ソフォス、10月ウイルス・ワースト10発表、対策が徹底しない状況浮き彫りに

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2006/11/02 10:05



 ソフォス(アラン・ブロデリック社長)は10月31日、10月のコンピュータウイルスの報告数をまとめたランキングを発表した。

 1位が「Netsky-P」(15.2%)、2位が「Mytob-AS」(12.2%)、3位は「Stratio-Zip」(5.7%)。以下、「Bagle-Zip」(5.3%)、「Netsky-D」(5.1%)、「Stratio-AY」(4.3%)、「Mytob-C」(3.5%)、「Zafi-B」(3.4%)、「Nyxem-D」(3.1%)、「Mytob-E」(2.6%)の順となった。

 「Netsky-P」が依然としてランキングのトップに立つ一方、新しい動きとして「Stratio」ワームが初めてチャートに登場。ソフォスでは、10月に「Stratio」ワームの亜種が多数出回り、蔓延。1日に報告されるマルウェアのうち50%以上を占める日が数日間続いたとしている。

 「Stratio」は「ソーシャルエンジニアリング」といわれる旧来の手法を使って急速に感染を広げた。感染した場合、アドレス帳に登録された宛先に「Stratio」ワームのコピーをメール送信したり、レジストリに自身をインストールするなどを行うため、コンピュータが侵入者にアクセスされたり、遠隔制御される危険がある。

 ソフォスによると、「Netsky」「Mytob」「Zafi」などのマルウェアが長期にわたってウイルスのトップ1上位を占めていることは、マルウェア対策ソフトをインストールしていないユーザーが多く存在し、従来と同様の手法で感染を広げるマルウェアに無防備であることの現れと指摘。IPAなどの機関はウイルスなどへの対策を喚起しているが、エンドユーザーレベルではいまだに徹底されてい現状が浮き彫りとなった。

 10月に世界中で送受信された全メールのうち、悪意のあるものは300通に1通の割合(0.34%)と減少しているが、新手の脅威が数多く出現した。ソフォスが10月に検知した新規の脅威は3076件に上り、10月までに阻止した脅威の総数は19万3821件となった。

 同社では、すべてのエンドユーザーに対し、IPAなどの機関やセキュリティソフトメーカー、OSやアプリケーションメーカーが提供するセキュリティ対策ガイドラインを理解し、遵守することを強く訴えている。

 10月にソフォスが報告を受けた偽ウイルス情報のワースト10は、「Hotmail hoax」(9.7%)、「Justice for Jamie」(8.1%)、「Olympic torch」(8.1%)、「MSN is closing down」(5.9%)、「Bonsai kitten」(4.5%)、「A virtual card for you」(3.4%)、「Bill Gates fortune」(3.1%)、「Meninas da Playboy」(3.0%)、「WTC Survivor」(2.5%)、「Budweiser frogs screensaver」(1.5%)という結果だった。