BCN(奥田喜久男社長)は1月15日、全国の大手家電量販店から収集している実売データを集計した「BCNランキング」をもとに、08年のデジタル製品、パソコンの販売動向について発表した。デジタル家電やパソコン関連など、116アイテムの販売金額の前年同月比をまとめた「BCN指数」は、08年12月に6.8%減と前年を下回った。多くのジャンルで単価が下落しており、この影響が前年割れに結びついた。特に、デジタル家電のけん引役を果たしている薄型テレビが、商戦期の12月に金額で前年割れするなど、景気後退の影響がデジタル製品にも及んでいる。

 08年12月の年末商戦は、BD市場立ち上がりを迎えたレコーダー市場が、販売台数・金額ともに前年を上回ったものの、薄型テレビとパソコンが金額で前年を割り減速、デジタルカメラについては、台数で6.2%減、金額では18.2%減と大幅に落ち込むなど、主要アイテムの減速が目立った。


 液晶とプラズマを合わせた薄型テレビは、8月まで台数・金額ともにプラス成長を維持してきたが、「昨年夏のサブプライム問題以降、9月に起きたリーマンショックが決定的な要因」(道越一郎アナリスト)となり潮目が変化、伸び率は9月を境に台数・金額ともに鈍化した。12月は台数ベースで前年同月比15.6%増とプラスを維持したものの、金額では同2.7%減に失速し、これまで好調を維持してきた薄型テレビの勢いにかげりが見えている。

 薄型テレビ市場をけん引していた液晶テレビも、「なんとか前年並みを維持するレベル」(同)にとどまった。プラズマテレビは、金額ベースで前年割れが続くなか、台数ベースではプラスを維持してきたが、昨年9月に初めて台数ベースでマイナスに転じ、12月は台数・金額ともに前年を下回った。(関連記事:薄型テレビの価格が12月に大幅下落、販売金額で前年割れ招く)


 レコーダーは、年末商戦でBD普及に拍車がかかり、12月は、台数構成比で6割を突破、金額ベースでは8割目前となり、「市場はほぼBDに置き換わったと言っていい」(同)。BD普及の要因として道越アナリストは、「BDとBD以外の従来型のDVDレコーダーの価格差が2-3万円に縮小したことが大きい」とみている。


 一方、08年のデジタルカメラ市場は、一眼レフがプラスで推移し比較的好調だったものの、コンパクトは台数・金額ともに、前年割れする月が続いた。一眼レフの低価格化が進んだことでコンパクトの6万円台、7万円台のハイエンドクラスの存在感が薄れたほか、高画素化や手ぶれ補正、顔認識など、機能の差別化が頭打ちとなり、「各社とも次の一手が見つからない」(道越アナリスト)厳しい1年だった。


 パソコン市場は、市場全体の8割前後を占めるノートPCの好調を受け、8-11月まで、台数ベースでは2ケタ成長を維持した。しかし、金額ベースでは、8月以降前年並みを維持したものの、12月は前年同月比8.4%減の91.6%に落ち込んだ。

 昨年ノートPC市場をけん引したミニノートは、画面サイズ10-10.2インチ以下の台数構成比が25%前後にまで拡大したが、その比率は秋以降横ばい。要因として、森英二アナリストは、「これまでPCの2台目需要など、モバイラーを中心に拡大してきたが、需要は一巡した」ためとみている。

 インターネットが使える程度の低スペックで、低価格なネット端末をウリにしていたミニノートだが、08年12月はメモリ容量1GBを搭載した製品の販売台数構成比が9割を占めたほか、160GBのHDDを搭載した製品の販売台数構成比が5割を超えた。さらに、オフィスソフトを搭載した製品の販売台数構成比が37.4%を占めていることから、「ホームPCとして、春の新入学シーズンに向けて、新規需要をどれだけ取り込めるかがミニノート市場拡大のポイント」(同)とみている。

 ミニノート市場は、海外メーカーが市場をけん引し、12月の台数シェアは、ASUSが38.2%でトップ、日本エイサーが29.5%で2位となり、寡占化が進んでいる。


*「BCNランキング」は、全国の主要家電量販店からPOSデータを毎日収集・集計している実売データベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで123品目を対象としています。