機能で選ぶ最新コンパクトデジカメ
最新トレンドは、「顔認識」「手ブレ補正」「高感度」
最初に押さえておきたいのは、コンパクトデジカメの最新トレンドだ。キーワードは、「顔認識」「手ブレ補正」「高感度」の3つだ。さらに、今年の夏モデルでは「高画素」も加わった。
「顔認識」機能は、被写体となる人物の顔をカメラが自動的に検出し、顔が一番きれいに写るように、ピントや明るさ、ストロボの発光量などを自動で調整する機能だ。室内や照り返しの強い浜辺・プールサイドなどでの撮影で「人物の顔が暗く写ってしまった」、あるいは「ピンボケになってしまった」という経験は誰しもあるはず。そんな人物撮影の失敗が、カメラ任せで解消できるのが、「顔認識」機能のメリットだ。
「顔認識」機能は、富士フイルムの「顔キレイナビ」やキヤノンの「フェイスキャッチテクノロジー」のように名称はメーカーによって異なる。また、機能もメーカーによって微妙な違いがあるようだ。富士フイルムは、最短約0.05秒で顔を検出するスピードの速さと、最大10人までの顔を同時に検出するのが特徴。キヤノンは、顔部分と周囲の風景とのバランスと画質のよさを強調する。カシオの顔認識機能はちょっとユニーク。あらかじめ認識させたい顔を登録しておくことで、大勢の中からでもその顔を見つけて、そこにピントや明るさを合わせてくれる。相手が移動しても、顔を追ってピントを合わせ続ける。
「手ブレ補正」と「高感度」は、2つでセットといえる機能。「手ブレ補正」は、カメラを持ったときの手ブレを光学式または電子式に補正する機能。「光学式」は、レンズの一部や撮像素子などをブレの打ち消す方向に高速で動かすことで手ブレを軽減する。一方、「電子式」は、撮影した画像をデジタル処理することでブレを目立たなくする。一般的に、光学式の方がブレ軽減効果は高いといわれている。
「高感度」は、ISO(感度)を上げて撮影する機能。感度を上げることでシャッタースピードを速くすることができるので、被写体ブレを軽減する効果がある。つまり、動きの速い被写体がブレることなく撮れるということだ。暗い場所で、なるべくストロボを使わずに撮影したいときにも活用できる。最近では、多くの機種がISO1600の高い感度で撮影でき、中にはISO3200に対応した機種も出てきている。ただし、デジタルカメラは感度を上げるほどノイズが増えて画像が荒れてしまう。だから、高感度での撮影は、その点を考慮して使うことが大切だ。
07年夏モデルでは1200万画素級が続々登場!
「高画素」は、メーカー各社が07年の夏モデルで新たに投入してきた機種群だ。これまでコンパクトデジカメの最高有効画素数は1000万画素だったのだが、最新機種では1200万まで高めた機種が登場している。1200万といえば、デジタル一眼レフの中級機を超える画素数だ。撮影した画像は大画面の薄型ハイビジョンテレビに映しても、高精細で見応え十分の画質。A3サイズ以上に大きくプリントしても大丈夫だ。
ただし高画素なぶん、画像のファイル容量も大きくなる。例えば720万画素デジカメの最高画質で撮影した場合は、画像1点のファイルは約4MB程だが、1200万画素デジカメの最高画質では約8MBになる。およそ2倍のファイル容量になる計算だ。そうなると、記録するメモリカードなどの記録メディアや、撮影した画像を保存しておくHDDも、大容量のものが必要になってくる。こうした点を理解したうえで、画像を大きくプリントしたい、大画面テレビで鑑賞したいといった目的があるならば、1200万画機種の購入を検討してもいいだろう。
一番大切なのは「何を撮りたいか」
コンパクトデジカメの最新機能のトレンドを踏まえたうえで、さて、何を選ぶか。製品を選ぶ前に一番重要なのは、「何を撮影するか」という使用目的だ。
例えば、人物を撮るのか、風景を撮るのかでも、重視する機能は違ってくる。「友だちや子どもなど、とにかく人物を撮る機会が圧倒的に多い」という人には、「顔認識」が充実した機種がおすすめだ。「風景撮影や街角のスナップ撮影が中心」という人には、広角28mmのレンズを搭載した機種がいいだろう。
一方、カバンやポケットに入れてでも、「常にデジカメを持ち歩いて、気になった瞬間を逃さず写真に撮りたい」という人には、とにかく小さく・薄く・軽い機種で、電源を入れてから起動が速い機種がピッタリ。さらに、持っていることをちょっと自慢できるようなデザインであればうれしい。
そのほか、写真を大きくプリントしたい人や高精細な画質が好みの人には、1200万画素の機種、「スリムじゃなくてもいいから、画質や操作性にはこだわりたい」という人には、カメラの基本機能が充実している機種が購入のポイントになる。
おすすめのコンパクトデジカメ一挙紹介
最新トレンドに撮影目的別の注目点を交えながら、おすすめの最新コンパクトデジカメを紹介していこう。(本文中のレンズの焦点距離表記はすべて35ミリフィルムカメラ換算、画素数は有効画素)
●キヤノン「IXY DIGITAL 10」

●キヤノン「IXY DIGITAL 810IS」

●ソニー「Cyber-shot T100」

●ソニー「Cyber-shot W200」

●富士フイルム「FinePix F40fd」

●ニコン「COOLPIX S500」

●ニコン「COOLPIX P5000」

●カシオ計算機「EXILIM ZOOM EX-Z1200」

●松下電器産業「LUMIX FX100」

●ペンタックス「Optio W30」

●オリンパス「μ(ミュー)770SW」
