2004年はドコモとauの激しいシェア争いが繰り広げられた1年だった。しかし、今年は、さらにVodafone、ツーカーも加えて、携帯電話のシェア競争が一段と激化しそうだ。ユーザーにとっては買い換え機種を決めるのに、頭を悩ませるシーンが増えてくるかもしれない。

 2004年はドコモとauの激しいシェア争いが繰り広げられた1年だった。しかし、今年は、さらにVodafone、ツーカーも加えて、携帯電話のシェア競争が一段と激化しそうだ。ユーザーにとっては買い換え機種を決めるのに、頭を悩ませるシーンが増えてくるかもしれない。

 まず、昨年のドコモ対auのバトルを振り返ってみよう。1月の段階では200万契約程度に低迷していたFOMAだが、11月には500万以上に契約を増やし、総数で約750万契約を突破。900iシリーズの登場が、それまでのFOMAに対するマイナスイメージを払拭した。また、携帯電話にFeliCaチップを搭載し決済機能をもたせた「おサイフケータイ」の登場もFOMAの普及に弾みをかけた。(図1)


 一方のauは、8月にCDMA 1X WIN対応端末を一気にリリースし、「定額・高速パケット通信はau」というイメージが浸透した。また、定額制を生かしたコンテンツも充実しており、秋に開始された楽曲配信サービス「着うたフル」は開始早々、軽々と30万ダウンロードを超えた。純増数のシェアでも11か月中、8回も1位を獲得し(昨年11月分の集計まで)、「万年2位のau」というイメージを完全に覆してみせた。

 そして、2005年のシェア争いを占ううえで、外せないキーワードが06年から始まる「モバイルナンバーポータビリティ」だ。異なるキャリアの携帯電話に買い換えても、これまで使ってきた電話番号をそのまま引き継げるという新しいサービスが登場するからである。

 ユーザーにとってはキャリアを選択する自由が広がる反面、キャリアにとってはユーザーが他社に流出するリスクが一挙に増えることになる。今年はそのための前哨戦で、各社とも地盤を固めるべくより魅力的な端末を出してくることが予想される。

 その第一弾として、04年12月からVodafoneが「Vodafone 3G」を開始し、第三世代への移行に本腰を入れ始めた。ツーカーも昨年発売した高齢者向け端末「ツーカーS」のヒットによって11月の純増数が02年2月以来のプラスに転じるなど、年末にかけて、ドコモ、au以外のキャリアにも明るいニュースが増えてきた(図2)。これを弾みに、05年はVodafone、ツーカーともさらに力を入れた攻勢をかけることが予想される。これまでのように、ドコモとauのみの戦いではすまなくなりそうだ。


 もちろんドコモ、auともナンバーポータビリティやライバルの追撃を見越して、準備に余念がない。ドコモは05年末に高速データ通信方式「HSDPA」を使った端末のリリースを予定している。これによって、auのWIN以上の高速通信を実現しつつ、パケットの定額料金を値下げしてくることが予想される。また、対するauも「モバイルSuica」の登場にあわせて、FeliCa内蔵端末をリリースすることを発表しており、各社ともすでに来年度末のナンバーポータビリティを見越した動きを見せている。

 さらにこれ以外にも新サービス、新機能搭載などの“隠し玉”が出てくる可能性も十分に考えられ、各社の動向に目が離せない。2005年、携帯電話市場はこうした各社の思惑が交差して、さらに過激なシェア争いが繰り広げられそうだ。