本格的な普及期に入ったDVDレコーダー。その売り上げの伸びにしたがって、DVDメディアの販売枚数も1年前の約2倍と大きく伸びている。一方、平均価格は約25%下落、競争は激しさを増してきた。BCNランキングのデータをもとに、DVDメディア市場の現状を追った。

 本格的な普及期に入ったDVDレコーダー。その売り上げの伸びにしたがって、DVDメディアの販売枚数も1年前の約2倍と大きく伸びている。一方、平均価格は約25%下落、競争は激しさを増してきた。BCNランキングのデータをもとに、DVDメディア市場の現状を追った。



●枚数が最多なのはノーブランド、続く日立マクセル、TDK

 販売枚数シェアが一番高かったのはノーブランドで27.4%。次が日立マクセルで18.1%、続く3位がTDKで10.5%。以降、三菱化学メディア、ソニー、富士フイルムと続く。全40社中、上位10社で実に89%の販売枚数シェアを占めているという状況だ。また、市場全体ではここ1年で約2倍に成長。逆に1枚あたりの平均単価はこの1年で約25%下がり、競争は激化しつつも、各DVDメディアの普及を後押ししている。

 現在、主なDVDメディアとして普及しているのは「-R」「-RW」「-RAM」「+R」「+RW」の5種類。中でもポピュラーなのが「-R」だ。枚数シェアにして実に87%を占めており、ざっくり言えば、ほとんどのメディアは「-R」といってもいい。各種DVD機器との互換性が高い上に、安価なのが大きな特徴だ。しかし、「+R」と同様に書き換えができず書き込みが一回限りなのがデメリット。「焼き」に失敗してしまうと、「コースター」か「カラスよけ」として使うぐらいしか個人では再利用の手段がないのもつらいところだ。また一般に、対応するビデオフォーマットが「DVDビデオ」のみであるため、DVDレコーダーではキレイに編集した番組でも、メディアにコピーすると、編集のつなぎめにゴミ画像が残りやすいという欠点もある。


 その他のフォーマットもそれぞれ特徴があるが、普及を阻む最大の欠点は価格と互換性。だいぶ安くなったととはいえ、「-R」の3倍前後する価格をみるとやはり腰が引けてしまう。そして互換性の低さ。使用している機器が対応しているかどうかだけでなく、メディアと機器の「相性」の問題も考慮しなければならない、というのは頭が痛い。友人との貸し借りで「再生できない」というリスクを考えると、最も普及している規格である「-R」と、売れ筋のメーカーを選びたくなるのは人情というものだろう。

●着々と進む高速化で台頭する8倍速、16倍速も後に続くか?

 記録速度で販売枚数シェアをみてみると、高速化の動きが急だ。去年の8月には全体の80%弱を占めていた「4倍速」は、今年の7月時点でもトップではあるものの、すでに50%を割っている。かわって勢いを伸ばしているのが「8倍速」で、1年前には5%にも満たなかったシェアが40%強まで拡大した。


 これらの1枚あたりの平均単価を比べてみると、「8倍速」の平均単価は「4倍速」の9割弱にまで下落している。もともと、記録速度は速いに越したことはない。8倍速対応の機器が増加する中、メディアも安いとくれば、利用が増えるのもうなずける。


 なお、現在市販されている中で最速である「16倍速」のメディアは、価格面および機器の対応面において実用としてはまだ今一歩なのか、シェアとしては依然低い。しかし、「BCNランキング」初出である04年10月と比べると少しずつではあるが増え続けており、価格も下がりつつある。「8倍速」が「4倍速」に猛然と迫ったように、「16倍速」も躍進するのか、今後の推移に注目したい。

●パッケージは大型化、利用形態が変化?

 パッケージ枚数のトレンドはどうだろう? 50%弱のシェアで定番商品となっているのが「10枚組」。1枚や5枚といった小さなパッケージは年々減少傾向であるのに対し、「20枚組」や「50枚組」の大きなパッケージが徐々に増え始めている。特に、今年の5月以降、50枚パッケージの販売数が1枚パッケージの販売数を逆転したことは興味深い。「10枚組」を基準にして1枚あたりの平均単価を比較してみると、割高感のある「1枚パック」の割高度がどんどんあがっていることも、こうした現象の要因と思われる。


 こうした大きなパッケージが売れている要因には、価格以外にも「DVDメディアの使われ方」の変化が挙げられそうだ。家庭の中でまさに「消耗品」の性格が強まり、「1枚パックや5枚組ではすぐに使い切ってしまう」「たくさん使うから、大量パッケージのほうが安上がりでよい」と考えるヘビーユーザーが増えつつあるということだろう。

 とはいえ、その層はまだまだ少数派。「10枚組」が安定して売れていることから考えると、一般的なユーザーは、10枚という枚数が「ストックしておきたい量」と「価格」のバランスがちょうどよいと感じられているといえそうだ。また、パッケージ枚数はメディアの包装形態とも関連が深い。「5枚組」や「10枚組」は、1枚ずつプラスチックケースや不織布に入った状態でパッケージされているものが多く、一方「50枚組」などの大量パッケージはスピンドルケースに積み重なった状態で収納されているものがほとんどだ。保存性や取り出しやすさのことを考えるとスピンドルケースではやや心もとなく、1枚ずつの収納になんとなく安心感を覚えるという要素も、「10枚組」の売れ行きに貢献しているのかもしれない。

●「-R」の時代はまだまだ続く?

 やはり一番気になるのは、DVDメディアの「価格」だろう。しかし互換性や信頼性の高いブランド品の「-R」が1枚あたり100円を切りはじめ、旧来のビデオテープの価格を軽く下回ってきたことを考えれば、価格競争もそろそろ終盤戦といえるのではないだろうか? 今後は品質面、特に互換性の高さや耐久性なども大きなポイントになってくるだろう。


 さらに、デジタル放送の普及とともに、コピーワンスの番組を録画できる「CPRM対応」のメディアは今後注目されそうだ。しかしコピーワンスの規格自体まだ流動的。さらに「ブルーレイディスク」「HD DVD」で主導権争いが続く次世代DVD規格ではまだまだ混沌とした状況。こうした背景を考えると「-R」が主役の座を譲るのは、まだ当分先のことになりそうだ。


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など18社・2200を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで113品目を対象としています。
訂正とおわび

当初掲載しておりました当記事において、「販売枚数シェア」に関する数値に誤りがありましたので訂正いたしました。関係者および読者の皆様に深くおわびいたします。