デジタル時代の著作権協議会(CCD=Conference on Copyright for Digital Millennium)は4月5日、シンポジウム「デジタルコンテンツ流通の課題2007?権利者と利用者の望むDRM?」を開催し、活動報告を行った。

 デジタル時代の著作権協議会(CCD=Conference on Copyright for Digital Millennium)は4月5日、シンポジウム「デジタルコンテンツ流通の課題2007?権利者と利用者の望むDRM?」を開催し、活動報告を行った。

 CCDの設立は99年4月で、法制度の側面から著作権に関する調査・研究を行う「権利問題研究会」と、著作権ビジネスにおける契約や流通を検討する「著作権ビジネス研究会」の2つの研究会で構成される協議会。現在、コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)や日本レコード協会など32団体が加盟している。

 今回のシンポジウムでは、まず「権利問題研究会」の久保田裕主査が、「権利者と利用者の望むDRM技術」と題し、07年3月に実施した「権利保護並びに保護技術に関するアンケート」の結果を報告。「デジタル著作権管理(DRM=Digital Rights Management)」における新しいシステム提案も行った。続いて「著作権ビジネス研究会」の菅原瑞夫主査が「CCD IDモデルと権利情報共有化の取り組み」と題し、06年度におけるCCD IDモデルの実装上の検討や、権利情報の公開・共有化の検討などを報告した。

 ちなみに「DRM」とは、デジタル化した音楽や画像などのコンテンツを保護する技術のこと。データのコピー防止や暗号化、電子透かしなどの仕組み指す一方、広い意味では、コンテンツの権利をもつレコード会社などが、権利を一元管理したり不正流通・不正利用の防止などを行ったりするためのシステム全体を指す場合もある。

 アンケートの結果は、「(CCDの)団体・(団体に参加する)会員が扱うコンテンツへのDRM技術の導入状況について」は、「会員の一部が導入または検討中」が33%、「団体として統一した技術、または規格を導入済み」が27%だった。また「団体として使用中、または調査・検討している技術は何か」については、「無断でコピーを防止する技術」「コンテンツの使用期間・視聴回数など利用を限定する技術」という回答が最も多かった。

 さらに、「DRM技術について不安な点はあるか」という質問では、「ある」が最多で72%。不安点の内容については、「DRM技術を管理運営するコストや労力」が77%、「DRM技術を実施するコストや労力」が62%、「コピー防止技術などが破られること」も同じく62%という結果になった。また、「DRM技術を積極的に採用するためにどのようなことを望むか」では、「DRMを導入するためのコストを下げてほしい」「より単純なシステムで運用できるようにしてほしい」「(権利者、配信事業者、ユーザーを含めたすべての)利用者の声を反映したDRM技術を開発してほしい」という回答が多かった。

 またシンポジウムでは、新しいシステム「許諾コード」が提案された。「許諾コード」は、「コンテンツID」「権利者ID」「利用者ID」に加えて、コンテンツの内容やダウンロードの金額、利用条件などをまとめた「許諾条件」の4つの情報を1つのコードに統一するもの。

 許諾コードでコンテンツを管理することで、プラットフォームが異なる場合や世界的に販売するような場合でも対応しやすくなる。また、コンテンツの利用と流通の促進、柔軟な利用形態の提供、権利者への適切な対価の還元が実現できるメリットがある。一方、日本の現行著作権法では、許諾コード自体は、その一部分しか適用されない問題点も残っているという。

 こうしたDRMの取り組みが進む一方で、米アップルは4月2日、EMI Musicから音源を提供されている「iTunes Store」でDRMフリーの楽曲を5月から配信すると発表。デジタルコンテンツ配信市場でDRMを外す動きが広がりそうだ。コンテンツを創造するアーティストと利用するユーザーの双方にとってのメリットを考えた場合、「デジタル時代での望ましい著作権保護のありかた」については、さらに世界的な議論を深める必要がありそうだ。