40V型以上が2割突破目前の薄型テレビ、気になるサイズ別の売れ筋は?

特集

2007/10/31 10:30

 液晶、プラズマという方式の違いもさることながら、画面サイズは、設置場所と予算の関係で外せないチェックポイント。売れ筋は依然として32V型だが、40V型以上の大型モデルのシェアも徐々に拡大、07年9月には2割目前まで迫っている。そこで、現在主流の地上デジタルチューナーを内蔵したモデルに絞り、主なサイズごとの傾向や売れ筋を「BCNランキング」でまとめた。

●液晶・プラズマ合算でシェア44.9%のシャープ、20V型に限ると50%超

 液晶とプラズマをまとめた地デジチューナー内蔵の「薄型テレビ」全体で、カラーバリエーションを合算して集計したところ、07年9月の販売台数シェア1位は8.8%でシャープの「LC-32D10」が獲得した。07年3月発売の32V型液晶テレビだ。2位はシェア7.6%で、1位と同じデザインの20V型「LC-20D10」だった。上位10機種はすべて液晶テレビが占め、そのうち6機種が32V型という結果になった。プラズマテレビは松下電器産業の「TH-42PX70」の11位が最上位。また、9位には本体に内蔵したHDDにテレビ番組を録画できる、東芝の32V型液晶テレビ「32H3000」が入った。



 20V型、32V型、37V型について、画面サイズごとのランキングを見てみよう。20V型では「LC-20D10」が、32V型では「LC-32D10」が当然1位を獲得。どちらも2位とは10ポイント以上差が開いており、人気ぶりがうかがえる。37V型では、フルハイビジョン(フルHD)対応の「倍速ASV液晶パネル」を採用し、シャープが8月に発売した「LC-37GX3W」と、その下位モデルに当たる3月発売の「LC-37GS10」がほぼ同じシェアで並んだ。





 メーカー別販売台数シェアでも9月はシャープの強さが目立った。薄型テレビ全体ではシェア44.9%でダントツの1位。さらに20V型限定では53.7%に達し、32型限定でも44.9%、37V型限定でも43.7%と高いシェアを獲得した。いずれも2位には15ポイント以上の差をつけており、独走状態が続いているように見える。


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●40V型以上ではソニーや松下が躍進 年末商戦の動向に注目

 しかし、年末商戦の目玉として、各メーカーが力を入れる40V型以上の大型モデルに限ると、ソニーの40V型液晶テレビ「KDL-40V2500」、松下の42V型プラズマテレビ「TH-42PX70」が1位・2位を占め、シャープは42V型液晶テレビ「LC-42GX3W」の3位が最高位と混戦模様。メーカー別でも1位はシェア32.1%でソニー、2位は28.5%で松下、シャープは26.7%で3位という状態になっている。



 07年9月の地デジ対応薄型テレビ全体に占める40V型以上の割合は19.4%と2割足らず。この年末商戦では2割突破は間違いなさそうだが、まだまだ市場は小さく本格決戦はこれから、という見方もできる。高い利益率が期待できる40V型以上の製品だが、今後、競争は激化しそうだ。

 また、このクラスの大型モデルとなると、水平1980×垂直1080画素のフルHD対応モデルが目立つ。液晶テレビは、多くの機種がフルHDに対応。プラズマでも松下の42V型「TH-42PZ700SK」など一部モデルはフルHDに対応しており、07年9月では、40V型以上の薄型テレビのフルHD対応率は73.7%に達した。液晶・プラズマを問わず、デジタルチューナーを2系統ずつ装備するモデルも多く、画質や音響性能、デザインを含め、高機能機が目立つ。

 ちなみにフルHD化率は、32V型の4.7%に対し、37V型では68.5%、40V型は83.4%と、サイズが大きくなると一気に高くなっている。また、液晶テレビ陣営のなかで率先してフルHD化を進めているシャープは、業界初の22V型、26V型でフルHDの液晶テレビを11月に発売する予定。現在は32V型がフルHD対応モデルの最小サイズだが、今後は20V型台の小型モデルでもフルHD化が進むことになるのかもしれない。


