NECエンジニアリング(野口俊武社長)は、高品質・多機能の気象衛星画像受信処理システム「NESDUS-Vi(ネスダスヴィアイ)」を発売した。宇宙開発分野や衛星通信開発分野で培ってきた技術を応用した「NESDUSシリーズ」の新機種。直径90cmの小型パラボラアンテナを標準仕様とし、スペースが狭く設置が困難な場所でも導入できる。

 運輸多目的衛星「MTSAT(ひまわり6号)」から、デジタル方式で30分ごと(従来の2倍の頻度)に配信される雲画像の観測データの直接受信を実現。災害などで地上通信を利用した気象情報配信が途絶えた場合にも、最新の気象状況の観測が可能となる。

 疑似カラー表示や動画表示、重ね合わせ表示、雲行進路表示など、気象予測に有用な表示機能を多数搭載し、さまざまな視点から解析を行う。これによって、自治体・航空・船舶・保安事業・学校などにおいては、雨雲や台風の進路予測や移動速度の観測による災害予防に、旅館・ホテル業・イベント業などでは、気象情報提供によるサービス向上や顧客の足度向上に、学校・公共施設などでは、刻々と変化する気象状況を観察する気象予測の体験学習など、幅広い用途での活用が可能となる。

 さらに、「電波干渉除去機能」を標準搭載しており、設置場所近隣において周波数帯の近い干渉電波がある場合でも、オプションを追加することなく安定した運用が可能。また、受信端末とネットワーク接続された端末に、別売の閲覧用ソフトをインストールすることで、受信保存した雲画像データを複数台の端末で共有・閲覧することもできる。

 価格は、パラボラアンテナ/ダウンコンバータ/受信機/PCIボード/ソフトウェアから構成される標準システムが504万円(PC/工事費などは含まず)。既存パラボラアンテナを使用するパラボラアンテナ無しのモデルも発売する予定。幅広いユーザーを対象にシステム提案を行い、パラボラアンテナ有・無の両タイプ合わせて、3年間で300台の出荷を目指す。

 さらに、今後、インターネットで配信される天気図との「重ね合わせ機能」の拡充や、災害などの際に緊急情報を登録メンバーに一斉発信する「緊急情報同報システム」との連携などを行う計画。

 現在、「ひまわり6号」は、従来のアナログ方式(WEFAX)に加え、高品質な雲画像を伝送可能なデジタル方式(LRIT/HRIT)で観測データを配信している。07年末にはアナログ方式でのサービスを終了する予定のため、アナログ方式対応の気象情報受信処理システムを運用中のユーザーは、デジタル方式に対応した機器への切り替えが不可欠となる。