<strong>――ソニーマーケティング 北野真也 ホームAVマーケティング部 ホームビデオMK課 統括課長</strong><br />
<br />
 「え…ハイビジョンで撮るだけじゃもったいないの?…また…?」。歌手の矢沢永吉が出演する、ブルーレイディスク(BD)レコーダーのCMの一節。「ハンディカムやウォークマン、シアターラックやアンプスピーカー…。総合力を生かして、ブルーレイディスク(BD)レコーダーとさまざまな製品とを組み合わせて提案できるのがソニーの強み」と語るのは、ソニーマーケティング ホームAVマーケティング部 ホームビデオMK課 統括課長の北野真也。

●総合力を生かして「楽しみ方」提案

ソニーマーケティング 北野真也 統括課長

 ユーザーのデジタルライフに合わせた楽しみ方を分かりやすく伝えるべく、「T」「L」「A」「X」の4シリーズのラインアップを揃えた。「BDは決して安い買い物ではない。それだけに『ハイビジョンで撮るだけじゃもったいない』という視点から、いろいろなソリューションを提案することが消費者に訴求していくうえで重要だ」と訴える。北野のミッションは現在の自社の台数シェア3割を引き上げ、4割の大台に乗せることだ。

 ソニーは、他のBDメーカーが現行DVD規格のレコーダーと並行生産を続けるなか、昨年9月、他社に先がけてBD生産に一本化した。当時は次世代規格競争の真っ只中。現行DVDレコーダーの低価格化もすすみ、10万円を切らないと売れないという市場認識もあった。「BDレコーダーは高額だし、この時期の一本化はグループ内でも意見が分かれたと聞いている」と振り返る。だが、「DVDを引きずっていても仕方ない。先行者利益につなげられるかが勝負だと発想を切り替えたようだ」。

 判断の結果は早く現れた。年末商戦で瞬間的だが、BDの構成比が5割超を記録。量販店でソニー製品が品切れを起こすほど人気に。今年2月半ば、東芝の撤退により規格競争に決着がつくと、BDの台数構成比はコンスタントに25%を超えるようになった。

 現在の北野の関心事は、目前に迫った北京五輪の駆け込み需要だ。8月第1週が商戦のピークと見込む。「台数構成比でBDは瞬間的に45%、金額ベースで65%くらいまで伸びるだろう」と期待を込める。

 だが、本当の意味での需要本番は、アナログ停波前年の2010年とも読んでいる。2010年はサッカーのワールドカップという大きな商機も待ちうけている。「停波直前まで我慢して、ワールドカップを契機にBDを購入する消費者が増えるだろう」と意気込む。次世代規格として台数構成比でBDが50%を超える。そんな時代はすぐそこだ。(文中敬称略)(取材/田中繁廣 文/鍋島蓉子)



週刊BCN 2008年8月4日付 Vol.1246より転載