キヤノン、1510万画素の中級デジタル一眼「50D」、発表会には渡辺謙も登場

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2008/08/27 15:21

 キヤノンは8月26日、1510万画素のCMOSセンサーを搭載したハイアマチュア向けのデジタル一眼レフカメラ「EOS 50D」を、9月下旬に発売すると発表した。価格はオープン。ボディのみの実勢価格は15万円の見込み。


 07年8月に発売した「EOS 40D」の後継機で、センサーの画素数や液晶の解像度を向上し、新型の画像処理回路を搭載したのが特徴。撮像素子は横22.3×縦14.9mmのAPS-Cサイズで、加工技術やダイオードの構造を改良し、ダイオードに光を集める「マイクロレンズ」と呼ばれる採光レンズ間の隙間をなくすことで、高い解像度と低ノイズを実現した。ISO感度は常用設定で100-3200までに対応。6400、12800まで拡張することもできる。

 液晶ディスプレイは、サイズが3型で、画素数が92万ドットのVGAタイプを採用。視野角は上下左右160度で、3層の反射防止コートを施すことで屋外でも見やすいようにした。液晶を見ながら撮影できるライブビュー機能も搭載。ライブビューでは画面を表示したまま撮影ができる「ライブモード」、被写体の顔を検出してピントを合わせる「顔優先ライブモード」を新たに搭載した。


 画像処理回路は新開発の「DIGIC 4」を搭載。CMOSセンサーの信号を高速処理すると同時に、ノイズを抑え、幅広い階調・色再現が行える。処理速度は「DIGIC III」よりも30%アップした。被写体の明るさとコントラストを解析し、暗い部分を自動的に明るく補正するオートライティングオプティマイザ機能の設定も4段階でできるようにした。装着したレンズの特性に合わせてJPEG画像の周辺部の光量を自動補正することも可能。


 連写機能は約6.3コマ/秒で、記録媒体はコンパクトフラッシュ(CF)。CFの新規格「CFA 4.1 UDMA Mode」に対応したCFであれば約90枚の連続撮影ができる。AFの測距点は9点で、各点に縦横で被写体の検出が可能なクロス測距センサーを配置した。HDMI端子も備える。サイズは幅145.5×高さ107.8×奥行き73.5mmで、本体のみの重さは約730g。

 キヤノンでは「50D」発売後、「40D」も併売する。35mmフルサイズのCMOSを搭載した「EOS 5D」を加えた3機種を中級モデルのデジタル一眼レフのラインアップとして競合メーカーと勝負していく考え。「50D」では焦点距離が18-200mmのレンズキットと、17-85mmのレンズキットも9月下旬に発売する。価格はオープンで、実勢価格は18-200mmレンズキットが22万円、17-85mmレンズキットは20万円の見込み。

 同社によると「40D」は発売10か月で50代が42%も購入したといい、この年代を中心ターゲットに販売する。発表会で真栄田雅也・取締役イメージングコミュニケーション事業本部長は「この年代はカメラへの造詣が深いハイアマチュアの人が多く、この層の拡充が重要。08年はデジタル一眼レフで45%のシェアを獲得したい」と意気込みを述べた。

 また、中級モデルで「年内にもう1機種を発売する」と表明した。中級機の製品群では「EOS 5D」が発売から約3年が経過し、画像処理回路も「50D」よりも2世代前であることから、新たに投入する機種は「5D」の後継機になる可能性が高い。


 発表会には「50D」のCMキャラクターを務める俳優の渡辺謙さんも登場。広告写真を撮影した写真家の立木義浩氏とトークセッションを行い、撮影時の裏話などを話した。「50D」の感想を聞かれると「いろんな所に持って行って、いろんな瞬間を撮影したい。年末にはアフリカ旅行に行くんですけど、(『50D』があるので)いい撮影旅行になるんじゃないかな」と話した。