会議や打ち合わせといったビジネスシーン、英会話学習などのプライベートシーンで「音のメモ」が録れたらいいなと思うことがあるだろう。そんな時に便利なのがICレコーダー。胸ポケットに入るほどの大きさながら「テープを裏返す」ような操作も必要なく、そもそも「テープ」がいらない。長時間連続で録音でき、機種によってはPCに音を保存して整理することもできるという、デジタルならではの「音のメモ帳」だ。最近では用途も広がりをみせている。そこで、「BCNランキング」でICレコーダーの売れ筋モデルを探った。

 会議や打ち合わせといったビジネスシーン、英会話学習などのプライベートシーンで「音のメモ」が録れたらいいなと思うことがあるだろう。そんな時に便利なのがICレコーダー。胸ポケットに入るほどの大きさながら「テープを裏返す」ような操作も必要なく、そもそも「テープ」がいらない。長時間連続で録音でき、機種によってはPCに音を保存して整理することもできるという、デジタルならではの「音のメモ帳」だ。最近では用途も広がりをみせている。そこで、「BCNランキング」でICレコーダーの売れ筋モデルを探った。

●売れ筋は1万円以下のモデル、語学学習用の製品も目立つ

 「BCNランキング」6月の販売台数シェアで、ICレコーダーの人気モデルトップ10を見てみよう。1位を獲得したのは、三洋電機の「ICR-B66(S)」で、シェア12.8%。128MBフラッシュメモリを内蔵し、最長約72時間録音できるモデルだ。高感度指向性マイクが付属。ヘッドが可動式になっており、音の方向にマイク向けやすくなっている。録音形式はモノラルのみで、パソコンには接続できないが、実売で1万円を切る価格が魅力のようだ。



 2位は、シェアは9%のオリンパス「V-40」。512MBのメモリを搭載し、最長138時間の録音が可能。本体にUSB端子がついており、直接PCに接続できるのが特徴。録音形式はステレオにも対応する。WMAとMP3の音楽ファイルを再生でき、携帯オーディオ的な使い方もできる。また、USBメモリとしても使うことも可能で、文書や画像ファイルをドラッグ&ドロップで簡単に保存できる。なお、同じシリーズの1GBモデル「V-50」は8位にランクインしている。

 3位は、ソニーの「ICD-SX56」でシェアは7%。PCと接続できステレオ録音にも対応。容量は256MBで、最長録音時間は95時間50分。このモデルの特徴は、NHK「実践ビジネス英会話」で採用された英語学習教材を本体内にあらかじめ収録した点。続く4、5位にはオリンパスのUSBダイレクト接続ができるモデルがランクインした。

 7位にランクインした松下電器の「RR-US500」は、録音した音声データを自動的にテキストデータに変換する機能や、それを翻訳する機能まで搭載したソフトウェアを付属する。そのほか、オンラインショップ限定のためランキングには登場しないが、オリンパスも、ホロンの英語学習ソフト「えいご道場」と、同ソフトのレッスンデータを簡単に転送できる専用の転送ソフトを同梱したモデル「G-10」を販売している。容量が256MBで、学習レベルに合わせて0.5倍速から1.5速倍まで、9段階の調整が可能な遅聞き・早聞き再生機能も搭載するのが特徴だ。こうした、語学学習に特化した製品を各社ともランアップに加える傾向が強い。

●この1年で勝負アリ? 抜け出したオリンパス

 ここで、メーカー別の販売台数シェアの推移を見ておこう。05年の6月時点では、オリンパスとソニーが同率で1位、僅差で三洋が3位、かなり離れて松下が4位で追いかけるという形だった。その後、抜きつ抜かれつの1位・2位争いを繰り広げたのはオリンパスとソニー。激しいデッドヒートの末、6月時点では、オリンパスが頭一つ抜けた形で、34.4%のシェアを獲得。トップの座についている。逆にソニーは、5月にボイス録音・MP3音楽再生・データストレージ機能を搭載した1台3役の新製品をリリースする予定だったが、発売を延期。こうしたことが響いてか、5・6月で大きくシェアを落とした。23.1%とかろうじて2位の座は守っているものの、背後に三洋が22.3%で迫っている。さらに10%前後で推移してた松下も、ここにきて15%までシェアを伸ばしており、上位陣に食い込もうとしている状況だ。



 05年6月を1とするICレコーダーの販売台数指数の動きを見ると、販売のピークは4月と9月の2回。新学期のシーズンだ。語学学習などで利用されるケースが多いようだ。販売台数の前年同月比を見ると6月時点で4%増。販売台数指数の動きを見ても、緩やかな右肩上がりになっている。今年から大学入試センター試験で英語のリスニングが開始されたこともあり、語学学習用途での購入もこれからさらに増えそうだ。



●用途広がるICレコーダー、購入のポイントは?

 現在、さまざまなICレコーダーが販売されているが、購入するポイントとしては値段はもとより、録音時間、録音形式、メモリの容量、パソコンに対応しているかなどをまずチェックしたい。

 録音時間については、同じ容量でも、メーカー、機種によっても録音時間の表記が違っている場合があるから注意が必要だ。どの程度の音質でどれくらいの時間録音できるかもチェックしておきたい。ステレオか、モノラルかという録音形式も意外に重要。音楽は録らないからステレオは必要ないと思いがちだが、会議などを録音する際、ステレオのほうが誰の発言かを判別しやすい。また、その場の雰囲気もリアルに再現できるため、周りが騒がしいような状況環境でも、モノラル録音に比べて、ステレオ録音のほうがクリアに聞こえるという利点もある。

 録音データをPCに保存して整理したいなら、PCと接続できるかどうかは必ず確認すべきだ。PCに対応している機種なら、録音データをPCに保存でき、編集することもできる。そのほか、ICレコーダーの中にも音楽再生機能を持つ機種もあり、1台2役といった使い方もできる。音楽も楽しみたいならここもポイントだ。

 逆に、音楽再生用の携帯オーディオプレーヤーにも、ICレコーダーと同じボイスレコーディング機能を搭載したモデルがある。しかし、これらの録音機能はいわばおまけ。クリアな音を長時間録音して、スピーカーで音を聞きたい、といった用途には向かない。さらに、語学学習の際に便利な再生スピード調整などの機能も、ICレコーダーのほうが充実している。主な用途によって、どちらを選ぶかを決めればいいだろう。

 これまで内蔵メモリが中心だった記録メディアにも広がりが見え始めた。miniSDメモリカードスロット搭載のモデルが登場し始めたり、さらにには、三洋電機の「HDR-B5GM」のように5GBながらHDDを搭載するものも現れている。いずれも、時間を気にせずにたっぷり録音できるのが魅力だ。さらに、ここまで紹介した製品とは少し毛色の変わった音質重視のものも登場している。楽器演奏の生録など「高音質」を徹底的に追求したいという人向けに、非圧縮の高音質録音ができるローランドの「R-09」やソニーの「PCM-D1」といったモデルがそれだ。



 単なる音のメモから語学学習や音楽鑑賞、音楽の記録と、ICレコーダーの守備範囲は広がってきた。自分の用途に合った製品を選んで、賢く利用したい。


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など23社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。