05年のデジタルビデオカメラのトレンドといえば、軽量化とDVD化だろう。直近の「BCNランキング」では販売台数の過半数が500g未満。さらにHDD-DVDレコーダーの普及を背景に、DVDをメディアとして利用するカメラも26%と伸びてきた。こうした点をふまえ、年末商戦序盤のデジタルビデオカメラの売れ筋をチェックしてみよう。

 05年のデジタルビデオカメラのトレンドといえば、軽量化とDVD化だろう。直近の「BCNランキング」では販売台数の過半数が500g未満。さらにHDD-DVDレコーダーの普及を背景に、DVDをメディアとして利用するカメラも26%と伸びてきた。こうした点をふまえ、年末商戦序盤のデジタルビデオカメラの売れ筋をチェックしてみよう。

●デジタルビデオカメラ、重さの目安は400g台、DVDのブレイクは来年か?

 デジタルビデオカメラの軽量化は順調に進んでいる。11月に販売されたモデルのうち、300gまでの軽量タイプは11%、400g台は43.7%だった。500g未満で54.7%と過半数を占めている。500g台は30.9%、それ以上が14.4%だった。

 記録メディアとしては、依然としてminiDVテープが優勢で全体の60.6%を占める。しかし機種別シェアではDVDをメディアに採用したソニーのカメラがここしばらくトップを走るなど、DVDタイプの人気は高まっており全体の26.3%を占める。DVD-HDDレコーダーの急速な普及を考えると、シェアが逆転するのも時間の問題ではないだろうか。

 ハードディスクやSDカードを記録メディアとする製品も登場しはじめているが、ハードディスクタイプは9.9%とまだ少数派。大容量化が容易なハードディスクタイプでは、長時間記録できるという利点があるものの、発売メーカーが少ないこともあってこれからのメディアという感じだ。



●ランキング上位に位置するのは?

 トップ独走の感が強いのはソニーのハンディカム「DCR?DVD403」。記録メディアとして8cmDVDを採用した製品だ。映像サイズも、家庭のテレビが薄型大画面テレビの普及によってワイド型となってくることから、16:9のワイド対応としている。搭載している液晶モニタサイズも2.7型の16:9ワイド液晶で、「ワイドで見ながらワイドで撮る」をキャッチフレーズにしている。2位はビクターの「GR-DF590」。ビデオカメラは女性が利用することが多いことを想定し、女性でも片手で持てるサイズと重さを意識して設計。カラーバリエーションも女性向けのパウダーピンクを含む4色を揃えた。

 3位は、05年1月の発売時点で、3CCDを搭載している機種としては世界最小、最軽量を実現した松下の「DIGICAM NV-GS150」。 光の三原色それぞれに専用のCCDを搭載することで、色鮮やかな映像を記録するパワーを備えながら、ユニバーサルデザインを追求し、指一本で操作を行うことができる。

 4位はハイビジョンに対応したソニーの「HDR-HC1」。売れ筋のビデオカメラが実売価格で5万円から10万円の間に集中しているのに対し、この製品は11万円から18万円台が実売価格となっているにもかかわらず人気なのは、このクラスで唯一のハイビジョンカメラという強みがあるからこそだろう。

 5位も4位に続きソニーの製品「DCR-HC90」。16:9のワイド画角での動画撮影が可能となっているなど、1位のDCR-DVD403とコンセプト的に共通しているが、メディアが異なりこちらはminiDVテープ。6位は松下電器産業の「DIGICAM NV-GS250」。3位のGS150の上位機種で、動画有効画素数がGS150が44万画素であるのに対し、GS250が64万画素。静止画有効画素数がGS150が232万画素なのに対し、GS250が310万画素。手ぶれ補正方式も、GS150は電子式なのに、GS250は光学式だ。

 7位は日立の「DVDカム WOOO DZ-GX25M」。日立では薄型大画面テレビ、レコーダーにも「WOOO」ブランドを採用し、デジタル機器の統一ブランドとして使用している。DZ-GX25Mは、DVDカム WOOOの最上位機種で、DVD-RAM/-Rの記録再生に加え、DVD-RWの記録再生にも対応するDVDマルチドライブを搭載している。DVDを搭載したビデオカメラを世界で最初に発売した日立ならではの製品だ。8位はキヤノンの「DM-IXYDVM5」。横型の製品が上位を占める中、この製品は縦型。製品の特徴もデジタルカメラでも高いシェアを維持するキヤノンの強みを生かし、ビデオカメラでありながらきれいな静止画が撮れるのも大きな特徴だ。

 9・10位は日本ビクターのハードディスク搭載ビデオカメラEverioシリーズがランクインした。9位が、CCDが212万画素の「GZ-MG70」。10位が133万画素CCDの「GZ-MG40」だ。Everioシリーズは、ハードディスク搭載の利点を生かし、DVDと同等の画質を最大で37時間以上、長時間撮影することができる。ビデオやDVDと違ってメディアを取り替えることなく長時間撮影が可能だ。



●メーカー別でもラインアップ豊富なソニーが首位

 メーカー別販売台数シェアでは、ソニーがラインアップの豊富さから他社を大きく引き離しトップを走る。7月をピークに下降基調に入っていたが11月に入って若干もちなおしてきた。HDR-HC1のように映像マニアにも人気が高い機種から、子どもをもつ家庭でも支持される機種まで、幅広いラインアップが強みだ。DVDと、miniDV両方のラインアップで攻めている点も効いているようだ。



 一方ジリジリとシェアを伸ばしてきたのがビクター。11月に入って、20%を超えてきた。ハードディスクを搭載したカメラがまずまずの売れ行き。ビデオテープやDVDのようにメディアを交換する時間を気にせず撮影できる点をアピールするテレビコマーシャルを流すなど、ハードディスクのメリットを最大限に強調したことがプラスに作用しているようだ。そのほか、松下、キヤノン、日立はほぼ横ばいかやや下落基調。

 毎年年明けごろには各社から新製品が発表される。まだまだ発展途上のデジタルビデオカメラだけに、06年、各社がどんな戦略を引っさげて登場するのか、今から楽しみだ。(フリージャーナリスト・三浦優子)


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など18社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで115品目を対象としています。