BCN(奥田喜久男社長)は6月15日、都内で会見を開き、BCNランキングで分析したデジタル家電市場のワールドカップ(W杯)効果について発表した。W杯商戦がスタートしたのは4月下旬。薄型テレビの大画面化、DVDのハイビジョン化を背景に、このころから販売台数や金額の対前年比が大幅に伸びはじめている。

 BCN(奥田喜久男社長)は6月15日、都内で会見を開き、BCNランキングで分析したデジタル家電市場のワールドカップ(W杯)効果について発表した。

 W杯商戦がスタートしたのは4月下旬。薄型テレビの大画面化、DVDのハイビジョン化を背景に、このころから販売台数や金額の対前年比が大幅に伸びはじめている。同社の田中繁廣取締役は「液晶とプラズマを合わせた薄型テレビ全体は金額ベースが5月の対前年比で47.7%増と伸びたほか、伸び悩んでいたDVDレコーダーも前年比2ケタ減から一転、販売台数・金額ともにプラスに転じた」と、デジタル家電市場でのW杯効果を分析した。

 液晶テレビとプラズマテレビを合わせた薄型テレビ市場では、6月第1週(5/29-6/4)が台数ベースで62.0%増、W杯開幕直前の6月第2週(6/5-6/11)が同前年比58.4%増と直前の駆け込み需要があったと指摘。1、2月はトリノ五輪を追い風に好調だった一方、3、4月は需要の一巡による一服感があったとしている。しかし5月には盛り返し、「金額ベースでは前年比47.7%増を記録。今年のボトムだった3月の前年比27.1%増から、約20ポイント押し上げる効果があった」(田中取締役)と解説した。

 液晶テレビは、5月が前年同月比で台数ベースが36.6%増、金額ベースが52.1%増となった。直前の6月第1週は、金額ベースが75.2%増、第2週で71.3%増と特に金額ベースで大きな効果が見られたのが特徴。金額ベースが伸びた要因として、液晶の大画面化が進んでいることも挙げた。5月第4週には32V型以上の割合が5割を超え、直近の6月第2週では53.4%と大画面の比率がさらに高まっている。



 一方、プラズマテレビではW杯需要はトリノ五輪に及ばず、2月の前年比を上回らなかったが、直近の週次ベースでは駆け込み需要が見られたとした。「液晶と比較しプラズマは市場規模がまた小さい。購入を検討していた需要層をトリノ五輪ですでに吸収してしまい、息切れ感がある」(同)と分析する。プラズマでも大画面化が進み、6月第1週には50型以上が20%を超えた。また、薄型テレビの購入者層を見てみると、液晶テレビは40代以上が6割を占めているのに対して、プラスマテレビは20-30代が5割を占めており、若年層の支持が高まっていると指摘した。



 液晶対プラズマの販売台数比率は、5月現在で、液晶テレビが92.2%、プラズマテレビが7.8%。薄型テレビ市場では、液晶テレビが占める割合が圧倒的に多い。このことから、液晶テレビが薄型テレビ全体の伸びをけん引したと見ている。

 DVDレコーダーには、さらに顕著な効果が表れた。05年11月以降、台数・金額とも前年割れが続いていたなか、5月はには台数ベースで前年比3.5%増、金額ベースで12.2%増と、そろってプラスに転じた。しかし、「W杯の恩恵を受けたものの、長く続かないのではないか。需要はまだまだ天井ではないが、次世代DVD規格がまとまらないなか、買い控えがおきている」(同)と指摘。

 台数ベースでは6月第1週の40.2%増がピークだったが、第2週には30.8%増になり、足元の伸び率にもややかげりが見えてきている。なお、ハイビジョン対応機の比率は5月第2週に5割を超え、1月と比較すると2倍近くにまで伸びた、急速にハイビジョン化が進んでいる。容量別では300GB以上が全体の構成比の25%に迫るなど大容量化も進んでいるとしている。



 デスクトップ、ノートを合わせたPC市場全体を見ると、05年はプラス成長を維持してきたが、06年1月の第4週から前年割れの水準で推移。ここにきて2ケタのマイナスが続いている。W杯効果が見込まれたテレビ機能付きPCにはまだPC全体を押し上げる力がないものの、テレビ機能付きPCのなかでは、地デジ対応モデルが25%を占めるようになり、デジタル化は進展している。

 今後の見込みについて田中取締役は、「W杯商戦は、日本が12日のオーストラリア戦に敗れたことで一旦ピークを迎え、商戦もひと段落した。しかし、日本代表の成績次第では、商戦の盛り返しもある」(同)と結んだ。


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など18社・約2200の店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。