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ノジマの2024年3月期第2四半期連結決算、売上高は31.5%増だが経常利益は23.0%減で増収減益

経営戦略

2023/11/10 17:30

 ノジマの2024年3月期第2四半期累計(以下、2Q累計)の連結決算は、売上高が3580億6500万円で前年同期比131.5%と大きく伸長。しかし、営業利益は135億1100万円(同77.6%)、経常利益は146億7500万円(同77.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は91億9800万円(同72.1%)で、増収減益となった。

ノジマはコネクシオなどの連結子会社化で増収となったが、
利益ベースでは減益に

売上高はキャリアショップがデジタル家電専門店を上回る

 ノジマは2023年3月期においてキャリアショップ運営のコネクシオや外国為替証拠金取引業のマネースクエアHDなどが連結対象となっている。しかし、22年の2Qではまだ連結対象ではなかったため、2Q累計の売上高30%増という大幅伸長は、これら連結対象企業の売上高がオンされたことも要因の一つである。

 ノジマの事業はこの数年で大きく変化している。現在は5つの主要セグメントがあり、それぞれの2Q累計の売上高と経常利益は次のとおりだ。

 デジタル家電専門店運営事業の売上高は1306億6600万円で経常利益は88億1400万円。コネクシオの業績が含まれているキャリアショップ運営事業の売上高は1576億4400万円で、経常利益は14億4700万円。

 Niftyとセシールを含むインターネット事業の売上高は328億5200万円で、経常利益は27億5400万円。東南アジアで店舗を展開している海外事業の売上高は305億3800万円で、同セグメントは1億5000万円の経常損失を計上している。マネースクエアHDが連結対象となって新しく追加された金融事業の売上高は31億4600万円で、経常利益は9億8400万円だった。
 
家電専門店事業とキャリショップ事業はいずれも増収減益だった
 

販管費の大幅増加が利益面に大きく影響

 売上高は前述のとおり、前年同期比131.5%と増収で、粗利益は売上高の伸長率より低い同131.3%。連結対象企業が増加したことで販管費は同145.7%と粗利益の伸長率を上回る増加率となり、結果的に営業利益は同77.6%とダウンした。

 営業外損益では営業外収益と営業外費用のいずれも前年同期より減少したが、営業外収益の減少幅の方が大きかった。その結果、経常利益は前年同期比77.0%となり、最終純利益は同72.1%まで落ちこんだ。
 
販管費が前年同期の約1.5倍増えたことで利益を圧迫した

 販管費の増加による利益面への影響は、各経営指標からも分かる。2Q累計の粗利益率は30.2%で前年同期と変わっていない。だが、販管費率は26.4%で前年同期から2.6ポイントアップ。営業利益率は前年同期の6.4%から3.8%にダウンし、経常利益率も同様に7.0%から4.1%、当期純利益率も4.7%から2.6%へ下降した。
 
21年3月期から他の家電量販企業より高い営業利益率だったが、
2Q累計では大きくダウン。2Q単独ではエディオンに抜かれた

 2024年3月期は売上高が前年比118.2%の7400億円、営業利益は同113.2%の380億円で、経常利益は同113.1%の410億円を見込み、最終純利益は同115.8%の270億円と予想している。
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