する。

Adobe Illustrator CS4

 4位と5位は「Adobe Photoshop CS4 (V11.0) 日本語版 Windows版」で、4位は教育機関向けバージョン、5位は通常版が入った。シェアは教育機関向けが3.1%、通常版が2.8%。「Photoshop」は、写真のレタッチや画像の合成などのさまざまな機能を搭載。Illustrator同様、プロフェッショナル向けの定番ソフトだ。

 このほか、これらのソフトとは性格の異なる、メガソフトの「3Dマイホームデザイナー LS2」が6位にランクインしている。「3Dマイホームデザイナー」は、誰でも簡単にPC上で住宅をデザインできるソフト。間取りの作成や内外装の変更、家具の配置などが行える。住宅を建てる際に活用できるほか、住宅に興味がある人のバーチャル住宅作りとしても楽しめそうだ。(BCN・山下彰子)

3Dマイホームデザイナー LS2

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