家庭にもブロードバンド環境が普及し、居間の片隅でネットワークHUB(HUB)のアクセスランプがチカチカ光っている光景も珍しくなくなった。PCばかりでなく、ネットワーク対応のデジタル家電も増え始め、LANやインターネットの出入り口を広げるHUB活躍の舞台はますます広がっている。そこで、超ロングセラーモデルが長らく君臨するネットワークHUB市場と、これから予測される新たな動きについて「BCNランキング」でまとめた。

 家庭にもブロードバンド環境が普及し、居間の片隅でネットワークHUB(HUB)のアクセスランプがチカチカ光っている光景も珍しくなくなった。PCばかりでなく、ネットワーク対応のデジタル家電も増え始め、LANやインターネットの出入り口を広げるHUB活躍の舞台はますます広がっている。そこで、超ロングセラーモデルが長らく君臨するネットワークHUB市場と、これから予測される新たな動きについて「BCNランキング」でまとめた。

●33か月連続1位でさらに記録更新中の大人気HUB

 まず「BCNランキング」06年6月の月次データで、HUBの販売台数シェアトップ10を見てみよう。1位はバッファローの「LSW-TX-5EP」。LANポートが5つでプラスチックきょう体、電源外付けという「エコノミータイプ」。他がすべて1ケタシェアでひしめいているなか、17.6%のシェアを占めダントツだ。実はこの「LSW-TX-5EP」、なんと33か月連続でトップシェアに君臨し続ける超ロングセラーモデル。03年8月の発売で、その2か月後にはシェア12.6%で1位を獲得。以来33か月に渡りずっとそのポジションをキープし続けている。


 対応スピードが10M/100Mで、ストレート/クロスケーブル自動判別機能をもつという必要十分な基本仕様を備え、不良パケットフィルタリング機能も搭載。積み重ねやタテ置きも可能で、ACコードの抜け防止も考慮されているというスグレモノ。デスクサイドへの取付けに便利なマグネットもついていて、また壁掛け設置も可能。これだけの機能をもちながら実勢価格1800円前後という安さが、人気の秘密といえるだろう。

 6月のシェア5.5%で2位のバッファロー「LSW-TX-8EP」は1位「LSW-TX-5EP」の8ポート版。基本仕様は同じで実勢価格は2500円程度。03年10月以来必ずベスト4以内には入っている、同じく超ロングセラーモデルだ。


 1位と2位のモデルに代表されるように、現在のHUBの売れ筋はプラスチックきょう体で電源外付けの「エコノミータイプ」だが、金属製きょう体で電源内蔵型タイプの「デラックスタイプ」もいくつかランクインしている。シェア3.8%で5位のバッファロー「LSW-TX-8NS」、シェア3%で9位のバッファロー「LSW-TX-5NS」、シェア2.8%で10位のコレガ「CG-SW05TX」がそれだ。コレガの「CG-SW05TX」は日本製コンデンサを搭載した高付加価値モデル。マグネットキット、壁掛け用ネジセットも付属しており、実勢価格は2600円前後。

 そのほか、トップ10の製品いずれも10M/100Mのスピードに対応。また、LANケーブルが「ストレート」タイプか「クロス」タイプかを自動判別する「AUTO-MDIX機能」を搭載したモデルがほとんどを占めている。

●HUB選びのポイントはポート数ときょう体と電源

 ここでHUBの全体的な傾向を見てみよう。まずHUBのポート数。LANのコンセントともいえるポート数は5、8、12、16、24とさまざま。なかでも現在の中心は5ポートと8ポートだ。シェアも5ポートタイプが66%、8ポートタイプが29%で、合計すると95%を占める。


 メーカーによっては「5ポートは個人、8ポートはSOHO以上の企業向け」(バッファロー)とはっきり位置づけているところもあれば、「5・8ポートともに個人・企業向け」(コレガ)というメーカーもあってさまざま。結局のところ店頭では、個人向け、企業向けといったことはあまり関係なく、必要なポート数をカバーするものが買われているのが実情だろう。

 HUB購入にあたっては、PCばかりでなく、薄型テレビやDVDレコーダーなどのLAN対応型デジタル家電が今後ますます増えてくることを見越して、必要ポート数プラスアルファのモデルを選びたい。もう1つ購入のポイントとなるのが「きょう体」と「電源」。きょう体には「金属」と「プラスチック」があり、放熱性や耐久性に優れる金属の方が値が張る。電源にも「内蔵型」とACアダプタが必要な「外付け」タイプがある。「内蔵型」はコンセント周りがすっきりできるというメリットがあるが、やはり価格が若干高くなる。

 HUB選びでは、こうした点をふまえて臨みたい。とはいえHUB全体の平均価格は3000円台。家庭や小規模な事務所で使う程度なら、必要な仕様を確認すれば、気軽に買ってもほとんど問題ないだろう。

●2強はバッファローとコレガ、エレコムの動きに注目

 次にメーカー別の動向を見てみよう。1位のバッファローは05年6月以降で見ただけでも、ほぼ50%以上のシェアを維持し圧倒的な強さだ。2位のコレガも05年6月から20%以上のシェアを安定してキープしている。直近の6月ではバッファローとコレガの2社合計で7割も占めており、HUB市場はこの2強が支配している状況だ。


 一方、気になるのは3位のエレコム。05年は10%前後のシェアを保ってきたが、年明け以降じりじりとシェアを失う。その後、5月に一時持ち直したが、6月には再び下落という動きだ。実は、エレコムは05年1月にロジテックを買収。その後、同社のネットワーク機器ブランド「ラニード」を「ロジテック」のブランド名に統合する方針を発表し、今年3月から移行作業を進めている。この影響がでているものと見られる。「ロジテック移行に伴い、3月から『ラニード』のネットワーク機器を値下げし、在庫処分を行った」(エレコム)といった事情もあったようだ。

●ロジテック統合効果で風穴を開けることはできるか

 エレコムでは、ロジテックへのブランド統合をテコに「ネットワーク機器分野でロジテックのブランド力を活かし上位を狙いたい」としている。6月の販売台数シェアで「エレコム」と「ロジテック」を合計するとちょうど10%。3位以下がシェア1ケタ台で争っている状況から抜け出し、まず3位の足場固めはできそうな数字だ。また、ロジテックは今年2月から、新製品の投入もはじめており、販売台数シェアが2月の0.1%から6月には4%と急伸している。今後はさらに勢いをつけて上位陣に挑みたいところだ。

 「現在は品揃えが十分ではないが、今期はネットワーク機器に注力する方針で、冬商戦に向けてラインナップを充実させていく」(同)としており、エレコムの戦略が成功すれば、2位のコレガを射程圏に捉える可能性はある。しばらく安定していたHUB市場だったが、今後、徐々に「動く」ことになりそうだ。


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など18社・約2200の店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。