デジタルライフに停電は禁物。たとえ一瞬でもそのダメージたるやはかりしれない。何時間も何日も何か月も何年もかかって作り上げたデータが、データが……。泣き言の前に備えを万全にしたい。UPS(Uninterruptible Power Supply)、またの名を「無停電電源装置」。個人レベルで考えると、自宅でサーバー運用を行うユーザーぐらいしか見向きもしなかった装置だが、パソコンやDVDレコーダーなど、デジタル家電が一般家庭に普及するにつれ、その必要性は高まっている。でも、どれを選べばよいのやら?

 デジタルライフに停電は禁物。たとえ一瞬でもそのダメージたるやはかりしれない。何時間も何日も何か月も何年もかかって作り上げたデータが、データが……。泣き言の前に備えを万全にしたい。UPS(Uninterruptible Power Supply)、またの名を「無停電電源装置」。個人レベルで考えると、自宅でサーバー運用を行うユーザーぐらいしか見向きもしなかった装置だが、パソコンやDVDレコーダーなど、デジタル家電が一般家庭に普及するにつれ、その必要性は高まっている。でも、どれを選べばよいのやら?

●停電や付近の落雷による突然の大電流からも機器を守る「頼れるヤツ」

 普通のデスクトップPCなら、停電するとマシンは即座に“落ちる”。この“いきなり落ちる”という状況ほどPCにクリティカルなダメージを与えるものはない。万一、ハードディスク書き込み中に停電しようものなら、HDD本体やその他のパーツが不調になったり、故障したりすることもある。もちろん、保存していない作業中のデータは消滅。サイバーの海の藻屑と消えてしまうのだ。

 こういった悲劇を回避するのがUPSだ。いざという停電時にはユニット内のバッテリが作動し、一定時間マシンを動かし続ける。その間、安全に終了させたり、落ちたブレーカーを元に戻すなどで対応することができるのだ。また、UPSの多くは雷サージ回路を内蔵している。付近に落雷した際、ACコンセントから流れることがある衝撃的な高電圧・大電流をシャットアウトし、つないだPCやルータ、プリンタなどを守る役目も果たす。

●バックアップ時間が3?5分、電源容量300W前後の機種が人気

 UPSは、機種によってバックアップ時間と電源容量が異なり、使用する機器に合わせて選ぶ。「BCNランキング」5月のUPS機種別ランキング上位50位までを見ると、バックアップ時間は3?8分程度、電源容量は165W?1500Wといった具合にかなりの幅がある。しかし、上位10位までにランクインしているものに絞ると、バックアップ時間は3?5分程度、電源容量は300W前後の機種の人気が高いことがわかる。

UPS機種別ランキング 上位10位
 一般的なパーツ構成のデスクトップPCの電源容量は、おおむね200W?350W前後。電源容量300Wの場合、ハードディスク1?2台、光学ドライブ1台、拡張カード2?3枚といったパーツ構成のPCまで対応できる。このように「スタンダードなPCにマッチした電源容量のものが多い」ことは、UPSが思いのほか、幅広いユーザーに受け入れらている証拠といえるだろう。

●種類が多いのは「ユニット型」だが、人気は手軽な「タップ型」

 また、UPSには、大きく分けて2つの形状がある。一つは「ユニット型」と呼ばれる箱形の形状タイプ。内蔵電池が大きくサイズも薄型から巨大なボック型までさまざまで、UPSの主流となっている。もう一つがテーブルタップと同じ形をした「タップ型」と呼ばれるタイプ。タップ形状なので内蔵する電池はさほど大きくなく、バックアップ時間も3?5分程度と短めのものが多いが、通常のテーブルタップのように扱える「お手軽感」がある。

 2タイプの比率は、同じく「BCNランキング」5月のUPS機種別ランキング上位50位によると、ユニット型が73.5%、タップ型が26.5%でユニット型が優勢だ。

UPS タップ型/ユニット型の比率(ランキング上位50位まで)

「ETAP-300」の写真 しかし、売り上げトップ10のみに絞ってデータを見てみると、この比率は逆転する。上位10位までのうち、6機種がタップ型であり、1?5位を連続して独占するなど、上位に集中しているからだ。とくに1位のAPC「BE500JP」はシェア13.6%、2位のエレコム「ETAP-300」が13.5%と、この2機種で3位以下に大きな差をつける。トータルでの「ユニット型優勢」の勢力図を塗り替える大健闘ぶりだ。

UPS タップ型/ユニット型の比率(ランキング上位10位まで)

 この違いは、店頭でUPSを買い求める人の多くが「個人ユーザーだから」といえそうだ。ユニット型の多くは企業向けの性格が強く、高性能だが価格も高め。これに対し、タップ型は価格も安く、UPSの作動に合わせてPCを自動的にシャットダウンする機能を備えるなど個人ユースに適している。手軽に設置でき、あまり費用をかけずに大切なPCを守ることができるタップ型UPS。この「お手軽感」がウケているのではないだろうか。

●PCだけでなく、デジタル家電にまで広がる用途

 その昔、UPSは個人向きの装置ではなく、例えば企業のサーバーやその周辺機器、または組み込み機器などの業務用装置を守るためのものだった。需要が限られるため価格は高価で、一般の目に止まることも少なかった。しかし、現在ではブロードバンド回線によるインターネット常時接続が一般的。個人でWebサーバーなどを構築して運用する人や、PCをつけっぱなしで使う人も増え、UPSの個人需要は高まっている。

 さらに、液晶テレビやDVDレコーダーなどのデジタル家電にも使うという動きもではじめた。これらデジタル家電、見た目は「家電」でも、中身はほとんどPC。やはり、いきなり“電源が落ちる”と故障やトラブルの原因につながる恐れがあるからだ。「イザという時、機器をクラッシュから守ってくれる」というUSP本来の特性は、こうしたデジタル家電にも大いに効果を発揮する。実勢価格で1万円を切る低価格機種も登場。個人でも十分に手が届くようになり、市場の広がりも期待できる。

 夏の落雷は不可抗力だが、それだけでなくエアコンを効かせてキッチンで電子レンジ、リビングで大画面テレビ、子ども部屋でPCのトリプル使用で、突然ブレーカーが落ちてしまうこともあるだろう。トラブルを未然に防ぎ、大切なデータを守りたいなら、ぜひ、このUPSに注目してみてほしい。(市川昭彦<Aqui-Z>)


*「BCNランキング」は、全国のパソコン専門店や家電量販店など18社・2100を超える店舗からPOSデータを日次で収集・集計しているPOSデータベースです。これは日本の店頭市場の約4割をカバーする規模で、パソコン本体からデジタル家電まで125品目を対象としています。