ソニー、ぶどう糖で発電するバイオ電池を開発、ウォークマンで音楽を再生

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2007/08/24 10:22

 ソニー(中鉢良治社長)は8月23日、植物に含まれる栄養源である炭水化物(ぶどう糖)を酵素で分解して活動エネルギーを取り出す生物のしくみを応用し、活動エネルギーのかわりに電気エネルギーを取り出して発電するバイオ電池の開発に成功したと発表した。

 今回試作したバイオ電池は、パッシブ型バイオ電池の基礎研究成果として、50mWの世界最高出力を達成。試作したバイオ電池を使って、フラッシュメモリタイプの同社製携帯オーディオ「ウォークマン」による音楽再生も実現した。

 世界最高の出力を実現するにあたって、ぶどう糖を効率的に分解して電気エネルギーを取り出せるよう、酵素と電子伝導を助けるための電子伝達物質を、活性を維持した状態で高密度に電極(負極)に固定化する技術と、反応に必要な酸素を効率的に取り込めるように、電極(正極)内の水分を適度に保つ技術を開発。これらに最適化された電解質を用いることで高出力の発電を可能とした。

 ぶどう糖で発電するバイオ電池は、ぶどう糖を分解する酵素と電子伝達物質を固定化した電極(負極)と、酸素を還元する酵素と電子伝達物質を固定化した電極(正極)で、セパレーターを挟んだ構造をとる。負極側では、外部からぶどう糖(グルコース)の水溶液を取り込み、ぶどう糖を酵素で酸化分解する際に電子と水素イオンを取り出すしくみ。水素イオンはセパレーターを介して負極側から正極側に移動し、正極側では空気中の酸素を取り込み、電子と水素イオンによる還元反応によって水を生成する。この一連の電気化学反応を通じて、電子が外部回路を移動する際に電気エネルギーを取り出すことができる。

 試作したバイオ電池(1ユニット)の大きさは幅39×高さ39×奥行き39mm、電池部容量は約40cc、最大出力は50mW。「ウォークマン」の駆動実験では、試作したバイオ電池4つを直列に接続し、ぶどう糖溶液を注入。ぶどう糖のエネルギーを電気に変換し、内蔵充電池をあらかじめ抜いた「ウォークマン」で音楽を再生できることを確認した。同社では開発を進め、植物から採れるぶどう糖をエネルギー源とした環境に優しいバッテリーの実現を目指す。


ソニーhttp://www.sony.co.jp/ 


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