今売れ筋のデジカメは、四角いフラットデザインのスリムで小型のコンパクトデジカメ、通称”コンデジ”。このコンデジの軽量性やコンパクト性はそのままに、光学4?5倍程度と少しだけズーム比が大きなズームレンズを搭載し「あともう少し被写体に近づける」のが「中望遠搭載コンデジ」だ。その魅力の秘密を探ってみた。

 今売れ筋のデジカメは、四角いフラットデザインのスリムで小型のコンパクトデジカメ、通称”コンデジ”。このコンデジの軽量性やコンパクト性はそのままに、光学4?5倍程度と少しだけズーム比が大きなズームレンズを搭載し「あともう少し被写体に近づける」のが「中望遠搭載コンデジ」だ。その魅力の秘密を探ってみた。

●コンデジだって望遠撮影が楽しめる

 一般のコンデジはコンパクトなサイズとデザインが制約になって、光学ズーム比の小さい機種が圧倒的に多い。そのため、用途がほぼスナップ撮影に限られてしまう。旅先や家族イベントなど「あともう少し被写体に近づければ……」という場面での力不足は否めない。こんな時に威力を発揮するのが「中望遠搭載コンデジ」だ。

 例えば、RICOHのCaprio R2やCanonのPowerShot A520などが代表的な機種。外観は通常のコンデジとほぼ同じ。レンズの沈胴ストローク量が増えるため、厚みが若干増すものの、劇的にサイズが大きいわけではない。また実際に操作してみても、その違いもほとんど分からない。唯一普通のコンデジとの違いを実感できるのが、ズーム操作を行ったとき。今まで限界だったその一歩先に近づくことができるのだ。

●高い光学ズーム比が高画質の秘密

 中望遠コンデジが搭載するレンズをみると、実用性を重視した焦点距離が採用されていることが分かる。焦点距離で言えば35mmカメラ換算で28mm?190mmといった範囲。広角、標準、そして望遠域までカバーできるレンズだ。広がりのある風景をきっちり納めたい時には広角域、ポートレイト撮影などで適度に人物を際だたせたい時は標準域、スポーツや遠方の被写体などを撮影したい場合は望遠域という具合に、小気味良いズームワークが行えるのが中望遠コンデジの魅力の一つだと言えるだろう。

 デジカメのズームには光学ズームのほかにデジタルのズームもある。光学ズームのメリットはきれいな画像のまま被写体に「寄る」ことができる点だ。一方デジタルズームは、言わば画像を部分拡大するだけなので、その分どうしても画質が荒れてしまう。つまり、光学ズーム比が大きいということは、それだけ鮮明な画像を撮れる範囲が広いということなのだ。「多少画像が荒れてもいいからとにかく遠くを大きく撮りたい」という場合には、デジタルズームを組み合わせればいい。これなら一般的なシチュエーションでカバーしきれない被写体はまずないだろう。標準的なズーム比のコンデジにはない強力な特性だ。

●本格的に絵作りが楽しめる機種も

 こうした中望遠コンデジに分類するのがためらわれるような、本格的な作画を楽しめる機種もある。例えばOLYMPUSのCAMEDIA C-5060 Wide Zoomは27-110mmというかなり広角側に比重を置いたズームレンズを搭載している。マニュアルの露出モードも備えている点から、かなり凝った撮影ができるハイエンド向きの中望遠コンデジだ。またNikonのCOOLPIX5400なども同様に28-116mmという広角重視のズームレンズを搭載し、マニュアルを含めた豊富な露出モードを持っている。こうした機種ならデジタル写真というワクを超えて「写真そのもの」の楽しさ、本質にも触れることができる。撮影テクニックの勉強にももってこいだ。「様々なシチュエーションで使えるカメラが欲しい」という人だけでなく、「本格的に写真を勉強してみたい」といった人にとっても、この中望遠コンデジは最適なチョイスではないだろうか。(フリージャーナリスト・市川昭彦<Aqui-Z>)