本田技研工業(ホンダ)は12月13日、運動性能を大きく向上させた人間型ロボット、「新型ASIMO」を発表した。来春をめどにホンダ和光ビル内のオフィスで運用を開始する。リースについても順次適用していく予定。

 旧型に比べてオフィスなどの環境で作業する能力や運動能力が向上。人と手をつないで一緒に歩くような「人に合わせて行動する機能」を強化した。さらにワゴンを使った運搬機能も追加。また、統合制御システムの開発で、受け付け案内や、デリバリーサービスなどを自動で行うことができるようになった。走行能力も大きく向上し、時速6kmの走りや旋回走行などが可能になった。

 同社では「真に役立つ人間型ロボットの実現を目指して研究開発を進めてきたが、身体能力に関しては所期の目標を達成した」としている。今後は「状況に応じた総合的判断力など、知能領域に開発の重点を移していく」計画。

 「新型ASIMO」の大きな特徴である、(1)受け付け案内などを人に合わせて自動で行う機能、(2)ワゴンを使った運搬機能、(3)走行機能の向上──の3つについて、具体的には次のように機能する。

 まず「受け付け案内などを人に合わせて自動で行う機能」では、視覚センサー、床面センサー、超音波センサーによって周囲環境を認識。ICタグに光通信機能を加えた独自のIC通信カードを人が携帯することで、人の動きに合わせて自動で受け付け・案内ができる。また、頭部のアイカメラと手首にある力覚センサーを使い、トレイなどをタイミングよく手渡ししたり受け取ったりもできる。力覚センサーを採用したことで、人とASIMOが手をつないで一緒に歩くこともできるようになった。

 「ワゴンを使った運搬機能」では、重さ10kgまでのワゴンに対応。手首の力覚センサーによって、左右の腕の力を調整しワゴンとの間隔を適度に保ちながら自在に操る。ワゴンの動きを邪魔されても、減速したり向きを変えるなど、柔軟に対応して移動させる。

 「走行機能の向上」では、両足が浮いているときでも姿勢を制御することで、従来時速3kmだった走行スピードを、時速6kmに倍増させた。また旋回する際の遠心力にも体の重心を内側に傾けることで対応。すばやく旋回走行ができるようになった。

 ホンダでは今後、新型ASIMO開発で得た姿勢制御、画像・音声認識、衝突予知・回避などの技術を、クルマの安全技術をはじめとするさまざまな分野に応用していく、としている。