オリンパス(菊川剛社長)の未来創造研究所は2月25日、「インスパイア型ユビキタスサービス(IUS)」の実用化に向けた実証実験を2月下旬に開始すると発表した。中央大学理工学部経営システム工学科(加藤俊一教授)と協力して実施。周辺の観光スポットや店舗情報などを、利用者の小型HMD(Head Mounted Display)に表示させることで、どのような効果が生まれるかを検証する。

 実験は、オリンパス製で眼鏡型のHMD「モバイルEye-Trek?慧眼?」を身につけて行う。まず、目的地を設定し案内に従って移動する過程で、HMDに表示される現在地の豆知識を得て行動の幅が広がるか、またそれによって満足感が増すかを確かめる。また、特に目的地を設定せず、利用者の状況や感性に応じてシステムから推奨される観光スポット・店舗情報や豆知識などの「気付き情報」を得ながら各スポットを回り、充実した時間を過ごせるかなどについても実験、システムの実現可能性やコンセプトの有効性などを検証する。中央大学の学生約50人を対象に東京都・文京区で実施する。

 システムは、オリンパスが開発した表示デバイス・センサー群を含む携帯端末と、中央大学が開発した感性工学エンジン、および文京区内の文京ミューズネットの資料館をはじめ、さまざまなスポット情報のコンテンツDBを含むサーバーによって構成。HMDに表示される情報には、名所旧跡や神社仏閣、観光スポットや店舗情報、さらには歴史情報など、利用者の知的好奇心を刺激するような情報なども含む。

 「モバイルEye-Trek?慧眼?」は、世界で初めて完全ワイヤレス化を実現し、50cm先に3.8型画面を表示するHMD。瞳分割方式シースルー光学系を採用し、外界視界を100%確保することが可能。駆動時間は8時間、解像度は11.3万画素で、電池を含む本体の重さは91g。

 オリンパスと中央大学では、実験結果の分析を通じて、対応エリアの拡大を含めたシステムを早期に構築し、4年後の12年をめどに実用化を目指す。なお、今回の実験には文京区および文京アカデミーも協力。実験で利用した機器・技術、評価結果などは、3月7?8日に宮城大学で開催される「日本感性工学会春季大会」で発表する予定。

 「インスパイア型ユビキタスサービス(IUS)」とは、新しいコンセプトのユビキタスサービスで、便利さや快適さに加え、充実感や達成感といった人間的な豊かさを実感できるサービスを指す。