軽さ重視のミニノートPC、工人舎の「SA5」シリーズを試してみた

レビュー

2008/10/31 17:40

 08年のPC市場に旋風を巻き起こした低価格の「ミニノートPC」。08年1月発売のASUSTeK Computer(ASUS)「Eee PC」によりブレイクしたが、その2年前の06年から「ミニノートPC」を販売している工人舎の製品はどうだろうか。最新の「SA5」シリーズの夏モデルを試してみた。

「SA5」シリーズ(SA5KL08A/SA5KL08F)

持ち歩くなら重さが重要、1kgを切る工人舎の「SA5」シリーズ



 この夏、ASUS、エイサー、日本HPなどが一斉に製品を投入し、「ミニノートPC」の一大市場ができあがった。これに合わせて古株の工人舎が発売したのが「SA5」シリーズの夏モデル「SA5KL08A/SA5KL08F」だ。

 「SA5」シリーズの夏モデルは、7インチの液晶を搭載した「ミニノートPC」。他社のモデルと比較すると、メモリ容量512MB、液晶ディスプレイの解像度は800×480ドット、USBポートは2ポートと、少々頼りない感はあるが、バッテリーを含む重さはわずか945g。1kg程度の機種が多い「ミニノートPC」市場で1kgを切る軽さが特徴だ。

 例えば人気のASUS「Eee PC901-X」の重さは1100gで、「SA5」シリーズと比べると155gも重たい。たかが155gと思うかもしれないが、これは平均的な文庫本1冊の重さだ。つまり、「SA5」シリーズであれば、文庫本1冊をよけいにカバンに入れることができるということだ。

電車の中で立ち読みができる!? 通勤・通学の暇つぶしも……



 使用スタイルも独特だ。「SA5」シリーズは、液晶ディスプレイを回転させ、キーボード側に折りたたむことができる「リバーススタイル」を採用し、タブレットPCのようなスタイルで使用することができる。ちょっと大きめの携帯型ゲーム機のようで、電車の中で立ちながらコンテンツの閲覧ができる。

「SA5」シリーズ(SA5KL08A/SA5KL08F)

 また、リバーススタイルで簡単な操作ができるよう、液晶ディスプレイの左右にはボタンを配置している。左側にはマウスポイントを操作できる「スティックポインタ」を装備。トラックボールを操作する感覚で、マウスポイントを動かすことができる。

折りたためば電子書類の立ち読みも

 右側上部には「スクロールボタン」、下に「クリックボタン」を配置。スクロールボタンはPDFなどの資料を確認する時に便利だ。しかし、1度ボタンを押すと、表示部分が切り替わってしまうため、「少しだけ下(上)」などの微調整はできないようだ。なお、クリックボタンは下が「右クリック」、上が「左クリック」機能となっている。

 リバーススタイルではキーボード入力はできないが、PDFなどの資料や動画などを立ちながら見ることができる。USBタイプのワンセグチューナーを別途用意すれば、ワンセグTVに早変わりするので、通勤・通学時間の暇つぶしにもなるだろう。

買い替えユーザーに朗報、お古のCFカードも使用可能!



 個人的には、CFカードタイプのデータ通信カードが使用できるのはポイントが高いと思う。今年発売されたミニノートPCのほとんどがUSBタイプのデータ通信カードのみに対応しているのに対し、「SA5」シリーズはCF
カードスロットを装備している。

 これまでモバイルノートPCで、CFカードタイプのデータ端末カードを使ってきたユーザーは、端末カードを買い換える必要がないのは嬉しいところだ。また、きょう体が小さく、USBポートに限りがあるミニノートPCで、USBポートを塞がず、ネット通信ができるのもポイント。

CFカードタイプのデータ通信カードが使用できる

 このほか、「SA5」シリーズの上位モデル「SA5KL08F」は、Office Personal 2007をインストールしている。そのため、メールに添付されたワードやエクセルのデータを確認することができるので、ビジネス用としての活躍も期待できる。(BCN・山下彰子)