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●32V型が引き続き3割強を占め一番人気 大型化はこの1年さほど進まず

 サイズ別の販売動向もまとめておこう。06年10月からここ1年間のサイズ別販売台数シェアの動きを見ると、常に32V型が全体の3割程度を占め、20V型・37V型・26V型が続く構図に変化はなかった。06年11月・12月のみ2位と3位が入れ替わり、20V型に代わって37V型が2位を獲得、徐々に大型化の流れは見えてきている。



 注目は20V型。07年1月以降、シェアは37V型と反比例するように増加傾向を示し、進学や就職にともない、シングル需要が高まる3月にはここ1年で最高の22.9%に達した。地デジ対応の薄型テレビが、2台以上テレビを持つ家庭やテレビや1人暮らしの若年層などにも広がってきた表れといえるだろう。20V型以下のハイビジョン対応モデルは製品数が少なく、テレビではこのサイズが最低ラインだ。

 これらの動きとは別に、40V型以上の大型モデルの販売台数シェアはこの1年で、13.7%から19.4%へ5.7ポイント上昇した。なかでも42V型は、06年10月の4.7%から07年9月には8.5%に上昇。ここ3か月連続8%超えるシェアを獲得し、販売台数も26V型の次に多い。大型化をけん引しているのは40型台のモデルだ。一方、50V型以上のシェアは2%台でほぼ横ばい。日本の住宅事情に合った大画面とは、どのあたりの画面サイズなのか、そろそろ傾向が出始めているといっていいだろう。



 サイズ別に平均単価の推移も調べた。06年9月の平均単価を1とすると、この1年間の下落率はどのサイズも1-2割程度。じわりじわりと価格は下がっているが、そのペースは緩やかだ。主要サイズでの1インチ当たりの価格は、20V型、32V型、26V型、37V型の順に安い。20V型と32V型の差は170円程度、逆に32V型と26V型の差はプラス279円と開いている。37V型以降はフルHD対応率が高く、必然的に平均単価は高くなる。逆に、中小型の20V型や26V型は、同じデザインの大型モデルに比べ、大きさだけではなく、パネルの性能や接続端子の数などスペック面も劣る場合が多い。その真ん中で適度な大きさ、性能、価格なのが32V型。劇的な住環境の変化や価格の下落が起きない限り、しばらく32V型の優勢は続きそうだ。

●新旧製品の比較はリンク機能や倍速駆動の有無をチェック

 9月のメーカー別販売台数シェア1位のシャープと同2位の松下は、8月から9月にかけ、年末商戦に向けた新製品を発売した。画面サイズは37V型から65V台まで。パイオニア、ソニー、東芝、三菱電機、日立製作所など、他のメーカーもそれぞれ同クラスの新製品を発売する。9月はちょうど切り替え期となり、ランキングは、旧モデルの在庫一掃セールも影響しているようだ。10月も同様の傾向が続いているが、年間で最もAV機器が売れる12月には各社の新製品が出揃う。売れ筋にも大きな変動がありそうだ。

 昨年以来、HDMIケーブルでつないだ他の機器と連携した操作が可能な、いわゆる「リンク機能」が脚光を浴びている。松下の「ビエラリンク」、シャープの「AQUOSリンク」に続き、この秋冬モデルから、ソニーは「ブラビアリンク」、東芝は「レグザリンク」の名称で同様の機能を取り入れた。そのほか、三菱電機やパイオニアも同様のリンク機能を搭載し始めた。



 これら新たにリンク機能を採用したメーカーの製品では、とくに新旧製品の違いや対応機器の範囲に気をつけたい。そのほか、倍速駆動やフルHDなど、新しい秋冬モデルでは高機能化・高画質化が進んでいる。携帯電話などと違い、テレビは「型番」ではわかりにくい。同じメーカーでも、デザインや機能などが異なる複数のシリーズをラインアップし、複雑化しつつある。画質は見た目でわかる、ともいわれるが、購入後に欲しい機能のない旧機種だった、目当ての機種ではなかった、などといったことがないようにカタログなどには必ず目を通しておきたい。(BCN・嵯峨野芙美)


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など23社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。


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