サイボウズは3月23日、ウィルコム(八剱洋一郎社長)と業務提携し、PHSを使った法人向けモバイルグループウェアサービスを始めると発表した。3月23日から試験サービスを行い、06年末をめどに正式サービスを開始する。

 試験サービスはサイボウズが選んだ同社のグループウェア利用企業10-20社、最大400ユーザーを対象に実施。三洋電機製か日本無線製のウィルコムPHS端末から専用のウェブサイトにアクセスし、サイボウズのサーバー経由で利用企業のグループウェア「サイボウズ Office」を利用できるようにするもの。PHSを使って、スケジュールや社内掲示板などの確認や追加、変更をPCと同じように利用できる。サイボウズのサーバーと利用企業のサーバー間の通信には暗号プロトコル「SSL」を採用してセキュリティを確保。端末の購入や通信費などはすべてサイボウズが負担する。

 ウィルコムが通信回線の提供や端末販売を行い、サイボウズはソフトを始め、210万人を抱えるグループウェア利用企業へサービスを売り込む。また、携帯端末の課金業務などはサイボウズの子会社、インフォニックス(淺野浩志社長)が、携帯端末向けのウェブサイトの構築などは資本・業務提携するゆめみ(深田浩嗣社長)がそれぞれ担当する。

 サイボウズの青野慶久社長はパートナーにウィルコムを選んだことについて、「事業提携の返答がほかの携帯電話会社よりも早く、ビジネス分野に積極的なことがポイントとなった」と理由を説明。一方、同席したウィルコムの瀧澤隆執行役員ソリューション営業本部長も「ウィルコムがネットワークを、サイボウズがソフトをそれぞれチューニングすればビジネス市場で勝てる」と自信をみせた。

 正式サービス時にはPHS端末に専用ソフトを搭載し、専用サイトへのアクセス操作なしに利用できるようにする方針。ニュースや天気、乗り換え案内といったコンテンツの提供も計画している。中小企業をターゲットに販売し、開始1年で3万人のユーザー獲得を目指す。



 サイボウズでは新サービスをテコに、自社ブランドでの携帯電話を使ったMVNO(仮想移動通信事業者)への参入も視野に入れており、「PDAやスマートフォンのような端末を使って、今回のサービス開始1年後ぐらいには本格参入したい」(青野社長)考え。回線を借り受ける携帯電話会社は「KDDIやボーダフォンといった既存の事業者を始め、イー・アクセスやアイピーモバイルといった新規参入事業者も想定している」(同)とした。