ギガバイトユナイテッド、自作PC用マザーボードが世界出荷2000万台へ

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2008/09/24 12:40

 台湾のマザーボードメーカーのギガバイトユナイテッド(林火元総裁)は、ワールドワイド市場での自作パソコン向けマザーボードの出荷台数が、今年度(1?12月期)は前年度比約33%増の2000万台に達する見通しを明らかにした。2006年度の同出荷台数が約1000万台だったのに比べると2年で2倍に伸びることになる。自作パソコン向けマザーボードを中心とする専門会社を設立し、ユニークな商品づくりを進めてきたことが功を奏した。

 自作パソコン(DIY)向けマザーボードの今年の世界市場規模は約7000万台と同社では予測している。計画どおり出荷が進めば3割近いシェアが獲れる可能性がある。DIY向けマザーボードは、中国など新興国の需要が伸びていることなどから、今年は8%近く成長する見込み。市場の成長を大きく上回る伸びを達成することで、シェア拡大を目指す。

 DIY向けマザーボードは、ナショナルブランドのパソコンメーカー製を上回る高性能なデスクトップパソコンを求めるユーザー層に根強い人気がある。

 こうしたハイエンドユーザーの需要に応えるため、ギガバイトグループでは06年12月にDIYマザーボードの設計開発を主軸とする子会社ギガバイトユナイテッドを設立。熱伝導の高い銅を多用した高度な冷却システムや省電力、障害への耐久性など「ユニークな製品開発を進めてきた」(ギガバイトユナイテッドの高瀚宇・副社長)ことが高く評価され、出荷増につながった。

 今年10月には、競争力のある製品をつくり、シェアを拡大させるという当初の目標が達成されたとして、ギガバイトユナイテッドは、グループ本体であるギガバイトテクノロジーに合併統合される。本体に戻ることで間接部門などのコストを削減し、「ギガバイトテクノロジーの1ビジネスユニットとしてイノベーションを継続する体制づくりに力を入れる」と話す。本体には他にネットワーク機器やOEM向け製品などを手がけるビジネスユニットがある。

 世界のDIYパソコンは、中国など新興国や、市場規模が大きい北米などの需要に支えられ、デスクトップパソコンの出荷台数全体を押し上げるポジションにある。だが、国内では5%程度を占めるのみ。ハイスペックな製品だけでなく、入門用や価格を抑えた製品、小型化した製品など幅広い需要に応えることで国内市場の創出に努める。

 BCNランキングによれば、今年1?8月のマザーボードの販売台数シェアのトップはアスース・ジャパンの43.5%、ギガバイトは2位の33.0%。日本ギガバイトユナイテッドでは、第4四半期(10?12月期)をめどに、冷却能力をより高めるなどした新製品を投入する準備を進めており、これをテコに「トップシェアを目指す」(日本ギガバイトユナイテッドの呂正民代表)と意欲を示す。


週刊BCN 2008年9月22日付 Vol.1252より転載