年齢バレバレカメラや画像データが触れる机――CEATECで見つけた未来予想図

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2007/10/09 19:17

 10月2日から千葉県の幕張メッセで開催していたアジア最大のIT・家電見本市「CEATEC JAPAN 2007」が6日閉幕した。最新技術を盛り込んだ試作機なども数多く出品され、未来の生活の一端が垣間見えた。そこで、CEATECに登場した「身近にあったら面白いかも!?」な技術や製品ご紹介しよう。

●三菱電機のテーブル型パソコン!? トランプ・麻雀には不向きだけど

 見た目はテーブルの天板にディスプレイを置いたようなタッチテーブル「マルチユーザー・タッチテーブル」が三菱電機のブースに展示された。この天板はタッチスクリーンになっており、テーブル上部に設置したプロジェクターで映像を投影し、投影された映像に触れることで直感的な操作ができる。

 「マルチユーザー・タッチテーブル」の一番の特徴は、操作している人を最大4人まで認識できること。操作している人によって、操作中のアイコンや画像が緑や赤に光り、誰が操作しているか一目でわかるようになっている。人の認識の秘密は、座席に敷いた青色の専用シート。このシートは微弱な電気を発生しており、この上に人が座ることで、体内にごく弱い電流が流れる。電流が流れている人がタッチスクリーンに触れることで、スクリーンが人を認識するしくみだ。もちろん、テーブルだけにコップなどを置いても反応はしない。



 ブース内のデモンストレーションでは、多くの静止画像を表示させ、指を使って画像を移動させていた。また、画像に2本の指を置くことで、iPod touchのように画像を拡大・縮小することもできるようだ。三菱電機は「会議などの時、情報を共有できる装置として開発した」としており、すでに官公庁などへの導入実績があるという。どんな風に使っているのか興味がわく。



 このタッチテーブルが将来、家庭で導入されたら……家族みんなでテーブルを囲み、デジタルカメラで撮影した家族旅行の写真を鑑賞したり整理したりといった、「デジタルデータ」を触って操作することも日常化するかもしれない。トランプを楽しんだりもできそうだが、手の内を隠しておきたいポーカーや麻雀をするなら、覗き見られないような工夫が必要かもしれない。

●入店した瞬間に歳がばれる!? NECソフトの年齢層自動推定システム

 コンビニエンスストアなどに入店した瞬間に年齢判定ができるシステムがあったら……、マーケティング的には有効かもしれないが、女性ユーザーにはそっぽを向かれてしまいそうだ。NECソフトは、カメラの前に立つだけでその人の性別、年齢を自動的に推定するシステム「FieldAnalyst」を展示した。

 使い方はいたって簡単。カメラの前に数秒立つだけで顔の映像をもとに性別・年齢層を自動的に推定する。結果は数10秒ぐらいで「○(歳)代 男性・女性」と表示される。



 気になるのは、年齢や性別の推定方法。NECソフトが集めた多数の顔データを元に、カメラが捕らえた顔映像がどの顔に近いか判別して結果を出している。皺があったら40代、というようなシビアな推定方法ではないようだ。性別は男性・女性、年齢は0代から60代までの10歳刻みで分類される。

 NECソフトのブース内では、多くの来場者が入れ替わり立ち代わりカメラの前に立っていた。しかし、中年男性を「50代 女性」と判定した例もあり、精度の面では課題がありそうだ。

●人や車がテレビから抜け出してくる! 家で楽しむHD立体映像

 遊園地などで、特殊メガネをかけて立体映像を見たことはないだろうか。普通のテレビやスクリーンに表示しているのに、特殊メガネをかけるとキャラクターなどが飛び出して見えるアレのことだ。

 CEATECのデジタルコンテンツパビリオンでは、この立体映像コンテンツや撮影用カメラなどが展示されていた。中でも日本BS放送のブースは人気が高かった。同社は、NHKアナログハイビジョン終了後の帯域を使って07年12月からハイビジョン放送を配信する。このチャンネルの中にハイビジョンの立体映像を鑑賞できる番組を試験的に放送する予定だという。



 立体映像放送のしくみとしては左右2台のカメラで同じ被写体を撮影した映像を1つのフレームに伝送することで2つの映像が重なって見えるという。なお、自宅で視聴するためには専用の受信機とメガネが必要。



 また、立体映像の技術はテレビ放送だけではなく、テレビゲームにも採用されるという。バンダイナムコゲームスは発売中のPLAYSTATION3用のレーシングゲームソフト「リッジレーサー7(RR7)」を立体視仕様にした特別バージョンを展示。偏光フィルターを貼り付けた液晶テレビと、対応する立体視メガネを使うことで、レーシングカーやコースなどをリアルに表現することができる。

 思わず手を伸ばして触りたくなるほどの立体映像と、臨場感たっぷりのサウンド。この2つをセットにすると、本当に画面の中にいるように感じてしまう。今後は、疑似体験ができる映像が広がっていくのかもしれない。

「CEATEC JAPAN 2007」=http://www.ceatec.com/


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