IPA、2月のウイルス・不正アクセス届出状況、ファイアウォールの利用を推奨

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2007/03/05 10:15

 情報処理推進機構(IPA、藤原武平太理事長)は3月2日、07年2月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況を発表した。

 情報処理推進機構(IPA、藤原武平太理事長)は3月2日、07年2月のコンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況を発表した。

 2月のウイルス検出数は約69万個と、1月の約102万個から32.3%減少した。ウイルスの届出件数は3098件で、1月の3513件から11.8%の減少となった。検出数の1位は「W32/Netsky」で約51万個、2位は「W32/Nuwar」で約6万個、3位は「W32/Sality」で約4万個だった。

 「W32/Nuwar」ウイルスは、IPAに初めて届出された06年12月から07年1月、2月と継続して高水準の届出となっている。このウイルスは、大量のメールを配信することで感染を広げるタイプで、感染したPCの中に「trojan_small」という名称の他の不正なプログラムを取り込む機能を持ったファイルを作成する。その後「trojan_small」が動作すると、スパイウェアなどをインターネットから取込み、個人情報が盗まれたり大事なファイルが削除されたりするなどの被害を起こす可能性があるという。

 2月のコンピュータ不正アクセスの届出件数は23件で、うち被害の合った件数は14件だった。不正アクセスに関連した相談件数は50件(うち8件は届出件数としてもカウント)で、何らかの被害のあった件数はそのうち28件だった。被害届出の内訳は、侵入6件、DoS攻撃1件、アドレス詐称1件、その他6件。

 また、2月にIPAに寄せられた相談総件数は1019件だった。そのうち「ワンクリック不正請求」に関する相談は、1月の233件から287件に増加し、過去最悪となった。そのほかは「セキュリティ対策ソフトの押し売り」行為に関する相談が22件、「Winny」に関連する相談が14件などだった。

 IPAのインターネットの観測状況によると、インターネット上のセキュリティホール対策などが取られていないコンピュータを探すことが目的と考えられるアクセスが、06年後半から増加傾向にあると指摘。ボット、ワームなどの不正なプログラムを感染させようとする不正アクセスだと分析する。

 IPAでは使用しているPCを、こうしたセキュリティ上の脅威から保護するために、OSや各種ソフトのアップデートといったセキュリティホール対策に加え、「ファイアウォールを利用するように」と呼びかけた。とくにオンラインゲームなどの利用で、「Windowsファイアウォールを無効にする」といった本来推奨されない設定をしている場合は、必ず「有効」に戻すよう訴えている。