子どもも取り組む脳力UP、幼児向け学習ソフトの売れ筋は?

特集

2006/08/23 23:03

 「ミッキーマウス」に「くまのプーさん」、「ドラえもん」や「おじゃる丸」……。実はこれら、幼児ソフトに採用されているキャラクター。幼児ソフトとは小学校に上がる前の子どもたちを対象にした学習ソフトのこと。文字の読み書きや簡単な計算、英語を中心にした外国語などを学ぶことができる。家庭で「早期学習」を助けてくれる頼れるソフトたちだ。そこで、教育熱心なママさん、パパさんが選ぶ、人気の幼児ソフトを「BCNランキング」で探ってみた。

 「ミッキーマウス」に「くまのプーさん」、「ドラえもん」や「おじゃる丸」……。実はこれら、幼児ソフトに採用されているキャラクター。幼児ソフトとは小学校に上がる前の子どもたちを対象にした学習ソフトのこと。文字の読み書きや簡単な計算、英語を中心にした外国語などを学ぶことができる。家庭で「早期学習」を助けてくれる頼れるソフトたちだ。そこで、教育熱心なママさん、パパさんが選ぶ、人気の幼児ソフトを「BCNランキング」で探ってみた。

●楽しく学べる学習ソフト 幼児向けにも「脳トレ」ブームが到来か!?

 幼児ソフトは「楽しく遊びながら学べる」のが基本テーマ。そのため魅力的なキャラクターを採用したり、カラフルなグラフィックスや、音声、音楽などで、子どもの関心をひきつけられるよう工夫している。操作方法も簡単で、大抵の子どもは1-2か月ぐらいで1人で使えるようになるという。

 他の早期学習用の教材と比べて安いのも魅力の1つ。「BCNランキング」の06年7月の月次データでは、幼児ソフトの平均価格は2000円台半ば。高額なソフトでも6000円台なので、学習塾の1か月の月謝より安い価格で始めることができる。また、家庭で好きな時間に親子で一緒に学べるのもメリットだ。

 このほか、読み書きや計算力、語学力を身につけるソフトだけではなく、ゲームをすることで判断力や想像力、認識力を高めたり、脳を活性化させたりする「脳力」系ソフトも登場。最近では特に学習することで「脳力」を鍛えることができるとアピールしているソフトが多く、幼児の世界にも大人同様、「脳トレ」ブームが来ているようだ。

●ディズニーキャラクターで占められた上位ランキング


 では、現在の人気ソフトを「BCNランキング」で見てみよう。1位はソースネクストの「リロ&スティッチ 南の島にエイリアンがやってきた!」で販売本数シェアは6.9%。対象年齢は5歳以上。

 ディズニーのキャラクターの1つ、ハワイの少女「リロ」とエイリアンの「スティッチ」が登場する。魚とりゲームや迷路など9つのミニゲームに挑戦しながら、「想像力」「推理力」「判断力」「思考力」を鍛える「脳力」系ソフト。フラダンスを習っているリロと一緒にレッスンムービーを見ながら、ダンスのレッスンをしたり、ハワイの文化を学ぶこともできる。

 2位にランクインしたのは「楽しい幼稚園パック」(ソースネクスト)で、シェアは5.8%。「ミッキーのみんなの幼稚園」と「プーさんの森の幼稚園」をセットにした特別パックで、標準価格が2970円と安いのが魅力。対象年齢はともに3歳以上。

 「ミッキーのみんなの幼稚園」はゲームを通して数やアルファベット、音、色の認識力を高め、判断力や創造力などを育てるソフト。しかも日本語と英語の2か国語で表示・ナレーションをするので、自然と日本語と英語に馴染み、読む力と聞く力を身につけることができる。

 「プーさんの森の幼稚園」は、森の仲間たちを手伝うストーリーに沿って、英語や数字、判断力などを自然に身につけるソフト。しおりや数字カード、アルファベットの練習帳など、14種類の教材を印刷できる機能を備えており、PCから離れても「プーさん」と一緒に学習することができる。


 3位はソースネクストの「楽しい学校パック」でシェアは5.2%。「楽しい幼稚園パック」と同様、「ミッキーのみんなの学校」と「プーさんの森の学校」をセットにした特別パック版で、対象年齢は5歳以上。

 「ミッキーのみんなの学校」では時計の読み方から基礎的な算数や英語、思考力や判断力など、「プーさんの森の学校」では英語や数字、判断力など、小学校で必要とされる基礎学力を身につける。

 上位13位まで、ディズニーキャラクターを採用したソフトがランクインしている。洋服や靴・バッグなど数多くの幼児向け商品に採用されているディズニーキャラクターだが、学習の場でも人気はダントツのようだ。

●右脳を鍛え、交通ルールを教えてくれるソフトも……

 キャラクターの可愛らしさに目が奪われがちな幼児ソフトだが、その内容もしっかりチェックしていこう。14位にランクインしたがくげいの「ちびっこくらぶ」(シェア2.5%)は、ひらがなや数字の読み書きだけではなく、お金の使い方や交通マナーなどをシミュレーション形式で学習できる変わり種。

 収録している5つのジャンルのうち、「ちびっこデパート」ではデパートなどに行った時に役立つ、エレベーターやエスカレーターの乗り方、買い物をする時のお金の支払い方、おつりの計算などが学べる。また「ちびっここうつうあんぜん」では信号の見方、横断歩道の渡り方などを学習できる。「ちびっこくらぶ」で学習した後、実物を見ながら学習内容を確認していけば「1人でおつかい」もできるようになるだろう。

 22位には「脳力」系ソフト「脳を鍛える フラッシュ暗算」(アスク、シェア1.6%)がランクイン。珠算式暗算をすることで「脳力」を鍛える、という正統派もまずまずの人気だ。


 「珠算式暗算」というのはそろばんをイメージし、それを実際のそろばんと同じように玉を動かしながら計算をすること。通常の暗算では左脳を使うが、珠算式暗算ではそろばんをイメージすることで感覚・感性を扱う右脳を鍛えることができるという。また右脳を鍛えることで、同時に物事を考えたり処理する「並行思考力」やひらめきといわれる「直感力」を身につけることができるという。

 数字が認識できれば、幼児から大人まで使える。しかし「大人になると無意識に筆算式暗算をしてしまい、そろばんをイメージすることが難しくなる。そのため右脳を鍛えることができない」(アスク社広報)ため、子どものうちから始めた方が効果が大きいようだ。

 そもそも、幼児にPCを使わせることがいいのか悪いのかという問題はある。しかし、すでに小学校でPC教育が始まっており、ちょっと早めにPCに慣れさせておくという考え方もあるだろう。また幼児ソフトは親にとっても懐かしいキャラクターが多く登場する。親子揃って楽しむ材料としても、試してみる価値はありそうだ。


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など22社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。