普段何気なく使っているコンパクトデジタルカメラのズーム機能。あまりにも普通になってきているので、カメラ購入時に特に意識しないで選んでいる人も多いのではないだろうか。そんなあなた、もったいないです! 最近は光学ズーム機能が目覚しく向上しており、一昔前では考えられないほど遠くの被写体も捉えることができるのだ。いまこそズーム機能を基準にしたカメラ選びをしてみよう!

●なぜ光学ズームで選ぶのか? その実力を体感してみよう

 こんなことを思ったことはないだろうか? ほとんどのデジタルカメラには、「光学ズーム」と「デジタルズーム」の2種類のズーム機能が搭載されているが、そもそも何が違うのか、と。どちらもズームはズーム、たいして違わないように聞こえるが、実は画質の面で大きく差が出るのだ。

 光学ズームとは、簡単にいうと双眼鏡や虫眼鏡などと同じ原理で、被写体を大きく表示する方法。これに対し、デジタルズームは、レンズの捕らえた画像の一部分を単に拡大するだけ。


 光学ズームではズーム時の画質の劣化はおきないが、デジタルズームでは、拡大すればするほどモザイクがかかったような画質の劣化が生じてしまう。ということで、コンパクトデジカメのデジタルズームは、光学ズームの補完的な機能として採用されていることが多い。

 ただ、光学ズームの倍率を上げるためには大型のレンズが必要。今までは、コンパクトカメラに高倍率の光学ズームを搭載するのは難しい――というのが一般的な常識だった。しかし、最近では技術が進み、高倍率の光学ズームを搭載したコンパクトデジカメが続々登場している。そこで08年1-9月に発売された製品と、10月中に発売される製品も含めて、光学ズームの倍率でランキングしてみた。


 今回のランキングでは、最も高い光学ズーム倍率は20倍という結果だった。ただし、数字だけ言われてもいまいちピンとこないという人もいるだろう。そこで、参考のためにオリンパスの「SP-565UZ」のサンプル写真を使って、ズームを使用せずに撮った写真と光学20倍ズームを利用して撮った写真を、比較してみたのが下の図だ。

 


 ご覧のようにかなりの部分まで拡大できることがわかる。では、光学20倍ズームをもったすべてのカメラで同様の写真が撮れるのかというとちょっと違う。通常「35mm換算で○○-○○mm」というかたちで表示されるレンズの「焦点距離」というもうひとつの要素があるのだ。

 簡単に説明すると、レンズの焦点距離は数字が大きいほど望遠になるため、遠い被写体が大きく写り、短いほど広角になり広い範囲で撮影される。つまり、光学ズームの倍率が同じカメラ同士でも、焦点距離が違う場合には、実際のズーム機能を使った時に、撮れる写真は変わってくる。この点は注意しておこう。


 たとえばオリンパス「SP-565UZ」の焦点距離は35mm換算で26-520mm。一方、同じく光学20倍のズーム倍率をもつキヤノンの「PowerShot SX10 IS」の場合、焦点距離は35mm換算で28-560mmと、若干差がある。これは「SP-565UZ」は「PSSX10IS」と比べて、ほんのわずかだが広角撮影に強く、望遠撮影に弱いことを意味している。

 このように光学ズームの倍率と焦点距離は、カメラのズーム機能を語るうえで、密接な関係がある。ただし、コンパクトデジカメに限って言えば、各製品で光学ズームの違いはあるものの、上記の例のように焦点距離にはそれほど大きな差はない。スポーツ観戦でお気に入りの選手をばっちり写したい、運動会で我が子のアップは外せない、と考えている人には是非光学ズーム機能を基準にしたコンパクトデジカメ選びをしてみてもらいたい。(BCN・山田五大)


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