この冬みんなが買ってるデジカメは? 年末商戦07年緒戦の人気モデル総覧

特集

2007/12/12 00:15

 コンパクトデジカメの機能に差が見られなくなってきた。多くの製品が機能的には横並び、という状況では、何を基準に選べばいいのか、なかなか難しい。そこでこの年末、カメラを買おうとする人に向けて、押さえておきたい主流の機能をまとめながら、「みんなが買ってる売れ筋モデル」を「BCNランキング」で紹介。07年年末商戦緒戦の最新トレンドをまとめた。

●1位はキヤノン「IXY DIGITAL 910 IS」、手ブレ補正に広角28mmの全部入り

 最新の12月第1週(12月3?9日)で1位を獲得したのは、キヤノンの「IXY DIGITAL 910 IS」で、カラーバリエーションを合算して算出した販売台数シェアは8.8%。有効画素数800万画素で光学3.8倍のズームレンズを搭載する。発売当初の9月から3か月連続1位を獲得し不動の座を築いている。光学式手ブレ補正、ISO1600までの高感度撮影、顔認識機能「フェイスキャッチテクノロジー」に加えて、35mmフィルム換算で28mmからの広角撮影にも対応し、まさに「全部入り」のモデル。年末商戦真っ只中の11日に取材したところ「週末用に100台以上を仕入れても注文をさばききれないほど売れている」(都内量販店)という。

 焦点距離は35mmフィルム換算で28?105mm。広角側が28mmから撮影できるので、広い範囲を写し込んで遠近感を強調したい風景写真や狭い室内での集合写真などで重宝する。ホームパーティーや忘年会など空間が限られている場所で大人数を撮るような用途にもピッタリだ。2位の松下電器産業「LUMIX FX33」も同じ広角28mmからのズームだが望遠側は100mm相当。望遠側はわずかながら「910 IS」のほうが長い。


 2位の「LUMIX FX33」はシェア7.6%。有効画素数810万画素で光学3.6倍ズームレンズを搭載する。光学式手ブレ補正機能のほか、最高ISO6400までの高感度撮影にも対応。最大15人までの顔を認識する顔認識も搭載する。カラーはプレシャスシルバー、カクテルピンク、コスモブルー、シェルホワイト、ショコラブラウンの5色。


 さらに、複雑な設定が苦手なユーザーでも夜景などの難しい撮影シーンが簡単に撮れる「おまかせiAモード」を搭載。モードダイヤルで「おまかせiAモード」を選ぶだけで、カメラが自動で被写体の明るさや距離などの状態を分析して、通常の撮影だけでなく夜景の撮影や接写の際にも最適な設定を行う。購入してすぐにきれいな写真が撮りたいというニーズに応える。

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 3位はシェア5.2%でソニーの「Cyber-shot T70」が入った。有効画素数は810万画素で光学3倍ズームレンズを搭載する。光学式手ブレ補正、ISO3200までの高感度撮影、最大8人までが同時検出できる顔認識機能「顔キメ」と笑顔を認識して自動でシャッターが切れる「スマイルシャッター」を備える背面の3インチ液晶モニタがタッチパネルになっている点も特徴。撮影モードの選択や「顔キメ」で人物の顔を選ぶときにタッチするだけで簡単に操作できる。カラーはシルバー、ブラック、ピンク、ホワイト。

 



 06年12月の画素数別シェアを見てみるとほぼ5割が700万画素クラスで、800万?1000万画素クラスは1%にも満たなかった。07年4月頃から800万?1000万画素未満クラスが増え始め、各社が新モデルを発売し始めた9月にシェアが一気に逆転した。10月には50%を超え、11月には55.4%だった。ちなみに900万画素クラスのシェアは1%にも満たないので、ほとんどが800万画素クラスのデジカメだといえる。

 また1000万画素クラスの製品も06年12月には9.7%だったシェアが07年11月には15.3%に伸び、人気が高まりつつあることがわかる。今回のトップ10ランキングにも、8位に有効画素数1010万画素のカシオ「EXILIM EX-Z1080」、10位に1200万画素の富士フイルム「FinePix F50fd」がランクインしている。


