勉強やビジネスで英語に触れるとき、簡単な調べものならほとんどWebで調べれば事足りてしまう便利な時代。とはいえ、調べるのに時間がかかったり、情報が不十分だったりと、疑問がすぐに解決しない場合も少なくない。やはり手元には辞書を用意していきたい。そこで、PCで便利に利用できると定評の電子辞典社の2製品を使って、イマドキの電子辞書ソフトの実力を試した。

●優れた検索エンジンを搭載する「HD辞典」シリーズ

 仕事で英語を使う、あるいは、大学の研究などで英語の習得を目指す人は、作業のほとんどをPC上で行っていることだろう。そこではPC上で動く英和・和英辞書ソフトは必須のアイテムといっていいのではないだろうか。内容が充実しているのはもちろんのこと、辞書ソフトなら単語などの検索や表示・引用も、「コピー&貼り付け」などのPC操作だけで完結できる。PC利用を前提とするなら、圧倒的に辞書ソフトが便利なのだ。

 今回使ってみたのは、老舗電子辞書メーカーの電子辞典社が発売する「HD辞典」シリーズの「ジーニアス英和(第4版)・和英(第2版)辞典」と「研究社 新英和+和英大辞典」。いずれも単語を引いて調べるという辞典本来のベーシックな機能にこだわったソフトだ。書籍で定評のある各種の辞典をできるだけ忠実に電子化し、幅広いユーザーから支持されている。  人気の理由の1つが、シリーズ共通で採用している検索エンジン「DDviewer」。わからない単語を入力して辞典から検索結果をツリー構造で表示するという、比較的にシンプルな検索エンジンだが、複数の辞典の串刺し検索や辞典の切り替え機能、多彩で強力な検索機能を備えている。


●Windows Vistaならガジェットからの検索もOK

 検索方法も多彩だ。「*」や「!」マークによる部分一致、完全一致検索ができるほか、Webの検索エンジンと同様に「and」「or」条件の検索も可能。また、英単語などの過去形や複数形などでも検索できる活用形検索辞書ライブラリ「Thoton Search」を備え、自動的に原型に戻して検索結果を表示することもできる。


 加えて、Internet ExplorerやWordなどでは単語を選択して右クリックすると、直接「DDviewer」を開いてその意味を参照できる便利な機能もある。また、Office XP から追加された「スマートタグ」機能にも対応し、そのメニューから「DDviewer」を選んで検索するなど、PCと連携した多彩な使い方ができる。


 さらにWindows Vistaではサイドバーに「HD辞書ガジェット」を用意。調べたい単語が出てきたとき、すぐに辞典の簡易版を参照できるほか、詳しい内容もワンタッチで表示できる。

 他のアプリケーションとも連動しながら使える「DDviewer」は、辞典を引く頻度が多いユーザーほど、その使いやすさに納得できるに違いない。同じ単語を違う辞典で調べなおしたり、辞典内の別の単語をどんどん検索していって知識を深めていくことも簡単。検索した項目に「しおり」を付けてコメントを挿入したり、紙の辞典と同じように蛍光ペンで記入するマーカー機能も搭載するなど、英語学習のスキルアップをサポートしてくれる機能が豊富に揃っているのがうれしい。


●PCの辞書ソフトはその検索エンジンが「命」

 この「DDviewer」の最大の特徴は、ユーザーの声を反映しながらバージョンアップを重ね、進化していること。ユーザー登録さえすれば、最新の検索エンジンをいつでもダウンロードして利用できる。

 辞書ソフト選びのポイントとして、辞典自体の内容はさることながら、検索エンジンの操作性や使いやすさも重要なポイント。辞書ソフトの良し悪しは、その検索エンジンが鍵を握っているといっても過言ではないだろう。その意味で「HD辞典」シリーズは、検索エンジン「DDviewer」を改良していくことで、より使いやすい最新のインターフェイスをユーザーに提供しているのだ。

 気になる検索スピードについては、辞典データもすべてPCのHDDに格納するタイプなので軽快に操作できる。そのぶん、複数の辞典を利用するには、HDDの空き容量が必要になってくるが、英語の辞典なら1冊あたり数十MBから多くても数百MB程度に収まるため、最近の大容量HDDを搭載するPCであれば問題はないだろう。


 もちろん、同社の「HD辞典」シリーズの辞典なら、同じ「DDviewer」のインターフェイスで検索・閲覧が可能。インストールした辞典は、すべて「DDviewer」の左端に表示され、このアイコンをクリックすることで辞典の切り替えもスムーズに行える。将来的に辞典を追加していく場合でも、同じ操作で利用できるのでとても便利だ。


●お買い得な「ジーニアス……」と、本格派にオススメの「研究社……」

 コンテンツ部分も見てみよう。「ジーニアス英和(第4版)・和英(第2版)辞典」は、英和と和英のセットとしてはコストパフォーマンスに優れたパッケージだ。同辞典は語法解説に定評あるベストセラーで、英和は最新第4版を電子化。英和約9万6000語、和英約8万2000語を収録し、約3万の用例を集めた「ジーニアス用例プラス」を増補している。

 英和辞典の約2万6000語にはネイティブスピーカーによる発音データを添付。同梱するスピーチエンジンを利用すれば、これ以外の英文も読み上げることが可能だ。高校生や大学生、もしくは英語の信頼できる辞典が1冊ほしいという人には、価格も安くてオススメできるパッケージだ。

 また、個人ユーザー限定で、PCだけでなくモバイル機(スマートフォン)でも同じ辞典を利用できる「DDCEviewer」(Windows Mobile 2003?5.0対応)も同梱されている。これを活用すれば、常に持ち歩ける電子辞書としても利用することができる。

 一方、「研究社 新英和+和英大辞典」は、翻訳などに携わるプロも愛用する研究社の「新英和大辞典 第6版」と、「新和英大辞典 第5版」をセットにした本格辞典セット。最先端のIT専門用語からシェイクスピアまで約26万語を収録した新英和大辞典に加え、最強の和英辞典として海外からも評価される新和英大辞典の最新版2冊が、PCで手軽に利用できるのはなんといっても大きな魅力だ。

 豊富に収録された単語の検索はもちろん、用例チェックや類義語、語源の参照などでは、「DDviewer」の強力な検索機能がその威力を発揮する。簡単でスピーディーな操作で、辞典を縦横無尽に参照できる。

 また、同梱のソフト「DDmaker」では、最大5000項目のオリジナル辞典データを作成可能。企業や研究機関で独自の用語辞典を作成することもできる。「ジーニアス英和・和英辞典」と同様に、モバイル対応の「DDCEviewer」も同梱。まさに、学生から実務家まで幅広い要求に応えられるパッケージだといえる。

 最近では、数多くのコンテンツを1台でこなす電子辞書も人気が高い。しかし、作業効率という点では、PC作業とシームレスに連動できるPC版電子辞書に軍配が上がりそうだ。本腰を入れた勉強やプロが現場で使うツールとして、PC版電子辞書は購入の検討に値する存在だろう。