「モバイルストレージ」または「フォトストレージ」と聞いて“ピン”とくる人はまだまだ少ないことだろう。それもそのはず、このモバイルストレージは、一昨年あたりから突如として現れたデジタルグッズのニューカマーである。「BCNランキング」05年1月の10?60GB外付けハードディスク販売台数に占める割合を見ても、7.4%とまだ少ない。

 「モバイルストレージ」または「フォトストレージ」と聞いて“ピン”とくる人はまだまだ少ないことだろう。それもそのはず、このモバイルストレージは、一昨年あたりから突如として現れたデジタルグッズのニューカマーである。「BCNランキング」05年1月の10?60GB外付けハードディスク販売台数に占める割合を見ても、7.4%とまだ少ない(図)


 では、「モバイルストレージ」は、どういったものなのか。簡単に説明すると、いわゆる持ち運び可能でUSBやIEEE1394といったユニバーサルインターフェイスと、各種メモリカードのスロットを備えた小型のハードディスクである。多くの場合、ハードディスクは2.5インチのIDE-HDDを搭載し、容量も20?80GBの記録エリアを有している。

 一般的なリムーバブル式のハードディスクと大きく異なるのは、「デジカメや携帯オーディオプレーヤー、USBメモリといった各種デバイスからPCを介さずにデータの直接コピー・移動操作が行える」という点。この「PCレスでのバックアップが可能」という点がデジカメユーザーを中心に大きく支持され、じわじわと人気が上昇。当初は種類も少なかったものの、人気が高まりつつある現在では参入メーカー、ラインアップも増え、一躍携帯オーディオプレーヤーなどと並ぶ人気商品として扱われはじめるようになった。「BCNランキング」05年1月の10?60GB外付けハードディスク販売台数シェアトップ10では、ニコン「COOLWALKER MSV-01」が6位にランクインしている(表)


 この「モバイルストレージ」を大別すると、大きく以下の3つのタイプに分けられる。

(1)「ピュアなモバイル・ストレージ」
 冒頭でも解説した純粋にデータのバックアップのみに特化したタイプで、本体は手のひらサイズ、20?80GBのハードディスクを内蔵。コンパクトフラッシュ、SDメモリカード、メモリースティック、xDピクチャーカード、スマートメディアといった各種のメモリカードスロットと、USB2.0やIEEE1394といったインターフェイスを搭載して完全にPCレスでのバックアップが実現できる。このタイプには、飛鳥の「Tripper Next」やトラセンドの「PhotoBank」などがある。

(2)「AV機能を付加したタイプ」
 上記の内容に加え、「AV機能」を搭載したタイプ。例を挙げると動画や音楽の再生機能、または静止画のビューワー機能などを搭載し、データのバックアップが終わってもAVプレーヤーとして楽しめるのが魅力。このタイプには、ニコンの「COOLWALKER MSV-01」やエプソンの「Photo Fine Player P-2000」などがある。

(3)「USBサーバー」
 かなりイレギュラーな存在だが、ユニット本体にハードディスクを搭載せず、外付けハードディスクなどのストレージと、マルチカードリーダーなどを接続する際に使用する「USBサーバー」と呼ばれるユニット。例えば、[外付けハードディスク]?[USBサーバー]?[カードリーダー]という形でユニットをストレージの間に挟むことで、(1)と同様の機能を果たすようになる。

 製品によっては、USBだけでなく、LANでの接続が可能になる「NAS」(ネットワーク接続ストレージ)としての機能をもつものもあり、ファイルサーバーシステムの構築など、モバイル用途以外にも幅広いソリューションを可能とするユニットである。このタイプには、サンワサプライの「SYNCBOX」やアイ・オー・データ機器の「USBストレージリンクアダプター」などがある。

 純粋に持ち運びを前提とした使い方をするのなら(1)、デジカメ用途などで撮影した画像を再生したり、あらかじめ音楽ファイルや動画ファイルなどを入れて出先などで楽しみたいのなら(2)、すでに外付けハードディスクやカードリーダーなどをもっており、それらの資産を有効活用したり、屋内でのファイルサーバー用途などの使い方も行いたいのであれば、(3)のタイプといった具合に使い分けるといいだろう。とくに、(3)に関しては、組み合わせるハードディスクを2.5インチタイプにすれば、持ち運びにも使え、状況によって様々な使い方ができる。

 いずれにしても、完全にPCレスで大容量データのバックアップができるため、これ1台持っていれば、デジカメユーザーはメモリカード不足から完全に解放され、場合によってはPCと組み合わせてリムーバブルなストレージとしても活用できる。この点から、今後一般ユーザーへの認知度が高まれば、モバイルストレージの人気はさらに上昇するであろう。

 とくにブレイクしそうなのは、先に解説した(2)の「モバイルストレージにAV機能を付加させたタイプ」。バックアップツールとしてのモバイルストレージに、「エンタテインメント」という要素を付加することで、楽しみは大きく広がり、旅行などの外出先において、iPodなどのポータブルオーディオプレーヤーと並ぶ必須の1台となる可能性を秘めている。今後もこのモバイルストレージの動向から目が離せない。(フリージャーナリスト・市川昭彦<Aqui-Z>)