●有効画素数は800万画素台が主流に、1000万画素台も着実に増加中


 次に「手ブレ補正」機能の搭載率を見てみると、07年11月の時点で約7割のデジカメが搭載している。内訳は、ブレとは逆方向に動いて手ブレを打ち消す機構をレンズの中に搭載する「光学式」が約50%、デジカメ内部の写真を撮影するCCDなどの撮像素子が動いて手ブレを打ち消す「センサーシフト式」が約20%を占めている。「電子式」という補正方式もあるが、こちらは内蔵のソフトで画像を補正するので画質の劣化が生じるというデメリットがあり、シェアも3%とほとんど広まっていない。

 

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 夜景撮影のときなどに便利な「高感度撮影」機能は、トップ10の顔ぶれを見てみるとISO1600までが主流のようだ。中にはISO3200や松下の「LUMIX FX33」のように撮影時の画素数を減らしてISO6400という超高感度にまで対応するモデルもある。ISO感度を上げるとシャッタースピードが上がり、夜景などの撮影でも手ブレを防いで撮影できるが、画像にザラザラした高感度特有のノイズが出やすい。きれいな夜景を撮りたいなら、高感度に頼らず、素直に三脚を使ったほうがいいだろう。

 「顔認識」機能も11月の時点で搭載率が80%を超えている。「顔認識」機能とは主に、人物の顔を優先してピントを合わせる機能と、明るさを自動調整する機能を総合したものだ。たとえば人物より手前に花など別の被写体があるとカメラは花にピントを合わせて後ろの人物がボケてしまうことがある。また逆光ぎみの明るい屋外で撮影すると人物を含めて全体的に暗い写真になってしまう。このような場面で「顔認識」機能を使えば、カメラが自動的に「人物の顔」を基準にしたモードに切り替わり、顔を中心にしたピント合わせや逆光補正などを行って人物がきれいに写った写真が撮れるというわけだ。



 今回のトップ10では、1位の「IXY DIGITAL 910 IS」と2位の松下「LUMIX FX33」の2機種のみが広角28mmからの撮影に対応していること以外の「手ブレ補正」「高感度」「顔認識」機能は2位以下のモデルと大差はない。さらに「手ブレ補正」と「顔認識」の搭載率を見れば、ほとんどのデジカメが同様の機能を搭載していることがわかる。一部の機種では画素数を大台の1000万画素にすることで差別化を図っているが、この4月以降の800万画素台の伸びを見てもわかるように、ある時期を境に、あっという間にさらなる高画素化が進むことも十分考えられる。

 機能に大きな差がなくなってきたことから、コンパクトデジカメ市場は成熟期に差し掛かっているといえるだろう。台数の対前年比も鈍化しており、07年前半は販売台数で110%前後を維持していたが、7月以降は辛うじて前年を超える100%前後。販売金額で見ても特に7月以降に大きく落ち込んだ。9月には新製品が一斉に発売になって一時的に販売台数・金額ともに上昇したものの、10月・11月は前年割れの傾向から抜け出せていない。


●機能の横並びが進行、デジカメ市場も対前年比で成長が下降ぎみに


 デジカメの機能は「手ブレ補正」から「顔認識」まで既に出尽くした感がある。唯一「広角28mm」対応モデルが少ないが、「画素数」や「光学ズーム○倍」という数字や「顔がキレイに撮れる」といった機能よりわかりにくいだけに、どこまでコンパクトデジカメユーザーの選択肢になるかわからない。

 今後はまったく新しい機能が出てきて主流になるのか、それとも今ある機能の組み合わせ、または全部入りで有効画素数や光学ズームの倍率などのスペックが上がり続けるのか、熾烈な価格競争に突入していくのか、今後のデジカメの動向に注目していきたい。とりあえずこの冬は、「手ブレ補正」に「高感度撮影」、「顔認識」に「広角28mm」と今主流の機能が全部が入ったモデルを購入してはどうだろうか。これだけの機能があれば、ほとんどの撮影に困ることはないだろう。(BCN・岡本浩一)


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