中国キングソフト(北京市、レイ・チュイン社長)は9月14日、今年3月に設立した日本法人のキングソフト(広沢一郎社長)を通じて、セキュリティソフト「金山毒覇」の日本語版を「キングソフトインターネットセキュリティ2006」として一般消費者向けに提供開始したと発表した。「中国市場で32.43%のシェアを持つトップベンダー」(キングソフト)の日本市場参入となる。

 「キングソフトインターネットセキュリティ2006」は、コンピュータウイルスとスパイウェア対策、パーソナルファイアウォール機能を搭載した総合セキュリティソフト。キングソフトの自社開発ソフトで1997年に開発をスタートし、中国市場では00年に提供開始した。現在1000万人以上のユーザーがいるという。

 提供方法はウェブサイトからのダウンロードのみ。自社ウェブサイトのほか、「ベクター」や「窓の杜」「エキサイト」など11社のウェブサイトからも提供する。販売戦略として、100万本限定でソフトと1年間の更新サービスを無償提供し、その後の更新費用は980円とする。100万本以降は半年間無償で提供し、その後は更新費用を980円で提供する。法人市場への展開については、「当面は考えていない」(広沢社長)としている。

 広沢社長は、100万本を無償配布する戦略について、「日本のコンシューマ向けセキュリティソフト市場は大手4社の寡占市場にあり、非常に参入障壁が高い」と市場環境を説明。そのうえで、「技術レベルの高さは中国市場での獲得ユーザー数をみても実証済み。まずは使ってもらうことが重要と考えた」と話している。まずは、年内までに100万ユーザーの獲得を目指す。

 ソフトの大きな特徴は、約1分間でインストールでき、インストール後もパソコンへの負荷が少ないこと。キングソフトの独自調査で、950通のメールを「Outolook Express」で受信するテストでは、シマンテックが受信に5分32秒かかったのに対し、「キングソフトインターネットセキュリティ2006」では2分19秒で受信するという。このほか、ウイルス対策ではアップデートファイルを1日約3回配布し、スパイウェア対策では8万種類以上のスパイウェアを検知する技術を持つ。

 中国キングソフトは、88年に設立しコンシューマ向けソフト開発・販売を手がける。従業員は約1200人。中国3地域に開発センターを持つ。セキュリティソフトのほか、オフィスソフト、オンラインゲームソフトも扱う。株式の約30%をレノボグループが保有しており、筆頭株主となっている。